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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【終業式】負けられない！ 夏休み前哨戦！！
結：そして、時は動きだす……夏休みへと！
（今日は終業式だったかしら）
と、人の流れに混じって教室へ向かうのは朝鳥 さゆる。掃除はやる気がしなかったので適当にサボった結果、混乱とした神魂トラブルから免れたという幸運の持ち主である。実に運がいい。
そんな彼女は生徒たちの会話から今日が何の日か把握しつつ「……学校のスケジュールなんてわからないわね」なんて呟いた。まぁ、あまり学校へ来ない彼女だからだろうか。
（ん？）
ふと、さゆるは誰かと目が合ったような気がした。それは海開きの時、一緒に過ごした女性だったような気がしたが……。
（年齢不相応、硬質で退廃的、無表情な美貌。制服が全く似合わない）
さゆるを見ていたのは、Malice。葉利沢 倫理子がとある悪夢を見た時から現れた交換人格である。彼女は時折主人格である倫理子と入れ替わり、色々と楽しんでいるようだ。
さゆるの予想通り、海開きの時に一緒に過ごしたのは彼女である。
（ふふっ、今日も誘っちゃおうかしら？ ……いいえ、やめておきましょ）
いったい何に誘うつもりだったのか。それはさておき、Maliceは意味深な視線をさゆるに送り、雑踏へと紛れたのだった。
（校長先生の話、今日も長かったな……）
森篠 琳子は終業式が終わると、ぼんやりとした頭で教室に戻っていた。そして静かに椅子に座り、担任を待つ。
妙に大掃除が疲れてしまったが、それもこれも、気のせいだろう。この所忙しい気がするので、疲れていたのかもしれないし、妙に暑いから幻でも見たのかもしれない。
「おまたせ」と少し遅れて入ってきた青い目の男性が、担任であるウォルター・Bである。
彼は挨拶を２、３済ませるとにこやかに通知表を返し始めた。彼は一人一人に何かコメントを添えて渡しているようだった。
「それじゃ次いくよー。森篠」
「はい」
琳子が返事をして通知表を受け取ると、ウォルターがにこっ、と笑った。
「よく頑張っているね」
開いた通知表には５と４のみが並んでいる。主要五教科の成績を見て何かの手ごたえを感じた琳子ではあったが、その表情はすぐに曇った。
（この成績なら、木天蓼大学どころか東京の難関大学でも余裕で現役合格できそうね……。でも……）
彼女の脳裏によぎるのは、家庭の事情。高校１年の頃に父を失い、今は母と小学生の妹との３人暮らし。生活費の足しにと思いバイトをする彼女は、進路希望を就職としているのだ。
彼女は通知表をすぐにカバンに閉まって、一つため息を吐いた。
（今年の夏休みは職場見学や９月の就職試験対策に追われるから、そういう気分にはなれないわ。でも根詰めすぎても……）
どこか浮かない顔をした彼女を見、気になったのだろう。ホームルームの後、ウォルターは彼女に声をかけた。
「何か、気になる事でもあったのかい？ 進路や勉強の事なら夏休み中でも相談においで」
仕事で学校に来ているから、とウォルターが穏やかに言う。
「ありがとうございます」
琳子は丁寧に一礼し、教室を後にする。そうしながら見上げた空の青さに目を細めながら、僅かに口元を綻ばせる。
（そうだ、妹と海に行こうかな）
少しは、気分も紛れるかもしれないし、きっと妹にとってもいい思い出になるだろう。そう思いながら彼女は小さく頷いた。
「ほんなら、通知表返すで。名前呼ばれたら来てな」
さゆるは、担任の牛瀬 巧の声で我に返った。
名前を呼ばれ、通知表を受け取る。だがその時、巧はしっかりとさゆるの目を見て
「朝鳥さん、終わったらちと話しよか」
と言った。一体何を話しするのだろうか、と考えるさゆるだったが、すぐに出席日数の事だろうか、と思って席に戻る。他の生徒が名前を呼ばれる間、彼女はぼんやりと先ほどの事を考えた。
（あの視線……。やはり、彼女だったのかしら？）
そんな気がしてならないさゆるであったが、すぐに意識を別の事に向ける。黒板の前では、担任が夏休みの宿題や注意事項などについて説明している。宿題はすぐに終わるだろう、と思ったさゆるだったが……、牛瀬が「忘れてた」と１枚の紙を配布した。
「進路志望アンケートは夏休み明けに提出してな。それを元に個人面談とかするさかい忘れないように。お休みしている友達にはだれか頼むで」
（進路志望……）
早すぎるだろうか？ それともこの時期が妥当なのだろうか？ そう考えるも、さゆるはすぐにその紙を折りたたみ、ため息を吐くのだった。
うわの空で聞くは、夏休みの注意事項。そんなものを右から左へ聞き流していくうちに、ホームルームも終わっていた。
（今日は終業式だったかしら）
と、人の流れに混じって教室へ向かうのは朝鳥 さゆる。掃除はやる気がしなかったので適当にサボった結果、混乱とした神魂トラブルから免れたという幸運の持ち主である。実に運がいい。
そんな彼女は生徒たちの会話から今日が何の日か把握しつつ「……学校のスケジュールなんてわからないわね」なんて呟いた。まぁ、あまり学校へ来ない彼女だからだろうか。
（ん？）
ふと、さゆるは誰かと目が合ったような気がした。それは海開きの時、一緒に過ごした女性だったような気がしたが……。
（年齢不相応、硬質で退廃的、無表情な美貌。制服が全く似合わない）
さゆるを見ていたのは、Malice。葉利沢 倫理子がとある悪夢を見た時から現れた交換人格である。彼女は時折主人格である倫理子と入れ替わり、色々と楽しんでいるようだ。
さゆるの予想通り、海開きの時に一緒に過ごしたのは彼女である。
（ふふっ、今日も誘っちゃおうかしら？ ……いいえ、やめておきましょ）
いったい何に誘うつもりだったのか。それはさておき、Maliceは意味深な視線をさゆるに送り、雑踏へと紛れたのだった。
（校長先生の話、今日も長かったな……）
森篠 琳子は終業式が終わると、ぼんやりとした頭で教室に戻っていた。そして静かに椅子に座り、担任を待つ。
妙に大掃除が疲れてしまったが、それもこれも、気のせいだろう。この所忙しい気がするので、疲れていたのかもしれないし、妙に暑いから幻でも見たのかもしれない。
「おまたせ」と少し遅れて入ってきた青い目の男性が、担任であるウォルター・Bである。
彼は挨拶を２、３済ませるとにこやかに通知表を返し始めた。彼は一人一人に何かコメントを添えて渡しているようだった。
「それじゃ次いくよー。森篠」
「はい」
琳子が返事をして通知表を受け取ると、ウォルターがにこっ、と笑った。
「よく頑張っているね」
開いた通知表には５と４のみが並んでいる。主要五教科の成績を見て何かの手ごたえを感じた琳子ではあったが、その表情はすぐに曇った。
（この成績なら、木天蓼大学どころか東京の難関大学でも余裕で現役合格できそうね……。でも……）
彼女の脳裏によぎるのは、家庭の事情。高校１年の頃に父を失い、今は母と小学生の妹との３人暮らし。生活費の足しにと思いバイトをする彼女は、進路希望を就職としているのだ。
彼女は通知表をすぐにカバンに閉まって、一つため息を吐いた。
（今年の夏休みは職場見学や９月の就職試験対策に追われるから、そういう気分にはなれないわ。でも根詰めすぎても……）
どこか浮かない顔をした彼女を見、気になったのだろう。ホームルームの後、ウォルターは彼女に声をかけた。
「何か、気になる事でもあったのかい？ 進路や勉強の事なら夏休み中でも相談においで」
仕事で学校に来ているから、とウォルターが穏やかに言う。
「ありがとうございます」
琳子は丁寧に一礼し、教室を後にする。そうしながら見上げた空の青さに目を細めながら、僅かに口元を綻ばせる。
（そうだ、妹と海に行こうかな）
少しは、気分も紛れるかもしれないし、きっと妹にとってもいい思い出になるだろう。そう思いながら彼女は小さく頷いた。
「ほんなら、通知表返すで。名前呼ばれたら来てな」
さゆるは、担任の牛瀬 巧の声で我に返った。
名前を呼ばれ、通知表を受け取る。だがその時、巧はしっかりとさゆるの目を見て
「朝鳥さん、終わったらちと話しよか」
と言った。一体何を話しするのだろうか、と考えるさゆるだったが、すぐに出席日数の事だろうか、と思って席に戻る。他の生徒が名前を呼ばれる間、彼女はぼんやりと先ほどの事を考えた。
（あの視線……。やはり、彼女だったのかしら？）
そんな気がしてならないさゆるであったが、すぐに意識を別の事に向ける。黒板の前では、担任が夏休みの宿題や注意事項などについて説明している。宿題はすぐに終わるだろう、と思ったさゆるだったが……、牛瀬が「忘れてた」と１枚の紙を配布した。
「進路志望アンケートは夏休み明けに提出してな。それを元に個人面談とかするさかい忘れないように。お休みしている友達にはだれか頼むで」
（進路志望……）
早すぎるだろうか？ それともこの時期が妥当なのだろうか？ そう考えるも、さゆるはすぐにその紙を折りたたみ、ため息を吐くのだった。
うわの空で聞くは、夏休みの注意事項。そんなものを右から左へ聞き流していくうちに、ホームルームも終わっていた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年01月10日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年01月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年01月17日 11時00分
