携帯戦記カプセルギア　アイランドウォーズ　エピソード1｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　アイランドウォーズ　エピソード1

「カプギアはたいせつなおともだち！　それをこわすなんて、ぜったいダメだもん！」
『くだらん。それは貴様達、人間の価値観だろう。我らはカプセルギアを破壊する為だけに存在しているのだ！　さぁ、カプセルギアを出せ！』

　とある公園の中で百岳甘桃が誰かと言い争いをしていた。
　甘桃の話している相手は、寝子島のギアマスターの間で噂されているカプセルギア、ミノタウロスだ。

　甘桃からすればカプセルギアは大事なパートナーであり、大切な友人なのだ。それを勝負に勝ったからといった破壊すると言う行為はけして許せるものではない。
　だが、そんな言葉をミノタウロスは一蹴する。
　一体、このカプセルギアは何なのか？　何故、こんな風に喋れるのか？　甘桃は解らない事だらけだったが、それでもたった1つだけ理解している事がある。ここは退けない、いや、退いてはいけない戦いであるという事だ。

「なんでカプギア壊したいのかはわかんないけど、わたし頑張る！　アマデト、お願い！」

　甘桃の願いに応じるように登場するのは彼女のカプセルギアであるアマデトだ。
　ここにまた1つ、カプセルギア界を守る為の戦いが始まる。

『ウルァアアアアアッ』
「アマデト！」

　振りかぶってアマデト目がけて振り下ろされる大槌。
　しかし、アマデトは馬の形を模したカプセルギアであり、その瞬発力や回避力はかなりのものだ。それ故にギアマスターである甘桃が相手の挙動をちゃんと見てさえいれば回避は難しくない。

　大槌による攻撃を回避する事が難しくないとなれば気を付けなければいけないのはストンプだ。
　しかし、ストンプ対策に関してもアマデトに限ればやはり難しくはないのだ。何故なら、アマデトには空を飛ぶ機能が存在している。
　兆候があるという事もあるし、何よりストンプをする時は必ずジャンプをしなければならない。それならば、ミノタウロスがジャンプをしたタイミングでアマデトも飛べば良いだけの話であった。

「相手の攻撃はどうとでもなるね。それなら……狙うはあそこ！」

　振り回す大槌を避け、ストンプは飛ぶ事で回避。
　ストンプ自体は効果がある見込みがないと判断したのか、ミノタウロスは途中から只管アマデトを追い続けている。

「今だよ！」

　だが、一瞬の隙を突いて甘桃の指示に従い頭から突き出ている角による突進を行うアマデト。
　狙いは――ミノタウロスの腕だ。より正確に言えば、所持している大槌を落とさせる事が狙いだった。

『ブゥオッ！？』

　攻撃を仕掛けて来なかったアマデトの突然の攻撃。それは攻撃にしか意識のなかったミノタウロスの腕にカウンター気味にヒットする。
　アマデトの突進に半端に反応してしまったせいで、大槌はかなり遠いところまで飛ばされてしまう。

「武器がなくなった！　アマデト、いけぇ！」

　武器を落として隙だらけになったミノタウロスへもう1度突進攻撃が突き刺さる。
　そして、吹き飛ばされているミノタウロスを横目にアマデトは大槌の元へと走った。

「よし、やっちゃえ、アマデト！」

　大槌を抱えて空へと飛び上がるアマデト。少々重いようではあるが何とか飛び上がる事は出来たようだ。
　未だ体勢を整え切れていないミノタウロスの上空までいくと、アマデトはそのままそれを落とした。

『グガッ！？』
「やったぁ！」

　そんな事とは気付いていないミノタウロスの脳天に見事落ちる大槌。
　どうやらその一撃は強烈であったようで、重力に誘われるがままに身体を大地へと沈めるのであった。