ニャンとめでたいワンダフル！｜リアクション

ニャンとめでたいワンダフル！

【一息つくのも勿体ないよね】

　これで人生分のバンジーをやって来たとも思える、白ねこの夢宮瑠奈はようやく一旦本部に戻って来て一息をつきました。
　お祭りは大盛況で、瑠奈の目に入った本部前の『プレゼント広場』と呼ばれている広場には、いぬとねこが絶え間なく歩いています。

「あれはどうして『プレゼント広場』なのかしら？」
「今回は、ねこの王さまの誕生日も兼ねているから、あそこで肝心のねこの王さまの代わりにプレゼントを受け取ったり、偉いいぬねこの新しい名前を決めたり、色々するところからついたわーん」
「王さまとしょうぐんさまは、新しい名前にするのね」
　瑠奈は、その言葉になるほどと頷きながら、広場をじっと見つめました。

「うん、せっかくのお祭りだから、もう少し賑やかで歌ったり踊ったりしても良いと思うの。
　ちょっと行ってくるね」
　丁度バンジーの疲労も回復したところ。瑠奈は軽くそう伝えると、小さな背でも目立つように、上に乗っても壊れない程度の軽い箱を持って、本部のテントを出ていきました。

「かーもんべいびーねこじまー♪」
　本部から少し離れた『プレゼント広場』の、中央から端に少し寄り気味の場所に箱を置いて。
　瑠奈は箱の上で、歌と共に軽やかなダンスを披露しました。
　小さな足と手が、歌のリズムに合わせて振られるさまは、見るからに楽しそうです。
　最初は箱から足を踏み外してしまうのではないかと心配そうに見ていたいぬねこ達も、その心配は無いと判断すると、楽しそうに一緒に体を動かし始めました。
　そして、一曲終わる度に人の手ほど響かないけれども温かい拍手が届くのです。

「さあ、みんないっしょにおどろう！」
　そう瑠奈が、楽しそうにしているいぬねこに声を掛けていたところで、ふといぬねこ達の言葉が耳に入りました。

「寝子島には、こんな音楽あるにゃんねー」
「これはキャンプファイヤーのダンスが楽しみだわーん」
（あ……そうかも）

　歌いながら、その言葉に瑠奈は思いました。
　確かに今よりも、これをキャンプファイヤーの時にやっていれば、もっといぬねこ達が集まってより楽しくなるんじゃないかと。

「（その方がいいかも。そうしようそうしよう）
　うん──ありがとうー！　後はキャンプファイヤーでー！」
　心の中でそう決めて、瑠奈は一旦歌を切り上げました。きちんとお辞儀をしつつも、準備を考えるとゆっくりもできません。

　急いでその場所を離れようとして──
　瑠奈は、その目に犬のしょうぐんとねこの王さまの姿を見つけました。