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温泉街、夏花火、きらきらの思い出
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■湯煙花火をもういちど
バスに揺られる。
シートの背もたれに頭をあずけ、
恵御納 夏朝
は目を瞑っていた。
通り過ぎる光と影。
とんとんと肩を叩かれて、夏朝は薄目を開けた。
「見てください、海! 海なのです!」
声につられて開いた景色は、光り輝く海だった。
寝子島の海とは日本列島を挟んで逆側。
「日本海なのです!」
椿 美咲紀
が身を乗り出すのを夏朝はちらりと見てから、再び車窓の景色に心をやった。
流れゆく乱反射の光。道の先に森の如くそびえるホテル群。
ここは石川県は七尾市にある和倉温泉地。
日本の腰骨と呼ばれる場所。
日本地図でいう腰骨っぽい場所。みょうにツンと立ち上がっている場所がある。
そのかぎ爪上の大地における、爪の内側。
石川でも割と有名なごちそうの産地能登島をかこむ七尾湾に面したここは有名な温泉地である。
「和倉温泉は『涌く浦』という言葉からきていて、海の入り江に湯が沸いていたんだ」
八神 修
がうんちくを語るのを、夏朝と美咲紀はのんびりと聞いていた。
スマートホンで地図を開き、目的の温泉旅館を調べる。
後ろの席にいた美咲紀と夏朝が背もたれごしに覗き込んできた。
「遊べる場所はありそうです?」
「このあたりは奥まっているからね、公園やプールは近いけど……足湯があるかな。でもかなり歩くよ」
「行き来で足が疲れちゃう足湯は、ちょっと……」
「本末転倒なのです」
「だろうね。公園は綺麗な場所だと思うから、あとで言ってみよう。プールへは……」
初夏とはいえまだプール開きもされていない気候だ。
修は肩をすくめてスマートホンの画面を閉じた。
「ま、空気だけにしておこう」
修たちを乗せたバスはいくつもの旅館に停車しつつ目的の温泉旅館へ。
歴史も古い大きな旅館だ。幾度も改築が成されたのか、アメリカ人が考えるいい加減なジャパン建築みたいな風情がなぜか堂々としていた。
「ここへ来るのは二度目かな」
「シューくんシューくん、これ見てください」
スマートホンをサッと出してくる美咲紀。
そこにはリニューアルオープンの文字が書かれていた。
まあ歴史の長い旅館である。もう何度目のリニューアルかわからないところなのだろうが……。
「ほう? 少し楽しみだね……」
修は少しうきうきした気分でフロントへと入っていった。
そんな彼をまず出迎えたのが、やたらオシャレなロビースペースだった。
なんかの美術品みたいな椅子とテーブルが、綺麗なウッドデッキ風の床で等間隔に並んでいる。一段上がった床の縁にはオレンジ色のLED照明が並び、空間をオシャレに浮かび上がらせていた。
修が覚えている限りではもっと雑然とした『海、すっごい見える!』みたいな場所だったはずだが……。
「わー……綺麗な場所……」
全面ガラス張りのオーシャンビュー。オシャレな椅子に腰掛けて、夏朝がほっこりとした気分に浸っていた。持ち込んだ『ハルくん』をにぎにぎとやって、一緒に(?)風景を眺めている。
「一度来たからといって油断はできなくなってきたね」
「では早速お土産コーナーを――」
「それは後だ」
小さく敬礼してシュタッとお土産コーナー(ここもなんかオシャレになってる)に向かおうとした美咲紀の肩を掴んで、修は荷物を置きに部屋へと向かった。
あたりを散歩してみようと思っていた彼らだが、それより先に、館内の施設をちょこちょこと見てみることにした。
リニューアルの名は伊達じゃあないようで、新調された家具とさわやかなカーテンで飾られたどこかパッと垢抜けたビリヤードスペースや、あえて派手なカラフルさで統一した大きなオモチャだらけのキッズスペースや、綺麗に手入れされたひょうたん型の野外プールと……なんだか時代に追いつき始めた感がある。
外から見た感じは『時代に取り残されたバブルの遺産』みたいだったのに、中に入ってみるとこうも変わるとは。
「リゾート会社おそるべし、なのです……」
「時代にマッチして風合いを変えていくのは宿の常だよ。ここはそういう風にして、ずっと変わってきたんだろうからね」
「ねえ、見て……ネコさん」
約束通りに公園を散歩していた夏朝は、ふらっと現われたネコを指さした。
こっそり餌でももらっているのか、人にはそこそこ懐くらしい。
慎重に近づいていく夏朝を、修がそっとカメラにとってみる。
改めて周りをみてみると、手入れされた花壇が並ぶ綺麗な公園だ。
夏場は更に隣の大型プールとつながるからということで閉鎖されてしまうらしいが、初夏であるためにギリギリ入れたらしい。
「ここでも人は暮らしてる……ってことかな」
修は変わらないなららも変わっていく町並みをカメラに納め、そのついでにネコに挨拶している美咲紀もパシャリとやってみた。
温泉旅館にやってきて温泉に入らぬ道理はない。
「鷹の像……!」
鷹と同じポーズをしてみる美咲紀を、夏朝が『おー』といって眺めていた。
「て、こんなことよりもっと見るべきモノがあるでしょう。ほらっ」
「おー……」
美咲紀につられて窓の外をみやる夏朝。
作りを工夫することで目の前全部が海になるようにと改築されたその名もインフィニティビュー。名前はどうかしているが、景色はなかなか。絶景である。
「ああン、スマホで撮影できないのが残念ですっ」
「それは……仕方ない、よね」
そんな風に言いつつ、方までお湯につかる夏朝。
ほふーと息をついて、輝く海の景色に目を細めた。
お風呂を終えれば食事の時間。
待ち合わせていた修と合流して、三人はバイキングレストランへとやってきた。
「んっ!」
「おお……」
修が珍しくキリッとした顔で目を見張っていた。
リニューアルしたのはバイキングレストランもまた同じ。
きらびやかな提灯がイルミネーションめいて部屋中に連なり、元からあった豪華な天井照明と相まって部屋中を明るく華やかに照らしている。
照らし出されたのは内外二重円型のオープンキッチンである。
綺麗に整ったバイキングカウンター(トレーを乗せるところが別にあるやつ)の先には色とりどりのメニューが並び、目玉メニューであるエビの天ぷらブースがやたら拡大されていた。
「いいね。見た目もいいけど、メニューに細かく季節が反映されてる」
「北陸はなんでもおいしいからなんでも大歓迎なのです!」
わーいといってメニューをセレクトしはじめる美咲紀。
夏朝がちらりと修のほうを見ると、こっくりと頷いて修が解説を始めた。
「石川県っていうのは福井岐阜富山に囲まれている都合上海から山にかけての食材が豊富にとれるんだ。ここ七尾湾はいわずもがなだし、加賀百万石で知られる金沢を内包してるぶん文化的にも洗練されていた。まあ、お金持ちが多かったんだね。その分美術や芸術、料理の研究が進むんだ」
「そうなんだ……」
「お米は特にいいよ。コシヒカリの発祥も福井だしね」
「新潟じゃないんだ、しらなかった……!」
「ヒヨコのおまんじゅうみたいなものかな……」
経済のなんたるかを知り、急に遠い目をする修である。
それからしばらくして。
「ほういえば!」
食事をある程度終えた美咲紀が、懐から絵はがきを取り出してきた。
今時絵はがきと侮るなかれ。
「旅先からの文はいいものなのです。今日のうちに手紙を書いて、お土産をあとから手渡せばワクワクがふくらんで嬉しいものなのですよ。あっ、シューくんにも送りますね」
「俺はここにいるんだけど……まあ、いいか」
花火の絵はがきを手にとって、美咲紀に返す修。
電子メールが気軽になったこの時代だからこそ、感じる暖かみもある。
花火を見るのにどこがお勧めですか。
そんな質問を旅館のスタッフにすれば、二通りの答えが返ってくる。
お部屋かお風呂ですよ、と。
古今東西、くつろいで打ち上げ花火が見られる場所というのは限られる。
それなりの財力を要することだからだ。
だがこの旅館では、それをむしろ売りとした。
花火のあがる夜、客室を暗くして窓をあけ、花火を見上げるのだ。
「ねーこやー……!」
どどんと胸に響く花火の音に、声をあげる夏朝。
美咲紀もつられて『たーまやー!』と声をあげた。
「ありがとう、八神君。旅行先が同じで良かった」
花火に照らされる部屋の明滅のなかで、夏朝がそんな風に呟いた。
「俺こそ、有難う」
修はそう返して、窓の外に再び意識を向けた。
窓から身をのりださんばかりに(一応小さいながらもベランダスペースはある)手を伸ばす美咲紀。
こちらを振り返り、美咲紀が手を振った。
「すごいですよ、こんなに近くで花火があがるなんて、やっぱり贅沢なのです!」
「それじゃあ……せーの」
「「ねーこやー!!」」
夏はまだ、はじまったばかりだ。
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あとがき
担当マスター:
青空綿飴
ファンレターはマスターページから!
おかえりなさいませ。
初夏の花火は、温泉旅館はいかがでしたか?
こちらのシナリオガイドに登場する温泉旅館は実在の旅館をモデルとしております。いろんなところがちょこちょこ違うのですが……とても良いところなので、ご旅行の際にはぜひぜひアテにしてみてくださいませ。
――さておき。
今回も皆様の日常を、どこかほっこりした時間を描けて、こちらもほっこりと幸せでした。
またお会いできるのを楽しみにしております。
青空綿飴でした。
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担当ゲームマスター
青空綿飴
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月09日
参加申し込みの期限
2018年10月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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