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金曜日、この日を楽しみにしていなかったといえば嘘になる。
いやはっきりと言う。
とても楽しみにしていた。
市橋 誉
は。
先日誉は、久しぶりに
詠 寛美
と話をした。
彼女は水曜日と金曜日の昼に、屋上で弁当を食べることが多いらしい。
一緒してもいいかという問いかけを、寛美は断らなかった。
だから今日、誉の手には弁当の包みがある。彼女にも……いや、正確には、彼女にこそ食べてほしくて、多めに詰め込んでいる。
といっても焦らない。あのとき嘘か本当か「待ち伏せしてたら、コロス!」と言われたので、寛美が先に来ているであろう時間を見越して屋上へ向かった。
屋上への扉に手をかけて、少し逡巡する。
彼女に、なんと言って声をかけたらいいだろう。
そろそろこの前の返事を聞かせてくれないか……重い!
この日を楽しみにしてた……いや、これだって重い気がする。
なので結局、
「詠、こんにちは」
扉を開けてこう告げて、
「隣、いいか?」
と、寛美の横に座ることにした。
やはり寛美は来ていたのだった。いつの間にかそこにいる猫のように、ぽつんと給水塔の日影に腰を下ろしていた。そうして、膝の間に手を置き脚をぶらぶらさせていた。
誉に気付くも、
「おう」
寛美はさほど興味のない様子で、腰掛けていた場所を少し空けた。
「本当に来るなんてなー」
と言っているけれど言葉が少し、うわずっている。無意味に空を見上げたりして視線を合わせようとしないのが、逆にそわそわしているように誉には思えた。
くすっと微笑しそうになるも、自分も少し緊張していることを意識し、誉は何気なく切り出した。
「……実は張り切り過ぎて弁当の量が多くなったんだ。詠も食べてくれると助かる」
そう言いながら大きな弁当箱を広げる。
下手な言い訳だな、と内心思わないでもない。どう考えても二人分はあるのだから。
「そいつは困った話だな。仕方ねぇ、付き合ってやるよ」
憎まれ口ここに極まれりといった言葉であるが、そもそも自分が自分の言葉を信じていないようで、寛美の口調は実に棒読みだ。第一寛美は、自分の弁当を持ってきてすらいないではないか。
誉は包みを開けた。
和洋の食材を厳選して作った弁当だ。とはいえ寛美が気後れしないよう、新鮮ではあるが高級食材は避けた。
梅の香りが食欲をそそる。まず目を惹くのはおかか梅を使った梅レンコンだ。レンコンの白と鰹節の茶色、赤紫蘇のほのかな紅が目に優しい。
豚肉大葉チーズ焼きはメインのひとつである。大葉は近所で育てている家があったので、朝摘んだばかりのものを分けてもらった。だから緑は鮮やかで、とろりとしたチーズとあいまって美しいコントラストを描いている。きつね色した焼き目も絶品だ。
もうひとつのメインが、ぶりの柚子胡椒オイル焼きだ。丁寧に仕上げたので芸術品のように形がととのっている。厚みがあるがしっかり火が通っていて、ぱりっとした皮の黒みがオイルに照っている。
煮物はさつまいも、洗って輪切りにしているので、赤みがかった皮まで美しい。レモン煮ゆえの甘酸っぱい香りと、ほの黄色さも愛おしかった。
主食は、枝豆と梅のおにぎりとした。俵型にするか三角にするか迷ったが、ころころと顔を出すところが楽しげなので、俵に握って良かったと思う。
「どうかな、暑い日でも食べやすいよう工夫してみたんだ」
「なんていうか……あー、言葉もねえ」
これほどとは思っていなかったのだろう、寛美は下手な演技などもう忘れて、ただひたすらに感心している。その様子がまた、驚いたときの猫にそっくりだ。
いただきます、と寛美が手を合わせ箸を取ったところで、思い切って誉は告げた。
「……さっき作り過ぎたって言ったけど、アレは嘘だ」
「え?」
寛美はきょとんとしている。こうして近くで見ると、本当に綺麗な目の形をしている。
「詠に食べてほしくて作った。だから、美味しく食べてくれると嬉しい」
寛美は右手でグーを作って、ぽそっと軽く誉の肩に当てた。
「正直、反応に困る……けど、ありがとうな」
今はこれしか言えない、と告げた寛美は、恥ずかしいのか顎が胸に触れるくらい下を向いていた。
食事を進めながら、
「実は俺、詠に一つお願いがあって」
誉は唐突に言った。
「美術の授業でさ、人物デッサンを描くことになったんだけど……詠をモデルに描きたいんだ。詠がモデルなら、すごくよい絵が描けるって思って。もしモデルになってくれるなら、写真を一枚撮らせてほしい」
寛美は「えっ」と「げっ」が混ざって裏返ったような声を出した。
「……駄目かな?」
「写真、駄目だ。俺苦手なんだ」
「携帯でぱちりと一枚、撮らせてくれればそれでいい」
「けどさ……」
数秒ためらってから、寛美は小さな声で告げた。
「あまり表に出たら……その、俺の実家に、気付かれるかもしれない……から」
そうだった、と誉は思う。すでに居場所は気付かれているらしいが、寛美は実家から連れ戻されることを恐れているのだ。目立つ行動は避けたいのだろう。
「わかった。じゃあデッサンには使わない。ただ、俺だけの写真として撮らせてほしいんだ」
次のフレーズは、思っていたより楽に言うことができた。
「なぜって……俺は詠が好きだから。好きな子の特別な写真の一つくらい、欲しいって思うじゃないか」
「だからそういうのやめてくれって!」
寛美はもう真っ赤だ。下を向いても隠せないと思ったのか、ぐいと背中をむけてしまった。
けれど、
「い……、一枚だけだからな」
と、内緒話をするような小声で言った。
結局何枚か撮影して、一番寛美らしい表情が取れているものを誉は選んだ。
写真のなかの彼女は照れたような、怒ったような顔をしていて、それでもカメラに向かって微笑している。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月09日
参加申し込みの期限
2018年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年11月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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