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~アルカニア戦記~ 第一話『勇者の産声』
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皆が自分の為に頑張ってくれている、動かなくては……それはわかるのだがどうにもナディスの意思に反し体は思うように動かなかった。
手を一つ動かそうにも震え、母や父が潰された時の恐怖が音が、悲鳴が何度も木霊しその恐怖が彼女を支配していく。
今、彼女はある程度は安全である神父の休憩室に身を隠している。
戦いの流れ弾に巻き込まれないようにという真白の配慮であった。
「う、あ……うう……」
力のない自分に苛立ち、ナディスは自分の拳を強く握り締めた。
部屋で一人俯いた彼女の顔は悔し涙で濡れている。
そんな彼女の拳に優しく触れる手があった。
それは
風雲児 轟
である。
「あんな魔獣と戦うなんて、怖いよな。俺だって怖いさ。だからナディスがこのままあいつを見逃しても、ここから逃げても文句は言わねぇ。ただあいつらに蹂躙されて後々、この世界の人間がいなくなっちまう」
「……」
「そんなの関係ない、ここで終わってもいい……そう思うならいいさ。だが、ナディスの中の何かが嫌だって叫んでいるのなら……立ち上がって抗うしかねぇんだ。それでも一人じゃ不安な時は……たったひとこと、言えばいい」
すっと立ち上がる轟の背中を見上げ、ナディスは泣き顔のまま問いかける。
「ひと、こと……?」
「ああ、手を貸してくれってな!」
「あはは。轟くんは強いんだね……僕なんかとは全然違う」
「どうかな、怖いって思うのは一緒だからそう変わらねぇと思うぜ? よし、これをやるよ」
「これは……?」
ナディスは轟に渡された小さなナイフを手に取ってみる。見た目は普通の鉄のナイフと変わらないが、柄にちーあという文字が彫られていた。
「こいつは、いっつも俺達に迷惑をかけるがまあ、いざって時には頼りになる奴からの貰いもんでな。ナディスが持ってろ、お守りみたいなもんだ」
「いいの……?」
「ああ、いいぜ」
「……ありがとう」
「立ち上がるのには勇気がいる、だがお前は逃げずに……ちゃんとここにいる。もう自分でもどうすればいいか、わかってるんじゃねぇか?」
轟が視線を送った方向には教会の裏口があった。
そう、ナディスは逃げようと思えばここから逃げられるのに逃げなかったのである。
「うん、そうだよね。泣いてばっかりじゃ何も変わらない……僕は、みんなが父さん母さんみたいにされるのは絶対に嫌だ。僕にもできることを……ううん、僕がみんなを守るんだ! 手を貸して、轟!」
「よし、その意気だ! …………戦衣着装!!」
轟はナディスの目の前でろっこんを発動し、その身をヒーローストレイトへと変える。
その彼の姿は今のナディスにはとても眩しく見えた。
「いくぜ、一緒によ!」
「うんっ!」
勢いよく扉を開け、轟は真直ぐにミノタウロスへと突進する。
ミノタウロスは度重なる交戦で傷だらけになり片目を失い、片腕だけとなっていたがその足取りはまだしっかりしており、大斧を振るい暴れていた。
全身血塗れの満身創痍といった状態だが笑いながら大斧を振るうあたり、ツクヨと同列の戦闘狂かもしれない。
「やっと来たか、俺が武器を奪う、二人はその間に……奴を!」
「おう! 任されたァッ!」
轟とナディスの姿を確認した八神は狙いをミノタウロスの武器に定め、ろっこんを発動する。
次の瞬間、彼のろっこんがミノタウロスの持っていた大斧を粉々に砕く。
「な、ん……だとぉぉぉっ!」
「今がチャンス! せやぁぁぁ!」
「……っ!? 待てナディス、奴は……っ!」
何かに気づいた八神の制止する声を振り切ってナディスはナイフを構え、武器を失ったことで動転しているミノタウロスへ突進する。
だが直後、ミノタウロスは太い右腕を振り被りナディスへと振り下ろしたのであった。その動作の切り替えの時間は一秒にも満たない。
そう、奴は狙っていたのである。動揺した所を見せることで襲い掛かってくる愚かな未熟者を。
そして未熟者の末路はどれも変わらず……死、である。
「あぶねぇっ! ぐぅうああぁぁぁぁぁあッ!」
ナディスを守る為に間へ割って入った轟は巨大なハンマーのような一撃を真面に受けくるくると宙を回転しながら飛び、地面へと叩きつけられる。
全身を電流の様な痛みが走り、体のあらゆる器官が警鐘を鳴らしているのが嫌でも分かった。
立ち上がろうとするが、上手く呼吸すらできず、視界がぼやける。
(ちく、しょぉぉお……うごけ、うごけよぉ……っ、俺の、体ぁ……!)
ずしん、ずしんとミノタウロスが近づいてくるのが見える。
大きく腕を振り上げ、止めを刺すつもりの様であった。
「だめっ! 轟は……やらせないっっ!」
ナディスは轟を守るように立ち、ナイフを起点に光の刃を顕現させ……迫るミノタウロスの拳を打ち返す。
それは誰かを守りたいという純粋な想いの刃であった。
白い正常な刃はまだ細く、弱々しいがそれでもミノタウロスと戦うには十分すぎる力である。
「轟、立って! 僕だけじゃ、決定打が足りない……手を、手を貸して……轟ッ!」
轟を守りながら声をかけ続けるナディスはもう泣いている少女の横顔ではなかった。立派な勇者の横顔である。
「へへ、いい顔、するように……なった、じゃねぇか……ナディス!」
「……轟!」
ゆらりと立ち上がった轟は戦闘態勢をとった。
「異世界の英雄ナディス、お前の想いは……ザ・ストレイトが受け取った! 次の一撃で決めるぞ!」
「うんっ!」
轟はろっこんの強化能力を発動し、自らの身体能力を引き上げた。
軋み悲鳴を上げる体を根性で動かし彼はミノタウロスへと突撃する。
「いくぜぇぇぇぇぇぇーーッ! スゥゥトレイトォォオオオッ! スゥゥゥマッシャアアァァァアアアーーーッ!」
轟の全力の拳をミノタウロスは片腕で受け止め、両者の力は拮抗する。
凄まじい衝撃波が巻き起こり、瓦礫や壊れた木材などを吹き飛ばし稲妻が走った。
「確かに、ぐはっ、強い……だが、拮抗する程度では……俺は倒せんぞッ!」
「俺だけだったら、そうだったかもな……だからお前を倒すのは俺じゃねぇ、しかとその耳と、心と、魂に刻めッッ! おまえを倒すのは……勇者、ナディスだッ!」
「でぇぇぇやああぁぁーーーッ!」
ミノタウロスの背後から現れたのはナディスであった。光の剣を振り被り大上段から振り下ろす体勢である。その刃はしっかりとミノタウロスの頭部を狙っていた。
「なにぃぃいい!? 上だとぉ!?」
轟の攻撃で身動きが取れないミノタウロスはナディスの一撃を防ぐこともできず、光の刃はミノタウロスの頭部に突き刺さった。
「グゥゥウアァァァア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ーーーッ!」
光の一撃を受けた魔獣ミノタウロスは黒い塵へと変わり、爆散する。
ここに勇者は誕生し……魔獣、ミノタウロスは討ち果たされたのであった。
「やったよ! 僕、できた……! みんなのおかげで倒せたよぉーーっ」
「わかった、わかったって、いてて、こっちはぼろぼろなんだ、あんまり抱き付……ん?」
「なに? どうしたの?」
抱き付くナディスの違和感に気づき、轟は素直に聞いてみる。
「えと、さっきからなにか小さいけどやわやわな物が当たってる気がするんだが……?」
「あぁぁ、ご、ご、ごめん! つ、つい、勝てたら……嬉しくなっちゃって!」
ばっと飛びのく様に離れ、胸を隠す様に腕を抱くナディスの様子に確信を持った轟はポツリと呟く様に聞く。
「あ、もしかして……おまえ、女の子……だった?」
「うん、そうだよ。隠してたけど……もう、いいかなって」
「ええぇぇぇぇぇぇえええええ!?」
かなり驚いたのか轟の素っ頓狂な声に一同は笑い、大いに和んだ。
こうして異世界の勇者の第一歩は危なげながらも、踏み出されたのである。
日常に戻り、彼らは戦いに疲れた体を癒すだろう。
だが、それはひと時の事に過ぎない。
異世界での戦いは……始まったばかりなのだから。
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あとがき
担当マスター:
ウケッキ
ファンレターはマスターページから!
遅れてしまい申し訳ありませんでした。
今回は勇者のはじまりの物語となります。ナディスは今後、どのような強敵と戦い、どんな困難と闘っていくのでしょうか。
世界を救う……その道のりは遠く険しい物だと思われます。
ですが、皆様の力があれば彼女の心が折れることはないでしょう。
またのご参加を楽しみにしております!
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担当ゲームマスター
ウケッキ
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
お色気
定員
20人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月02日
参加申し込みの期限
2018年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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