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温泉街、夏花火、きらきらの思い出
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■夫婦で温泉旅館
にぎやかなバスを降りてみれば、海と山と巨大なホテルがあった。
岡瀬 靖久
と
岡瀬 千聖
はキャリーバッグを引きながら、聳え立つ建物を見上げた。
上の方をみるとモロにホテルホテルしているが、正面玄関のたたずまいはしっかり旅館。巨大な提灯とわらじ石(巨大な岩の置き物的なやつ。一応名物)は高級旅館の面影を確かに残していた。古い歴史とその変遷が、そこかしこに見える。
「これが今日泊まる旅館?」
「らしいね……ちなみにあれが能登半島だ」
「聞いたことなら……」
ふうむと腕組みをする靖久。
「なかなか風情のある旅館だね」
「創作意欲もわきそう。後で散歩してみましょうよ」
千聖に手を引かれるように、靖久は旅館の中へと入っていった。
石川県は縦に広い。日本海を包む石川および富山は温泉地でもあり、都会から遠く離れた加賀の温泉地はレジャースポットとして重宝されていた。昔は。
「金沢はダンサー時代に来たことがあるよ。駅の近くのホールだったかな。今は随分豪華な駅になっていたけど……」
北陸新幹線が通ってからというもの金沢の都会化は進んでいる。外国人観光客も増えあちこちにホテルがたち民泊問題まで勃発しているそうだ。
しかし『金沢県』とか呼ばれるくらいに石川県における金沢市のウェイトは石川の北端みたいなここ七尾までおとずれる者は多くない。
「けど、そういう場所だからお土産もおもしろいものを買えそうだね……」
旅館前の通りを歩く。
娘(今回はお留守番)に持って帰るお土産を考えていた靖久は、ふと足を止めて振り返った。
千聖がケータイを翳して風景を撮影していた。
「ちぃちゃん、今写真を?」
「えへへ、娘ちゃんに送ろうと思って」
そう言ってメール送信の操作をしつつ、さりげなく千聖の手が靖久の手を握った。
照れ隠しにかケータイの画面を見つめる千聖の頬が、どこか赤く見えた。
和倉温泉街の町並みには不思議な魅力がある。
古く、悪い言い方をすれば汚れた建物群。
バブル時代にこぞって建てられたであろう無数の旅館はどれも高く聳え立ち、しかし数十年の月日のなかで古いものへと変わっていた。
かつては色鮮やかに塗りたくられていたであろう壁のペイントも、長年の雨風にはがれ落ちその名残だけがある。塗り替えられることなくやせ衰えたであろう風合いが、この土地の過ぎ去りし日々を思わせる。
けれど空気が悪いかといえばそんなことはなく、すぐそばに見える海とさざなみの音、そして潮の香りが美しく、どうやらすぐ近くにあるらしい公園を歩いてみればよく手入れされた花壇が並んでいた。
栄華は去ったがそれでもたくましく生きている。
そんな、不思議な町並みだ。
「本当に、創作意欲がわきそう……」
写真を何枚もとって、千聖はぽつりと呟いた。
外を歩く人は不思議と少なく、広い公園に千聖と靖久がふたりだけ立っている。
海にとろりととける夕焼けの乱反射を、いつまでも見ていられる気がした。
歩き疲れれば身体を癒やしたくなるもの。
二人は一度部屋に戻ってから温泉へ入ることにした。
この旅館の温泉は地味に三つに分かれている。
ざっくり言うと屋内温泉と露天風呂だ。それぞれまったく別の場所にあるので、さらっと行き来することが出来ない。
ここはあえてと靖久が選んだのは屋内温泉だった。
部屋はきわめてシンプルな長方形。壁際に洗い場が並びもう一方は巨大な浴槽という作りだ。
しかしその浴槽の広さと部屋の作りたるや……。
「これはすごいな……」
泳げるほど巨大な浴槽。浴槽側の壁は全面ガラス張りで、その先は即海という作りになっていた。
元々入り江に湧いた温泉であり海と直接つながっていることが魅力の温泉だったこともあり、その風情を旅館建設後も別の形で残したのだろう。
ちなみにこの構造の名前はインフィニティビューというらしい。なぜインフィニティ……。
それは千聖の側も同じで、窓際に寄りかかって『暖かい海に使っている感じ』をしばし堪能していた。
「景色もいいし気持ちいいし、幸せぇ……」
ふと屋内を振り返ると、湯が出る口の真上になんか翼を広げる鷹の像が設置されていた。なぜ鷹……。
身体をほぐしたあとはお腹いっぱい食べたくなるもの。
「お夕飯ってなんだったかしら」
「たしか、バイキングじゃなかったかな。時間も決まってたはずだよ」
靖久がとりだしたチケットはバイキング二人分。時間もきっちり指定されている。
昨今のパッケージ化された温泉旅館の基本システムというか、効率化されたシステムのひとつらしい。
廊下をふらっと歩いてみると配膳用の小型エレベーターが何年も使われないまま封印されているのがわかる。こういう手間を省いてコストダウンをしているんだなあと、なんか大人っぽいことを考えつつ、二人は人気のバイキングレストランへと入っていった。
しかしそこは姿勢だけが変わった温泉旅館。
出てくるものはきっちり旅館の高級料理であった。
「デザートが沢山あったのよ。靖久さんも食べる?」
千聖がお皿いっぱいに並べて持ってきたのは小さなケーキ類であった。
バイキングと聞くと一通り食べてみたくなるのが人の情なれど、種類が豊富すぎて選ばざるを得ない。しかも時間が思ったより狭いので迷う楽しみが増える。
そんな中靖久が選んだのは名物らしいエビの天ぷらだった。
名物っていうか、もうバイキングにもかかわらずそこだけ行列ができるくらい人気だった。
私の分もお願いねと皿を持たされた靖久がそこそこに天ぷらを盛りつけて帰ってくると、千聖のテーブルがいつのまにかお子様ランチめいて豪華になっていた。
「……食べきれるかな?」
「こういうのって、欲張り過ぎちゃうのよね」
そんな風に苦笑するのも、また旅の楽しみというのものだ。
贅沢に贅沢を重ねてもまだ盛りつけるぶっかけいくら丼専門店みたいな日。
靖久と千聖は夜の部屋で明かりを消して、窓の外を眺めていた。
旅館によくあるあの和室と窓の間にある小さいテーブルと向かい合わせの椅子みたいなあの、あの、あのスペースに向かい合い、買って置いたお酒を飲み交わしながら……空に上がる花火を見上げる。
「素敵……」
「ああ、素晴らしいね……」
くつろいで眺める打ち上げ花火ほど贅沢なものはない。
こっくりと眠そうに船を漕ぐ靖久に、千聖がくすくすと笑った。
「靖久さん、顔真っ赤」
「僕のことはいいから、ほら、花火。もうすぐクライマックスだよ」
そう言ったきり眠りこけた靖久の顔を写真にとり、千聖は娘にメールで送信してみた。
ドドン、と巨大な音で身体をゆさぶられる。
ひときわ大きな花火の音に靖久が目覚め、窓の外を見つめている。
散ってゆく無数の炎が、初夏の風にのって香った。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月09日
参加申し込みの期限
2018年10月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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