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温泉街、夏花火、きらきらの思い出
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■真白の温泉旅行
「温!」
バスのステップを踏み。
「泉!」
もう一段踏み。
「だーっ!」
大きく飛び出す
白 真白
。
大地にずだんと着地して、駅前と比べてがらりとかわった空気を胸一杯に吸い込んだ。
「いやーまさか福引きで旅館のチケットが当たるなんてね。ラッキーだったよ」
なんやかんやで色々経験してきた真白といえど、風情ある温泉街の空気というものはそう経験できるものではない。
古くもあり新しくもあり、そしてどこかしらちょっぴりいびつで、そしてなんだか手の届きやすい丸みをもった、現代に生き残りし温泉旅館である。
「うわー……なんか……うわー……」
真白はいくつか言葉を思い浮かべて、そのどれも当てはまらないことに動揺した。
たとえば古いなら歴史があるーとか風情ーとか浪漫ーとか言えたし、古き良きーって言ってもいい。
新しいならオシャレとか先進的とか綺麗とか言えたはずだ。
だがこう、なんていうんだろうか。
古くもあるけどなんか新しいし新しくもあるけど古風だし、良くも悪くも古くて新しいというミックスされすぎて何にも当てはまらない謎の風合いが、そこにはあった。
軽く8世紀くらいの歴史があるわりにちょいちょい新しいものを取り入れ、そのわりにあちこち古びていて残すか残さないかの判断をざっくりしてきた結果、なのかもしれない。
「と、とにかく……海キレイ!」
数万年規模の歴史でそれらを覆って、真白はいつのまにかたどり着いたお部屋の中で背伸びをした。
昨今無視できない外国人観光客。
それらに対応した日本人離れしたサイズの浴衣は、ある理由によって真白にはピッタリあった。
柄がやけくそなくらい日本っぽいことも見ようによっては風情があろうというもの。
真白は自前のお風呂セットを片手に、旅館の大浴場へとやってきた。
温泉と言えば露天風呂でしょと意気込んでいた真白にとって最初の選択は、屋内か露天かの二択、であった。
一般的(?)な温泉は屋内温泉があってそこからガラッと引き戸とかあけて露天風呂に出て行くスタイルなのだが、ここ大井温泉ではそれらが全く別の場所に設けてあった。それはもう本館と別館くらいに離れていたので、着替えスペースすら別扱いである。
「こ、ここは露天風呂だよね。景色もいいはず……だ……し……?」
そこまで考えて、『露天風呂に洗い場はありません』という見出しを二度見した。軽く異文化である。
ならばと入った屋内温泉。まあ二度入ればいいし、と気を抜いていると、いきなりの景色にびっくりした。
軽いプールみたいな巨大な浴槽につかると、まず目の前に海しかないのだ。
そもそも旅館が海に面していて若干はみ出てるくらいの勢いで、お風呂が海側かつ海抜数メートルって具合なので眼前ほぼ海。さらに先には能登半島のぼんやーりとした陸地が広がり、空がどこまでも広く見えた。高い建物が目に付く限り全くないので、景色の通りが半端なく広い。
「わ、うわあ……」
こういうのは想像してなかったなあ、とちょっと脳をバグらせながら楽しむ真白であった。
若干はぶいてバイキングを楽しみ、エビだのどくろだ季節のきのこだってキャッキャしていたらいつのまにか夜も更け、お腹いっぱいになったまま部屋へ帰ると外がどうやら騒がしい。
花火大会は町のお祭りのようなものらしく、野外を見ると浴衣姿で出歩く人がちらほら見える。
しかし真白は特別だ。
なぜなら、海上に打ち上げられる花火を部屋からのんびり見ることができるのだ。
あらかじめ布団のしかれた和室。
そこにごろーんと横になり、窓の外にあがる花火をまったりと眺める。
「これが終わったら露天風呂に行こうかなぁ……」
あえて真っ暗にした部屋に、花火の光が明滅する。
静かな部屋に、花火の音だけが聞こえていた。
■あの日の私はまだそこに居ますか?
肩から鞄をさげて、
マリエッタ・ラシュリエ
は旅館のバスから降りた。
賑やかな家族連れやカップルや学生や、見たことのある顔もないわけではないが、日付がばらけているせいか案外ひとり旅行のテイは守れそうである。
そんな具合でロビーへ入っていくと、いきなり金色のびょうぶが目に入った。
日本暮らしの長いマリエッタも面食らうような、それはもう豪華な美術品である。なんかガラスのショーケースに入ってるし。
かと思えば休憩テーブルの端っこに共有ワイファイのパスワードとか書いてあったりして、古風なのか今風なのか判然としない空間であった。
「んー……」
受付のすき具合を見計らってカウンターへ行くと、受付担当が慣れた調子で奥から日本人ハーフみたいなスタッフを連れてくる。
『予約していた者ですが』と日本語で言ってチケットを出してみせると、今度はスタッフのほうが面食らった顔をした。
少し時間を遡った話をするが、バスの窓から見たここ和倉の温泉街は温泉宿以外なにもないといっていいような場所だった。
コンビニすら徒歩数十分の距離。なかなかの田舎である。
とはいえ日常というサイクルを休めるのにはうってつけなのか、心の休憩地として温泉宿は今でも親しまれている。
そんなわけで、マリエッタはほどほどに旅館の外を散歩した後、旅館の中を見て回ることにした。
ロビーからすぐの場所に展示スペースなるものがあり、この宿が本当にただの小さな温泉小屋だった頃の看板や、通りを示す石看板や、祭り太鼓や神輿や、その当時を再現したジオラマがかなり丁寧に展示されている。
そんな風景を見ているだけでもなかなか愉快だったが、マリエッタが一番心引かれたのはゲームコーナーだった。
……いや、ゲームコーナーという呼び名でいいのだろうか。
古いのか新しいのかいまいちわからないクレーンゲームその他がちょこちょこと置いてあるスペースと、半個室化した休憩スペースに雑然とおかれた二台のブラウン管テレビ。
三色コードで接続された初代ニャミコン及びスーパーニャミコン。そしてどこかマニアックなカセットのラインナップ。ニャミスタとか。
「わあ……なにかしら、物持ちがいいのかしらね」
まあ、人目のあるなかでいきなりこれで遊ぼうという気にはならないが、かといって子供が遊んでいる雰囲気もなかった。いやだってね、ニャミコンだし。そこらの子供たちは持ち込んだタブレットやスマホでアプリゲームに興じている。
「…………」
マリエッタはただ深い物思いにふけるようにして、腕組みをしてそのぼんやりうつるブラウン管テレビを見つめていた。
いきなり結論をいうが、バイキングはほどほどの所で我慢した。
お蕎麦とエビの天ぷらだけ頂いて、食べ過ぎないように……と気を遣ってみたところエビの天ぷらがかなりシャレにならないおいしさだってものでうっかり二周目に並びかけた、という葛藤があったことをお話しておきたい。温泉旅館の和食、おそるべし。
花火の鑑賞は露天風呂からすることにした。
打ち上げ花火を下から見るか横から見るかというお話があるが、やはり下から見た方が花火感がある……と同時にとっくりお風呂に浸かって花火を見るも贅沢というものだ。そうそうできない。
途中で軽くのぼせそうになって、ベンチに座って見上げてみたが……。
湯気の間からぱっと開く花火の風情はたまらないもので、温泉独特のふんわりとした香りと間近にある潮の香り、そして花火からながれる火薬の香りが混ざり合い、どこか夢のよな気分にさせる。
花火が打ち上がりきったあとも、マリエッタは暫くその余韻を楽しんでいた。
余談ながら。
マリエッタはすっかり人のいなくなった休憩室にぽつんと残ったニャミコンに触ってみた。
カセットの裏側をフーッてしてから差し込み、電源スイッチを入れる。
8ビットの音楽が、風情ある旅館の空気の中を赤や青に照らし始めた。
■演奏の手を止めて
ドタキャンというものをした。
深林 真瞭
は生まれて初めて、仕事場と逆の電車に乗り込み、新幹線とバスを乗り継いで石川県の北の端へとやってきていた。
バスから降りたその瞬間の、なんだか取り返しの付かないところまで来てしまったなという感覚が、真瞭の肩をふしぎとふるわせた。
「まるで学校サボッて遊びに行く中学生みたい……」
もちろんコトはもっと重大なのだが、真瞭の性分からしてスケジュールをいきなりキャンセルするというのは、深窓令嬢が初めてファーストフード店に入るのと同じくらいのドキドキがあるものである。
そのドキドキは日本海の潮風と、温泉街特有のどこかぽわっとした空気になでられ、近頃ささくれだった真瞭の心を優しくなでていく。
鞄から取り出したのは、どこからか届けられたらしいこの旅館のチケット。
色々なことが頭をよぎるが、今日はひとまず、ぜんぶこのチケットのせいにして……。
「一泊、してみようかな」
真瞭は古風な門をくぐっていく。
真瞭の控えめに言って美麗な風貌は、温泉旅館という非日常的な空間でも目立ったらしい。
好きな浴衣を選んでくださいねと言われて鮮やかなブルーの浴衣を選んでみてから、周囲からの注目に少し肩をすくめる。
なんだか不良行為のようでそわそわもするが、とがめるような人はここにはいない。
ここは石川県の端っこ。コンビニすら遠い旅館。東京の防音加工壁と大鏡に囲まれたスタジオでこなすはずだったスケジュールは全て白紙となり、いまや畳と海の部屋にひとり腰掛けている。
詳しくは知らないが、どうも古典的な温泉旅館だったものが経営破綻をお越し王手リゾート会社が買い取った結果なんやかんやザックリしたという、聞く人が聞けばガッカリするような旅館なのだが……。
「このくらいの方が、ちょうどいいわ……」
部屋にはあらかじめ一枚の布団が敷かれ、夕飯はバイキング制だという。
たしか旅館といえば温泉に入る間に布団をしきにくる係がいたり、夕飯のお膳を運び込む係がいたりしたもので、この旅館にもその名残らしい小型エレベーターが沈黙している。
けれど、このくらいでいいのだ。
このくらいで。
この旅館は頑張りすぎるのをやめたのだ。
そんなふうに、真瞭には見えた。
あちこち華やかで、ゲームコーナーには古代アーティファクトみたいな筐体と今時のプリントシール筐体が隣り合わせに置かれ、歴史深く金額的価値のつけられない文化的美術品と大型ワイファイ端末が並んでいたりする。
とらわれなかったことで生き残り、とらわれなかったことで自分と巡り会った……そんな場所に、ふしぎと思えた。
それだけに、旅館は探険のしがいがあった。
バブル時代にうっかり作っちゃったんだろうなあっていうひょうたん型の屋外プールや、それこそ江戸時代漁師町であった頃に使われていたらしい木製の看板や、なんとなく安全策を忘れて放って置かれているむきだしの屋上スペース。
「…………」
コンクリートむき出しの、ごく最低限の手すりしかない屋上には、ごうんごうんという室外機の音がしている。
リズミカルなファンの回転と、眼前で圧倒的に広がる日本海の波と、自らを照らす太陽の熱と、奇妙なほどだれもいない屋上の『うるさい静けさ』の中で、真瞭はただただ沈黙した。
そこそこに食事を終えて、真瞭はあちこちで遊んでみた。
天井の高さまでごっそりと古い漫画本が積み込まれた休憩スペースや、なにやら意味ありげな絵画が飾られ側面のはげたビリヤード台やら、色あせたダーツやら……。
その一方には必ず大海原があり、どこか寂しげな風景にもなぜか癒やされた。
一番不思議だったのは、海辺になぜかなんとなーくあるこじんまりとしたスペースだ。
軽く踊れそうな、しかしボールを投げたら怒られそうな、中途半端な野外スペース。その一角には柵で仕切られたゲートがり、手前には白いガーデンチェアが二つ。
ゲートの先は階段になっていて、その先は即海だった。
なんのための場所なのかさっぱりわからないが、ここもまたひとけのない、静かな場所だった。
時間が過ぎ、海が夜の色になったころ、ふいに空に花火があがった。
露天風呂に移っていた真瞭は、派手な音をたてて空気をゆらす花火を、とっくりと見上げていた。
夢のような、不思議な時間だった。
これがずっと続けばいいのだろうか。
永遠に続きはすまい。
けれど今夜だけは。
みんな忘れて眠ることが、できそうだ。
■ひとりきりの、けれどにぎやかな
吉住 志桜里
の手に、ある日一枚のチケットが回ってきた。
場所は石川は和倉の温泉地。リゾート会社の株主優待なのかキャンペーンなのかそれとも寝子島の福引き予算なのか、とにかく志桜里が手にしたのは、一泊二日の間贅沢に過ごす権利である。
「まあ、そういうことでしたら……」
志桜里は早速北陸新幹線に揺られ、金沢を経由して和倉へとやってきたのだった。
送迎用のバスから降りる人々の中には、見たことのあるカップルや、音楽家や、どうも外国の方っぽい雰囲気の女性も混じっている。
昨今の温泉旅館は迎える客層も広いな、と思う一方で、古来より続く伝統的な宿であるとすればどんな人だって迎えるのだろう、とも思える。
「折角来たのですし、少しあちこち見て回りましょうか」
志桜里がはじめに目をつけたのは展示スペースだった。
かなり古い時代に使われていたらしい祭り太鼓や、慶雲龍と書かれた巨大な神輿がそのまま展示されている。温泉旅館からは想像しない迫力である。
どうやらその神輿は役割を終えたもののようで、かつての姿がジオラマに現わされていた。
「スクナヒコナ……たしか、一寸法師の源流でしたね」
旗に書かれた神様の名前を読み上げて、志桜里ははたと考える。
国作りや山作りの神とされるスクナヒコナだが、確か温泉の神様でもあったはず。
「温泉地にはぴったりの神様なのかもしれませんね……」
そんな風に呟きながらてくてくと歩いて行く。
もとが高級な場所なのか、絨毯を歩く感覚はどこか心地よく、響く足音すら気持ちをそこからくすぐった。
志桜里が見る限り、この宿はレトロとモダンでできている。
古いもの、新しいもの、かつては新しかったもの。
かと思えばお土産売り場は今時を全力で追っかけてスマホカバーなんて売っているので、あまり油断できない場所である。
「この場所は、長い年月の中で色々なものを飲み込んできたのでしょうね」
日本にはかつて、温泉旅館が先進的でオシャレだった時期があるという。ずっとずっと昔のことだが、その頃の面影を、この宿はほんのりと持っている。
かつて劇場で歌っていた女性が年老いても上品な色気を伴うように。
志桜里の探険は暫く続いた。
夕飯もほどほどに、遊戯スペースやら、やたらマッサージチェアが並んでる謎のスペースやら、壁いっぱいに漫画本が差し込まれた休憩室やら、どこかもの悲しい中庭やら……。
色々なものを見て回り、刺激にかえて、志桜里はやっと露天風呂へとたどり着いた。
ヒュンと鳴いて空にあがる花火の光を、色々な人の顔を照らしている。
湯気にまぎれて見える横顔には、色々な感情が見えるような気がした。
古きを懐かしむもの。日常からの乖離を求めたもの。刺激を欲したもの。
志桜里もまたそのなかの一人として、あがる花火に目を細める。
ゆれる湯船に、鮮やかな光が反射した。
今夜はまだ、この鮮やかさに浸っていたい。
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10人
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10人
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シナリオガイド公開日
2018年10月09日
参加申し込みの期限
2018年10月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月16日 11時00分
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