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【水泳大会】レースとシャチと、あとサメ(白猫組サイド)
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●負けず嫌いの意地
荒太郎に続いて、足子八がバタフライから背泳ぎへと移る。
その時、観戦している生徒たちの一部――主に男子――が、「おおっ」と声を上げる。
ぽよぽよでふよふよな立派な二つのフロートが、背泳ぎすると目立つからだろう。
胸が邪魔、とは水泳においてはしばしば言われることだ。
けれどこと背泳ぎに限って言えば、大きな胸はむしろ浮力を生み出すアドバンテージにもなるのだ。
(このまま一気に抜かしたろかー)
ぽよよんフロートは、軽快に進んでいく。
だけども、水泳部というのはやはり強敵だ。
荒太郎に少し近づくたびに、今度は引き離されてしまう。
しばらくいたちごっこを繰り返すうちに、メドレーは背泳ぎから平泳ぎへと移る。
ターンキックにあわせて、ぐるりと体を捻って潜水。
浮上して平泳ぎへと移ると、
「……すげえ、カエルみてぇ」
なんて誰かの声が聞こえた。
(だーれがカエルやねん! タコはよー言われるけど、カエルは初言われや――うん?)
ちょっとばかりムッとした足子八だったが、追い上げてくる気配につかの間気を取られた。
まるでうっぷんを晴らすかのようなペースで、ぐんぐんと迫ってくる。
その気配を感じたのは、荒太郎も同様だ。
近づいてくるにつれて気迫すら感じさせる存在感に、荒太郎は白猫組の選手としては脅威を覚える。
けれど水泳部の先輩としては、むしろ頼もしくも楽しい気持ちにならないではいられなかった。
しっかりものの後輩が、負けず嫌いを解き放って勝負に出たのだから。
(負けないぞー!)
もうひと踏ん張り、気合を入れる。
桜の本分は、平泳ぎとクロールだ。
だからここまでは、首位でなくとも距離を離されすぎないようにすることに注力していた。
それは決して手抜きではなく、本当の意味で全力を出すための判断だ。
万が一焦って得意な種目以外で全力を出して、挙げ句に負けてしまったら。
終わってから、絶対後悔するから。
負けるのは嫌だけど、それはただ負けるよりもずっとイヤだと思う。
だからここからは、距離を詰める――そして追い抜くことだけに注力する!
ぐん、とペースを上げていく桜。
平泳ぎの間に足子八を追い抜いてまずは水泳部の意地を見せる。
そして荒太郎との勝負は、最後の25メートル――自由形へ。
ターンキックで、まず荒太郎が前に出る。
前半に飛ばしていたとは思えない体力で、ほとんどペースを落とすことなく泳ぎ続ける。
(流石……でもっ!)
もうペースを考える必要はない。残された体力を、重ねてきた練習の全てを解き放つように、桜は全力のクロールで追い上げる。
荒太郎との距離はまたたく間に縮まり、やがて追い抜いた。
桜の全力に引っ張り上げられるように、荒太郎のペースが上がる。
すると今度は、それに押されるようにして桜のペースが。
心拍数が限界まで跳ね上がり、一周まわって疲労すら感じなくなるほどの熾烈な闘い。
最後にソレを制したのは――桜だった。
プールから上がった桜は、水泳帽を握りしめて、溢れ出そうな喜びに身体を震わせた。
メドレーで首位を取っただけじゃなくって、水泳部の先輩にまで勝ったのだ。
水泳大会はまだ終わっていないというのに、全てに決着がついたかのような気持ちに、ついなってしまう。
「負けちゃったー。いやー、水上さん速いねー!」
負けても楽しそうにニッコニコな荒太郎に、桜は少し得意げに微笑んでみせた。
「言ったじゃないですか。『負けませんよ』って」
そんな二人に、足子八が声をかける。まいったわあ、という口斑とは裏腹に、その顔には笑みが浮かんでいた。
「二人ともえらい速かったなー。私も自信あったんやけど、二人には完敗やで」
「水泳部ですから」
と、面目躍如の余裕のにじんだ表情で桜。
「先輩もめっちゃ速かったよー! ね、水上さん!」
荒太郎が同意を求めると、桜も頷く。
それに「ありがとなぁ」と微笑むと、足子八はぺたぺたとその場をあとにした。
入れ替わるように、は
志波 武道
がやってくる。
武道は二人の顔を交互に見やると、
「お疲れ、二人とも☆ メドレーの自己ベスト更新したんじゃない?」
我がことのように笑顔で、二人に記録を見せたのだった。
【現在の点数】
黒猫組:4点
白猫組:2点
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月19日
参加申し込みの期限
2018年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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