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5月の★ハッピーバースデー
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★5月9日
猫村 翡翠
のバースデー★
5月9日。
時刻が零時丁度を示す瞬間を、
猫村 翡翠
は身動き出来ず見つめていた。
翡翠は旧市街で親戚が営む
駄菓子屋ねこや
に下宿しながら、高校に通っている。
ころんと布団の上に転がって、天井を見つめる。
(今日はオレの……、あたしの誕生日か)
半陰陽という、他者には理解しづらい個性を持つ翡翠は、一年前まで周囲に認識される性別が逆だった。
(去年の事は覚えてないや、凄く不安定な時期で、最悪で)
見えない糸を手繰り寄せるように、視界に入った携帯を手で掴む。
『今日、あたし誕生日だよ』
入力。そして一呼吸を置いて、ねこったーへ送信する。
携帯を布団の上に、放り出し。
寒さを堪えるように、膝を抱えて、しばらくをやり過ごす。
ややして。翡翠の呟きに気付いた友人から、おめでとうの言葉が返って来た。
普段の明るい彼女を知る者達で、ねこったーは一時の盛り上がりを見せる。
泣き笑いの表情と共に、翡翠は脱力して布団に身を埋める。
『ありがとう! 嬉しいな』
ごく短く礼を述べ。それでも翡翠は、まどろむ事も出来ず夜明けを迎えた。
「おばさん、今日はうちに帰るよ。お母さんは、多分家に居るだろうし。いってきます」
台所に声を掛け。いつもより早目に駄菓子屋の間口をくぐって、伸びをする。
(結局寝付けなかったな。昔の事なんか、思い出した所為)
曲がり角、けだるく見上げたカーブミラー。
女子制服に身を包んだ自分の姿が、ひどく歪んで映る。
一年前まで、翡翠はヒスイではなく、カワセミと呼ばれていた。
鏡に向かってあたしはカワセミじゃない、ヒスイなんだと暗示を掛ける。
深呼吸をして、いつもの笑顔の仮面を張り付けると、翡翠はまた歩き始める。
旧市街の街並みは、昔とあまり変わらない。
馴染みの風景、ノスタルジックな雰囲気に、何とも言えぬ安心感を感じると同時に。
それが変わってしまった自分を、際立たせるようで。翡翠は胸を締め付けられた。
それでも、学校ではいつも通りに振舞う。
ねこったーで誕生日を知った友人から、おめでとうと声を掛けられた。
屈託無い笑顔を見せながらも、翡翠は自分からは、誕生日の話を切り出せなかった。
何事も無く一日の授業が終わり。
翡翠は少し後ろ髪を引かれる思いで、クラスメイトに挨拶をして教室を出た。
一度支度をするために、下宿先に戻り、寝子島駅を目指す。
せめて大好きな寝子電に揺られて、実家に行こう。
「え、翡翠さんいないんですか?」
放課後、
ねこや
を訪ねた
御剣 刀
は、翡翠が今日は実家に帰る日だと聞いて、肩を落とした。
以前、翡翠には
猫達が凶暴化する事件
で世話になった。
そうでなくとも旧市街の顔ぶれは、刀の大切な仲間である。
だからささやかながら、お祝いをと思ったのだが。
やるせなくため息を付く、その手には茶のペーパーバッグ。
取っ手にラッピングされた、キーホルダーがぶら下がっている。
ペーパーバッグは先刻、友人の
逆巻 天野
に押し付けられたものだ。
「自分で渡せばいいだろ」
3組の天野の教室から、1組の刀の教室へ行くのも、5組の翡翠の教室へ向かうのも、さして変わらないのに。
難色を示す刀に、天野はふいと横を向く。
「僕、こういうの苦手なんだよね。いいだろ、ついでなんだしさ」
「なら一緒に、って、おい!」
取り成す刀に、よろしくとヒラヒラ手を振って、友人は立ち去った。
「苦手って、俺だってなぁ……!」
本当は照れくさいのだ。キラキラと光を反射する、キーホルダーをつつく。
翡翠のイメージで選んだ、緑の硝子を嵌めこんだ猫のキーホルダーは、刀が自分で選んだものだ。
(逆巻は、何をプレゼントするんだろう?)
気になって、つい隙間から覗き込めば、どうやらお菓子のようだ。
「学校があるから明日には、また会えるだろうけど。食い物か……全く、仕方ないな」
刀は屈みこんで、シューズの紐をしっかり結び直す。
息を整え、目を上げた。
目指すは、寝子島駅。
旧市街を知り尽くす男、刀の頭脳が最も人目が少なく、最短のルート取りを検索する。
「行くぜ。
寝子島最速
は――この俺だ!」
ガチン! と、頭の中で撃鉄が落ちる音がする。
刀の時が、加速した。
木造の駅のベンチで、翡翠は目を覚ました。
睡眠不足でウトウトしているうちに、いつの間にか電車を何本もやり過ごしてしまった。
ぼんやりと、行きかう人々を目で追う。
「……村、猫村!!」
と。聞き覚えのある少年の、自分を呼ぶ声が耳を掠めた。
瞬きを繰り返せば、駅のフェンスの向こうに、刀。
翡翠に向かって、息を切らせながら、指差した紙袋を頭の上で振り回している。
「間に、合った! 猫村ー、来れるか? 渡したい物がある」
「え。ま、待って!」
人混みを縫い、やって来た翡翠に、刀はフェンス越しに、紙袋を持った腕を懸命に伸ばす。
「誕生日おめでとう! キーホルダーは俺から、袋の中は逆巻からのプレゼントだ」
「あたしに……?」
急な事に戸惑い、ただ目を見開く翡翠を、刀は促す。
「どうした? そら、そっちも手を伸ばせよ、届かないだろ?」
怪訝な顔の刀に、こくりと頷き返し。翡翠も、ようやくその手を伸ばす。
バッグの取っ手を翡翠の指が掴んだ。
「実家に帰るんだって? 気をつけて行って来いよ」
「うん……プレゼント、ありがとう!」
「どういたしまして!」
ニヤリと笑う刀に、翡翠の強張っていた表情も、笑みの形を作る。
刀は、翡翠の乗った電車が見えなくなるまで、見送ってくれた。
「綺麗」
きらりと光る、キーホルダーを目の高さに持ち上げて。
硝子の瞳に、心を奪われる。
紙袋には、手作りのケーキと共に
『生まれてくれて ありがとう』
のカード。
言葉が胸に響く。
もれいびに成っていなければ、自分に負けていたかも。
人間の友達、猫の知り合いが出来たから、あたしで居られるんだ。
大きく息を吸い込み。
翡翠は、また新たな一歩を踏み出す。
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メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月12日
参加申し込みの期限
2013年07月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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