推理ゲーム『ねこじま人狼』5th｜リアクション

推理ゲーム『ねこじま人狼』5th

　――戸影邸。

　真夏にも関わらず、屋敷の中はひんやりとしていた。
　空調があるとも思えぬ薄暗い広間。
　天井には、埃と蜘蛛の巣まみれのシャンデリアが下がっているが、灯りはついていない。
　室内を照らす仄かな灯りは、楕円卓の上の銀の燭台からもたらされるものであり、屋敷の主・戸影エムアと招待された九名のプレイヤーが円卓を囲むように座っている。
　それぞれの前には温かい紅茶とクッキーやマカロンなどのお茶菓子が供されていた。

「それではみなさんの主張をおさらいしておきましょうか。主張した順に……敬称略です」

　　卯木衛：　　　　【占い師】（鴻上彰尋さんを占い「島民」）
　　来島アカリ：　　【占い師】（水守流さんを占い「島民」）
　　水守流：　　　　【島民】
　　小山内海：　　　【島民】
　　志波武道：　　　【占い師】（卯木衛さんを占い「人狼」）
　　楢木春彦：　　　島民サイド→【霊能】
　　サキリ・デイジーカッター：【パン屋】
　　鴻上彰尋：　　　島民サイド→【騎士】
　　八重崎壱都：　　役職伏せ

「皆占い騙り好きだよね」
　占い師三つ巴の状況に、サキリは肩を竦めた。
「こちらが疑われる心配がなくなったので、やり易くてありがたいけれど」
　そう言いながら、パンケーキをナイフで切って美味しそうに食べる。
　サキリの主張は「パン屋」だから、パン屋らしくというわけだ。

「まず確認したいのだけど」
　とサキリは皆を見回した。
「役職は先に皆が表明した通りで良いかな。もしスライドしたいなら早めにお願いするよ」

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