携帯戦記カプセルギア　アイランドウォーズ　エピソード2｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　アイランドウォーズ　エピソード2

（このガーゴイルってギア、ちょっと引っ掛る物言いなのよね。……『皇帝』の正体も謎だし、少し探り入れてみるかしら）

　【ZePet】の閉店後に店内へと侵入してきたギアを見ながら、八重崎五郎八はそんな事を考える。
　ガーゴイルが口にした言葉から、少なくとも五郎八が前回ミノタウロスと戦った事は把握されているのは当然の話だ。

（同種同士の意識共有以外でも『皇帝』は何らかの手段で情報共有が可能？　もしそうなら戦えば戦う度此方の手の内を見切られていくのかも？）

　問題は、どこまで把握がされているのかという事。最悪の場合は五郎八が思っているように戦えば戦う程こちらが不利になる可能性もある。
　そこまで考えたところで、五郎八は今回は別のギアを使用する事にしたようだ。彼女が取り出したのは前回とは違う、忍者型のイズナだった。

「いきましょうか、イズナ」

　【ZePet】の店内をイズナが駆ける、飛ぶ、舞う。
　当然の事だが、この店の中の事は五郎八は知り尽くしている。どこに何があるのか店長以上に把握すらしているかもしれない。
　それ故に、イズナの正しく忍者と言えるような全力機動を行っても何かにぶつかるという事はないのだ。

　店内の壁や棚、テーブルやカウンター等を足場に縦横無尽な動き。
　地の利というものをこれでもかと言う程に利用するその動きは、一片の曇りすらない。

『ぬぅっ！』

　イズナの右手に握られた双柄槍が振り抜かれガーゴイルへとヒットする。勿論それだけでは大きなダメージにはならないが、目的はガーゴイルの対処を見る事にある。
　機体は前回と違うが、この右腕のパーツは同じ物なのだ。それを敢えて使用する事でどう対応してくるのかを五郎八は確認しようとしていた。

　だが、五郎八が見る限り完全に把握をしているわけではないようだった。
　時折防ぐ事はあるもののそれはどちらかと言えば今把握して防いだかのように見えるのだ。

（うーん。戦ったかどうかくらいの把握は出来るけど、戦法や戦術のような細かい把握は無理なのかしら？　それとも部下への共有がそこまで出来ないだけ？）

　今回はこちらの戦術・戦法を把握しているわけではないというのは解った。だが、今後もそうかは解らないし、何より昏き皇帝ディープスはどうなのかが解らない。

（もしかしたら、こうして部下を送ってくるのはその戦闘を見る為、という可能性はあるわよね。何時か、自らが戦う時の為に）

　もし、そうであったとしたらかなり厄介な手合いかもしれないと五郎八は思う。
　だが、とりあえずは今回の戦いを終わらせる事にしたようだ。

「イズナ」
『むっ！？』

　相変わらずの縦横無尽に動くイズナの両腰から発煙弾が射出される。そして、ガーゴイルの背後に回ったイズナがその煙の中へとガーゴイルを蹴り込む。
　煙による視界封じ。だが、それに驚く暇など与えないとばかりのイズナは次の行動に移る。
　それは店内の消灯だ。電灯を消す事によって、店内を暗くしたのだ。

『何っ！？』
「残念、遅いわね」

　まさか電灯まで消してくるとは考えていなかったガーゴイルは驚愕と共に動きを止めてしまうが、仕掛けた側のイズナは俊敏な動きでガーゴイルへと忍び寄る。
　双柄槍を二刀短剣モードに変形させ、無音の高速二刀斬撃。

『な、何故っ！　何故、動けるっ！？』
「どこに何があるのか把握しているのだからそう難しい話ではないわ」
「おのれえええええええっ」

　混乱でもしたかのように無暗に剣を振るうガーゴイル。だが、それすら五郎八は予想済みで。
　背後に回ったイズナの静かな一撃で戦いの幕は下ろされる。

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あとがき

担当マスター：昂祈
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昂祈です。
携帯戦記カプセルギア　アイランドウォーズ　エピソード2のリアクションをお届けいたします。

始めてのシリーズもの、そして、初めてのカプセルギアのシナリオという事で色々と手さぐり感はあったりしますが如何でしょうか。
このカプセルギアを書いてて思うのは、結構昔の漫画ですがエンジェリックレイヤーを思い出します。

そのエンジェリックレイヤーもそうですが、こういったものは実際にあったら是非ともやってみたいなぁと思ったりします。
果たして生きている間に、こういったものが現実化する時代は来るのか！

さて、今後もこのシリーズはまだ出していくと思いますのでその際はよろしくお願いします。
それでは、この度のシナリオにご参加頂きありがとうございました！

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