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【期末テスト】赤点?満点??灼熱、四日間の死線<物語編>
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●海へ
学生にとって、テストが終わった開放感は、何ものにも代えがたいものだ。
2年7組芸術科クラスも例に漏れず。
「……っはー、おわったか」
獅子目 悠月
は大きく息をついて、背もたれに凭れかかった。
天を仰げば赤銅色の長い髪が重力に従って後ろにしだれる。
(異常な暑さのせいで聞こえてくる幻聴と、ひたすらに詰めていた根のせいで無駄に疲れた。思いっきり歌いたい……)
瞼に手を当て、未だ残る数式や年号たちを振り払う。汗ばんでいるのは額か手のひらか。
(……その前に風呂か)
そう思って目を開けると、ぶつかったのは
オルカ・ヴィヴァルディ
の瞳の海色。
「evvai! 終わった~! いや~地獄みたいなテストだったね~!」
開放感から父方のイタリアの血が湧きたって、ハイテンションのまま悠月に抱き着くと、悠月は怒った猫みたいに榛色の目を吊り上げてオルカの手を振り払った。
「離れろオルカ! 最近はこういうの許し気味だったが、今はダメだ」
「あらら……」
オルカは両手を挙げて一歩下がる。
「どうしたの、ご機嫌ななめ? 試験の手ごたえ良くなかった~?」
「そうじゃない」
悠月はふいっと視線を逸らす。
「暑かったんだ……汗臭いだろう」
ほんのりと上気した頬は、暑さゆえか羞恥ゆえか。
(悠月はいつでもいい匂いだと思うんだけどね~でもまあ気になるくらい汗はかいちゃったよねぇ)
オルカは唇をそっと舐めた。そうとなればいいアイデアがある。それを提案しない手はない。
「そうだ! これだけアツいからさ~、海にでも行かな~い?」
「は? 今からか?」
「今から!」
逸らしていた目を眇めてオルカを見遣る。彼の思い付きはいつだって突飛だ。
しかしまあ、海! しかも、今からとは!
呆れて言い返す。
「そもそも水着がない」
「水着なんて現地で買えばいいし。最悪海に入らなくてもいいしね」
オルカは魅惑的なウィンクで悠月を誘う。
「……ネコフェスまでそんなにないだろう」
「ま~確かに練習したい気持ちもわかるけど~。海に行ってこのアツさを吹き飛ばしてから練習コースでどぉ? ただシャワー浴びてからまたべとべとになるよりいいと思うんだけど~」
ああ言えばこう言う。
悠月は口を開きかけたまま、断りの言葉を捜したが見つからず、結局低くこう告げることとなった。
「……移動込み3時間だけだぞ」
「Ti amo! 悠月! じゃあさっそく行ってみようか!」
◇
(押しに押したら折れてくれた。こういう甘いとこもかわいいんだよね)
オルカは隣に立つ赤銅色の髪を愛おしく見つめた。
試験終了からわずか数十分後。
目の前に広がる青い海。寄せては返す波の音。カモメ。それを目で追う学生服のままの悠月。
両手を広げ、目を閉じ、大きく息を吸い込む悠月は、カモメになって飛んでいきそう。
「正直乗り気じゃなかったが……実際に来てみると悪くない」
目を開けた悠月は、そういうともう一度深呼吸をした。
(海の匂い……)
唇を指でなぞる。
海。ステージ。そのあと。キスをした。オルカと。
(いや、あれは……)
頭を振って追い払おうとする。
(違うというか勢いというか……なんだ、ああ、わからんっ)
そんな悠月の苦悩なんてどうでもいいとばかりに、オルカは鼻歌まじりに靴と靴下を脱ぎ捨て、学生ズボンの裾を捲る。相方から冷たいストップの声。
「……オルカお前何をしている」
「海に突撃~! に決まってるだろ~?」
「そのままの格好で行ったら目立ちすぎるだろう」
「目立つって? そんなの今更じゃん~」
砂浜に身を屈めクラウチングスタイルを取ると、その首根っこに悠月の両手が絡みついた。
「やめろっ」
「ええ~? けどまあせっかくだから泳ごうか」
膝の砂を払って立ち上がり、親指で指したのは海の家。
裸足に砂の感触を楽しみながら海の家まで歩くのくらいは許してもらおう。
オルカの弾む足取りを落ち着いた歩みで追いながら、悠月の頬は自然と緩む。
(フッはしゃぐ姿は大型の犬みたいだな)
色違いの水着を買い、その場で着替えて今度こそ海に突撃。
浜辺へ向かってくる青い波に逆らって全力で泳ぐ。
浜から離れ、波の穏やかなあたりで、二人は顔を見合わせ仰向けにぷかりと身を浮かせた。
海も空も澄んだ青。
どこまでもどこまでも、果てのない青を感じて、悠月は詰めていた息が抜けるのを感じた。
「……オルカ、ありがとう」
「ん~俺は海に行きたかっただけだし~」
オルカも空を見上げたまま返事をする。
顔を見るまでもない。声から彼が、芯からリラックスしているのが伝わってくる。
(ネコフェスの時期が近付くにつれて悠月の余裕が減ってくな~って思ってたから、息抜きできたみたいでよかった)
瞳だけ動かして悠月の横顔を見る。
悠月の榛色の瞳にも青が映っている。
オルカはすべてが愛おしくなって微笑む。
「ねえ悠月、夏だよ。最高の夏にしようね」
悠月もまた微笑み返す。
「ああ、そうだな。最高の夏にしよう」
オルカの瞳の色と同じ、この青い空みたいに。
最高の夏にしよう、ふたりで。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
49人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月09日
参加申し込みの期限
2018年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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