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【水泳大会】レースとシャチと、あとサメ(白猫組サイド)
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●例えばソレは格差社会
――水泳大会当日、女子更衣室にて。
楡宮 遠海
は、鏡と向きあっていた。
映っているのは、寝子高指定のスクール水着に着替えた遠海自身の姿だ。
遠見が手を動かせば、鏡の中の彼女もまた同じように動く。
虚像の自分が、胸をぺたぺたやっていた。
すかっ、すかっ、と。そんな音が聞こえた気がする。
ぴったりとしたスク水を着れば、否応なしに体型が強調される。
胸までスレンダーな、起伏に乏しい体型も。
遠海はいわゆる『やせの大食い』で、体型からすれば規格外と言っていいほど食べても太らない。
そして胸に栄養はいかない。母親は同じ体型で、B88なのに。
小さくため息をついてプールサイドに出ると、
「……う”」
陽の光を浴びた吸血鬼の断末魔みたいな声が出た。
ロリ巨乳ってああいうのを言うんだろうなー、って感じの子とか、多分スク水だと胸キツいんだろうなー、ってビキニ着てる人とか、高校生とは思えぬたわわがそこら辺を歩いてるんだもんしょうがない。
しかも同じ組には、現役グラドルの
初瀬川 理緒
も居る。グラドルだけあって、スク水を着ていると、豊満な体つきがだいぶアレでソレな感じになっていた。
たわわから目を背けても、黒猫組には異常なくらい大人びた美女も居るし。
ほんとに高校生か皆!?
「なんでこの学校、女子のレベル高いのよ……」
女子のレベルが高すぎて、肩身が狭い。両側からプレスされてるくらい狭い。
かくいう遠海も、美少女と言っていい顔立ちなのだけれど。
やはり、隣の芝は青く見えるのだろう。
ため息をこぼしてトボトボ歩いていると、またまたレベルの高い女子が、目の前を通り過ぎていった。
容姿に対する自覚と自負をどちらも備えた人にしかできない悠然とした、どこか見せつけるようにも思える様子で歩くその女子の顔立ちに、遠海は覚えがあった。
途端、よみがえる記憶に、遠海の頬が熱くなる。
この前の身体測定で、赤面しちゃうような目に一緒にあったというか、巻き込んでしまった先輩――
葉利沢 倫理子
だった。
(あれ、でも……)
こっそり書き換えられた文章を読んだ時のような、そんな違和感があった。
それもそのはず。
今の倫理子は、倫理子ではない。
倫理子の顔貌で、けれど倫理子が纏うことのない空気を漂わせる彼女は『Malice』。
悪意と害意を引き金に、入れ替わった別人格。
Maliceは以前、倫理子の見た悪夢、そこで受けた悪意を引き金に体を乗っ取ることを覚えた。
そのやり方で、今日も好き勝手に楽しもうとしていたというわけだ。
(悪くないじゃない、こういうのも)
スク水に包まれた身体を眺め、Maliceは楽しげに口元を歪めた。
夏の日差しの下でも、
三宅 葉月
は静謐な可憐さを漂わせていた。
アンティークドールのような雰囲気すら有する彼女が、寝子高のスク水を着てプールサイドを歩いている。
その姿は可憐さとアンバランスさが入りじまっていて、いつにも増して存在感を示していた。
そんな彼女に視線を奪われた誰かが、「あの人運動できるの?」なんて漏らしているのが聞こえた。
無理もない。繊細とすら言える彼女の容姿は、運動が得意そうにはあまり見えない。
好き好んでエントリーするようとは思えないだろうし、事実いつのまにか登録されていたのだ。
心当たりがないわけではない。今にして思えば。、プール開きの時に目をつけられたのだろう。
こう見えて、水泳は得意な方なのだ。選手として通用するかはともかく、だけれど。
けれど別に、そのことに不平不満を口にする彼女ではない。
もとよりそういうタイプではないけれど、泳ぐのは嫌いじゃない、というのもあるのかもしれなかった。
●運営側の風景
「50メートル自由形に参加する選手の人は、集まってください」
優木 遥斗
の声が、プールサイドに響く。普段は静かに話す方だから、意外に大きな声に驚いている人もちらほら居た。
「遥斗くん、声かけサンキュ☆」
「先輩」
志波 武道
に声をかけられ、遥斗はぺこりと頭を下げた。
「お手伝いアリガト。助かっちゃうよ!」
「いえ、体育委員ですから。他にも手伝いが必要なことがあったら、言ってください」
「器具の確認もおかげで出来てるし、しばらくは大丈夫かな。記録は水泳部に任せろ!」
胸から下げていたストップウォッチをぐっと掲げた武道は、ふっと視線を遥斗の背後へと向けた。
つられて見やれば、
「そこー、プールサイド滑るからキヲツケテネ!」
自由形の参加者らしき女子が、プールサイドを走っていた。
そして、胸が揺れていた。
つい視線を寄せてしまって、ハッとなって体ごと視線を逸らす遥斗。
「どしたの?」
「……いえ、なんでも」
男女混ざっての水泳大会だというのに、女子生徒はまともに見られない遥斗であった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月19日
参加申し込みの期限
2018年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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