推理ゲーム『ねこじま人狼』5th｜リアクション

推理ゲーム『ねこじま人狼』5th

●占い師たちの殴り愛

　アカリは、うー、と可愛く唸る。

「撤回がないってことは、たぶん占い師を主張してる奴から吊ることになる……よな」
「志波先輩、あのタイミングで明かした理由を知りたいっス」
　春彦の問いかけに、武道はゆるり、紅茶を飲みながら答えた。
「役職オープンの流れだったから占い師三番手でも明かしたけど、伏せてる人が多かったら試合始まってから明かす気だったんだよね。衛くんを占ったのは勘だから、二人みたいに占い根拠の提示ができないのがもどかしいけど」
　対抗占い師を名乗るアカリと衛を見据え、武道は続ける。
「後からの黒出しはリスキーだって話だけど、人外……特に妖狐は、二人占い師が出た後で騙るメリットがない。だからこそ、人外が騙るならいち早く手をあげると思うんだけどな」
　アカリは拳を顔の近くに持ってきて「むー……」と唸りながら考えている。
「俺は正直、志波先輩は人外なら狐だろうって気がするけど、志波先輩が人外で出てくるメリットが思いつかねーんだよな。……けどまー、潜るメリットもないっちゃないのか……？」
　すると、占い師を名乗っている衛が、眉間にしわを寄せてアカリと武道を見た。

「メリットはなくはないさ。占い師の内訳はこうなると真１、人外２だろ。例えば、志波先輩が黒だって主張した俺が吊られて、俺が真占いだった場合、さあ狐と狼どっちも生きてるぞ、どっちを勝たせる？　って島民を揺さぶれて、しかも呪殺の危険を減らせる。
　また例えば俺が狼だった場合、呪殺の危険はあるけどほら霊能結果とあってる、本物だっただろうって言える手段だから……ギャンブルではあるけど悪い手じゃねえ気がするんだよ。狐の視点で見れば、な。そういう意味でもすっげー武道さんが狐っぽく見える」
　対抗である衛とアカリが話す様子をじっ……とうかがっていた武道は、矛先を向けられ、また紅茶を啜る。
「そうかな？　狼にしろ狐にしろ騙るなら『島民』『島民だが狐くさい』って判定出すんじゃないかな？　霊媒と騎士がいるからね」