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らっかみ!新春☆初夢宝船フェア! ~富士編~
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茜の空の下には茜の色した鳥居が建っている。
「……え?」
咄嗟に踏みとどまった下駄が、ころん、と軽やかな音を立てた。
黒い瞳を瞬かせ、
御巫 時子
は周囲を見遣る。
爪先より先には山の上へと続く石の階。無数に建つ鳥居で隧道のようになった石段のその先には、夕暮れ闇には眩しいほどの提灯がいくつもいくつもつり下げられている。
提灯の下にはたくさんの露店が並んでいはする、けれど。
「え……?」
時子は結い上げてまとめた黒髪と同じ黒い睫毛を幾度も瞬かせる。確かに今日は寝子島神社でお祭りがあった。街角の掲示板にもポスターが貼りだされていた。
屋台がたくさん出て、催し物もたくさんあって。賑やかで楽しそうだから足を向けてみようと準備をした。大人っぽい柄の浴衣を纏い、いつもは三つ編みお下げにしている髪もちょっぴり大人っぽく結い上げて、下駄をカラコロ鳴らして楽しい気持ちのまま夕暮れの町を歩いて、――
辿りついたのは、けれど目当ての寝子島神社ではなく、賑やかなお祭りの只中ではなく、
「ここ、は……?」
幾重にも立ち並ぶ鳥居の向こうは、人気もなく森閑と静まり返っている。見知らぬ境内には屋台ばかりがずらりと連なっている。その屋台にも、店番の人影はなさそうだ。
異様とも取れる雰囲気に思わずじりりと後退る。鳥居はまだ潜っていない。石段もまだ一段だって登っていない。このままくるりと踵を返してしまえば、何事もなくフツウの日常に戻られるかもしれない。
そう思うのに、視線は石段の上に見える眩しい境内の景色に繋ぎ止められ離せない。何故、と惑うたその瞬間。
「あっ」
連なる鳥居の奥、紺色浴衣を纏った男性の背中を見た。
少し細くて猫背気味で、けれど背の高い背中。櫛をあんまり通していないような栗色の髪。どこか眠たそうに、掴みどころがなさそうにふわふわと歩く背中を、時子はよく知っている。
「尚輝先生っ……」
好意を抱く高校教諭の名を呼べば、知らず足が前に出た。気付けば石段を懸命に駆けあがっていた。
「尚輝先生っ」
切れる息も構わず
五十嵐 尚輝
の名を口にして、最後の一段に足を取られた。声もなく転びかける肩を手を、
「御巫さん?」
少し慌て気味の声と共、尚輝先生が支えてくれた。
「大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫、ですっ……」
乱れる息が恥ずかしくなって俯けば、捲れた裾が目に入った。慌てて乱れを正し、胸を抑えて息も静める。
「尚輝先生の姿が見えて、追いかけて来てしまいました」
先生に追いつけた安堵のままに言うと、何故だか先生は照れたように視線を伏せた。
「助けてくださってありがとうございます」
続けて言いながら、支えてもらった肩と手が離れていないことに気づき、時子も今更ながら頬にふわりと熱を昇らせる。気恥ずかしい気持ちはあるけれど、でも、
「手を、繋いでいてくださいますか……?」
自分よりもずっと大きな手と繋いだ手を、離したくはなかった。
「えっ、あ、……」
時子よりも遅れて生徒と手を繋いでいることに思い至り、尚輝先生は少し慌てたように頭を掻く。そうしてから、ふと真剣なまなざしで周囲を見渡した。
二人以外には誰一人として居ない、お祭りのはずの神社の境内。
熱い食べ物が並んだり、お面や射的の景品が並んだりしているのに店の主のいない屋台。
煌々とした提灯の灯りに照らし出されていながら黄昏に呑まれて行く屋台群を眺め、ふたりはしばらく祭りの入り口に立ち尽くした。
不穏なようなそうでないような、漂う不可思議な気配に、時子は繋いだ先生の手をぎゅっと握る。
「大丈夫です。大丈夫ですよ、御巫さん」
尚輝先生は息を吐くように笑った。時子の手を強く握り返し、半歩先に立って歩き始める。
「これはきっと夢です」
お祭り真っただ中のはずなのに、誰も居ない静かな参道を進む。
「だから大丈夫です」
言い聞かせる穏やかな口調で尚輝先生は繰り返す。
カラコロと下駄の音がふたつきり重なって響く。
「そうですね、大丈夫です」
先生の言葉に賛同を示しながら、時子は先生の指を掴む手にそっと力を加える。
(でも、……)
ふたりきりで歩く時間は、夢であってほしくなかった。できるならもう少し、こうしてふたりで歩いてみたかった。
先導してくれる先生の背を見仰ぐ。
尚輝先生、と呼びかけようとして、
「……?」
茜の視界を過る小さな影に気づいた。ひらひらと、ふわふわと、羽衣のような鰭を揺らめかせて茜の空を遊ぶように泳いでゆくのは、
(――金魚?)
夕暮れよりも尚濃い影の色した金魚たち。
時子の視線に気づいてか、金魚たちはひらりと優雅に、どこか悪戯っぽく鰭を翻した。その途端、ざわり、と周囲に騒めきが戻る。
「えっ?」
「あれ?」
卒然と寝子島神社のお祭りの真ん中に戻され、時子と尚輝は驚いた顔を見合わせ、そうして、訳が分からないまでもともかくも戻って来られたと安堵する。
「少し、見て行きましょうか」
安堵の息混じりに尚輝先生が笑う。時子は大きく頷き返す。
「はい、尚輝先生」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月01日
参加申し込みの期限
2019年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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