this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
~アルカニア戦記~ 第一話『勇者の産声』
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
「あそこか……よし」
少し崩れた教会の中に震えるナディスを確認した
八神 修
はなるべく冷静に、ナディスを脅かさないようにゆっくりと近づいた。
崩れた扉の僅かな隙間を潜り、ナディスに声をかける。
「おや、先客だ。こんにちわ、君がナディス……かな?
「ひっ! だ、だれ……」
「名前はツクヨから聞いていてね。驚かせたならすまない」
「だ、大丈夫……ちょっと、驚いただけだから」
ふと、八神はナディスの胸元に目がいった。破れた衣服の隙間から小ぶりではあるが、形のいい何かが見えている。
それに気づいたナディスは深いため息をついた。
「あはは、ばれちゃった……よね?」
「ああ。君は……女の子だったんだな」
「うん……勇者になるなら、甘く見られないように……少年で押し通そうって思ったんだ。ま、こうしてもう、知られちゃったわけだけど」
しばしの沈黙の後、八神から話を切り出す。彼は背を壁に預け天井を見るようにして話す。
それをナディスは同じく天井を見つめながら聞いていた。
「どうして勇者になろう、なんて思ったんだ? 自分が勇者になる存在だ、と言われても……拒否ぐらいはできたよな」
「実は……俺、ううん、僕……お兄ちゃんがいたんだ」
「お兄さん?」
少し笑顔になると俯きながらもナディスは言葉を続ける。
合わせた手を強く握り、悲しそうな眼をしながら話す彼女に八神は黙って真剣に耳を傾けた。
「お兄ちゃんはすっごく強くて……みんなに信頼されてて……きっと勇者っていたら、お兄ちゃんみたいな人をいうんだなって思ってた。でもお兄ちゃんは魔獣から村の人を守る為に……だから、僕も、お兄ちゃんみたいになれたらって……でも、でも、何も、できな、くて……っ!」
泣き出すナディスだったが、優しく抱き締める八神の行為に安心したのか彼女の想いが零れ出す。
八神の胸を借りるようにナディスは涙を流す。
「僕は、僕は……何も、できなかった! お兄ちゃんみたいにできない! 魔獣にやられる……お母さんも、お父さんも、見捨てて……助け、られな……くて……僕は……っ!」
「……なら、なぜ君はまだ逃げていないんだ?」
「えっ……」
「村を捨てて、逃げることだってできたはずだ。でも君はここに残っている……無意識でも……君は選んだ、ここに残り、戦うことを。逃げないってことをね」
「でも、僕は……僕は……っ」
俯くナディスの背後から声が聞こえた。その声は年若い少女のものである。
振り向くとそこには背の低い豊満な胸をもった少女……
白 真白
が立っていた。
「ナディスくん……いや、ナディスちゃんかな。ナディスちゃんは何の為にここに来たの? まずはそれを思い出す所から、だよ」
「何の為に……僕は……火の手が上がるのを見て、みんなを助けたくて……それで……勝手に、体が……」
「うん、それでいいんだよ。誰かの為に何かしてあげようとする、頭じゃなくて心で動く……それが大事なんじゃないかな」
そこまで話した段階で八神は何かに気づき、真白へ移動を促す。
真白も何らかの気配を察し、彼の指示に従って教会の内部へと移動した。
教会の中は外見ほど崩れておらず、ほぼ原形を保っている。とはいえ屋根の類は一部崩落し、中央付近の天井には穴が開いているのだが。
「ほほう、こんな所にいたとはな……どうりで見つからんはずだ」
「あ、わ、あ……ああ、あ……」
腰を抜かし、目を見開いて口をパクパクさせながらナディスは後ずさる。
そんなナディスを守るように八神と真白は迫る魔獣……ミノタウロスの前に立ちはだかった。
「悪いが、お前の相手は俺達だ」
「そうそう……悪い牡牛さんにはお帰り願わないと、ね?」
ミノタウロスはギロリと二人を睨む。殺気のこもった視線だが八神と真白はそれに動じる事はない。
身じろぎすらせず、戦闘態勢を崩さない二人に満足したのかミノタウロスは大声をあげて笑った。
片手で顔を覆い、天を仰ぎながら笑うさまは心底楽しそうである。
「くっくっく、あーっはっはっはっはっは! 我の視線に耐える胆力を持った者達と相見えるのは久方ぶりだ! これが昂ぶらずにはいられようかッ!」
息を大きく吸い込むと、ミノタウロスは雄たけびを上げる。
そのまま流れるような動作で手に持った大斧を勢いよく振り下ろした。
即座にマントを翻すと真白はろっこんにより、マントを硬くその硬度を上げる。
硬度の上がったマントは鉄の板の様に固まりミノタウロスの大斧を受け止める即席の盾となった。
強靭な鉄の盾の如きマントはミノタウロスの大斧を受け止め、ガチーンと鈍い金属音を響かせ赤い火花を散らせる。
大斧を受け止められたミノタウロスは口の端を歪ませてにやりと笑った。
「これを受けるか。手加減したとはいえ、お前達人間には驚かされるぞ!」
「そりゃどーもっ、それじゃ……これはどうかな!?」
真白は鉄のカーテンとなったマントでミノタウロスの大斧をいなすと、懐からロープを取り出しミノタウロスの首目掛けて投げる。
先が輪のように結ばれたロープがミノタウロスの首に引っ掛かった瞬間、真白はロープを強く握りしめ、力の限り引っ張った。
すると輪が締まり、ミノタウロスの首は荒縄のロープでぎりぎりと絞め上げられていく。
「貴様、これを狙って……だがこの様な、か細いロープなんぞ……ぐっ、何だこれは!」
「ふふふ、どう? 取れないでしょ? 私の力で強化されたロープだもん。簡単には外させないからね!」
ミノタウロスの首を絞め上げるロープは彼女のろっこんで硬く硬化しており、引き千切ろうとミノタウロスが手をかけて力を込めてもびくともしない。
それどころか硬いロープは彼の首を絞め、その太い頸動脈を徐々に圧迫していく……息苦しくなったミノタウロスはたまらず片膝をついた。
「……ぐ、これは……本気で相手をしなければならんようだ……貴様らぁ……猛る牡牛の恐怖を身に刻めぇぇぇぇええーーーッッ!」
ひと際強く、地面が揺れるほどの雄たけびを上げたミノタウロスはロープを吹き飛ばしその咆哮の風圧で八神、ナディス、真白さえも吹き飛ばす。
辛うじて受け身を取った八神は軽傷であったが真白はナディスを庇った為に、右腕を強く壁に打ち付けてしまった。
折れてはいないが、痛みで力が入らない。
「全員、物言わぬ肉塊へと変えてくれるわぁぁぁあああーーー! ウォォオオオオオオオオオオオオーーーッッ!」
◆
「今のは……あの教会からか!」
「急がないと危なそうですねぇ……」
ギウロスを排除しながらナディスを捜索していた
御剣 刀
は途中で合流した金髪赤目の女性、ツクヨと共に咆哮の聞こえた教会へと急ぐ。
道中、走りながら御剣はツクヨに気になっていたことを問いかけてみる。
「ツクヨはなぜ、ナディスに戦いの手解きをしたんだ?」
「あひゃぁ? あらあら気になりますかねぇ? 気になっちゃいますぅ?」
ツクヨは根っからの戦闘狂である。
誰かを助ける為の戦いはするかもしれないが、望んで教育係に回るとはとても思えない。御剣はそう考えた。
心底楽しそうな、それでいていつも通りの狂気を孕んだ瞳を向けるツクヨはその問いに笑って答える。
「そうですねぇ……意志を感じたから……ですかねぇ。それに……」
「それに?」
「何度も立ち上がる意志を持つ子をじわじわいたぶるのは……イケナイ扉を開けてしまいそうでしたよぉ」
「……おい」
じとりとした目を向ける御剣の視線に気づいたツクヨはまた妖しい笑顔で笑う。
花魁の様な露出の高い着物を纏ったツクヨとその表情の組み合わせは言い表せないほどの色気を伴っていた。
「冗談ですよぉ? あひゃはっ本気にしちゃいました?」
「いや、流石に慣れたよ」
二人は教会近くに辿り着いたが周囲にギウロスの気配を感じ、瓦礫に身を潜める。倒せない相手ではないが……今、交戦して到着が遅れるわけにはいかないからであった。
狭い瓦礫の隙間でツクヨのほぼ上乳が見えている胸元に目が行かないように御剣は精神を律する。当人はバレていないつもりだがはたから見れば割とばればれである。
「貴方はどうして……助けたいんですかぁ? あの子を」
「それは……今じゃなくていいだろ」
少し自分の持つ勇者論を展開するみたいで気恥ずかしく、御剣はツクヨにその事を伏せようとしたのである。
だが彼女の眼はその心すら見透かしているのだろうか。
狭い瓦礫の隙間でわざと自らの胸が御剣の胸板に押し付けられるように体を寄せる。
「言ってくれないんですかぁ?」
「うっ……」
「刀さぁん、教えてくださいよぉ?」
(あああああああああ、胸も当たってるし、吐息も……しかもここで名前呼びはずるいだろぉ!)
わざと御剣の肩に顔をうずめ吐息を吐くツクヨの色気と甘いおねだりに御剣はとうとう観念したようである。
「わかったわかった……言うよ。その、俺、勇者ってのは絶望的な状況でも折れずにたった一人になっても勇気を振り絞って……立ち向かう、そういうもんだって思うんだ。だから、あいつには最初の踏み出す一歩ってのを自分自身で決めて欲しいんだよ。そいつを間違ってしまうと、肝心な時にぽきんって折れちまうからさ」
「へぇ……そういうことですかぁ」
(甘くねだられると断れなくて……あれ!? これって躾けられてるんじゃ……!)
「いかん、俺がツクヨを躾けなくちゃ!!」
「躾ける……ふふ、ツクヨは何をされちゃうんでしょうねぇ?」
「はっ、いや、口に出て、あ、う……!」
にやにやと笑うツクヨに恥ずかしくなった御剣は先に行くぞっと言い放ち、瓦礫の隙間から飛び出す。
「あらあらあら、ふふ、ふふふふふ、本当に可愛いですねぇ?」
大斧を振り上げるミノタウロスの目の前に躍り出た御剣は一閃、鋭い斬撃を放ちミノタウロスの機先を制した。
胸部を深く切り裂かれたミノタウロスは倒れそうになったが大斧を杖代わりに踏み止まり、御剣を睨む。
だがその表情は強者に出会い、楽しそうに笑う戦士の其れであった。
「ツクヨ、援護を頼む!」
「あひゃはっ! 出番ですねぇぇーーっ!」
姿勢低く突進したツクヨは両手から赤い鎖を顕現させ、それを教会の天井近くの壁に突き刺すと高く跳躍した。
振り子の様な軌道でミノタウロスに接近したツクヨは回し蹴りの要領でミノタウロスの右肩を狙う。
彼女の着物から除く両足は黒い異形のモノであり、それは細い鳥の足に似ていた。
その爪は鋭く、最も近い物で言うならば恐竜のラプトル種の物に酷似している。
ツクヨはその鋭い爪を最大限に使い、ミノタウロスの右肩の肉を抉り取り、すれ違いざまに赤い刀剣を顕現させおまけとばかりに右腕も斬り落とす。
血飛沫に濡れ笑うツクヨはまさに戦闘狂そのものであった。
「グゥゥオオオオオオオオオオ、き、貴様らぁっぁぁああーーッ!」
痛みで咆哮をあげるミノタウロスに追い打ちをかけるように御剣は空中からミノタウロスへと仕掛けた。
縦に振り下ろされた刃引きされた刀は彼のろっこんである加速の力を借り、殴打から鋭い斬撃へと変貌する。
「がぁっぁぁああああああーー!」
御剣の一撃により、片目を失ったミノタウロスはたたらを踏み、ぐらりと体勢を崩した。
「ナディス、時間はいくらでも稼いでやる……今、どうすればいいか……ゆっくり考えるんだ」
「御剣……さん……っ」
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
~アルカニア戦記~ 第一話『勇者の産声』
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
ウケッキ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
お色気
定員
20人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月02日
参加申し込みの期限
2018年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!