ウォーターバトル！｜リアクション

ウォーターバトル！

「オラオラっ！　タコども！　オレはこっちだぜ！」
　竜世は声を張り上げて、叫んだ。校門付近に集まっていたミズフーセンダコ達に水鉄砲を放ちつつ、挑発する。
「よっし、来た」
　タコの思考回路は単純なようで、集団で追いかけてくる。
「うえ！？　なんだありゃ」
　集団の中に巨大なタコを見つけた。恐らくボスなのだろう。
「面白いじゃん」
　水鉄砲攻撃を右に左に避けつつ、中庭へと向かう。
　途中追いつかれそうになるが、それらは遠くから放たれた水鉄砲によって破裂して消えてしまう。修がいわゆるスナイプをしているようだ。
　前方に中庭が見えてきた。
「竜世、伏せろっ」
「へへっ」
　竜世は前のめりにバランスをわざと崩し、水が張られた地面へと腹這いになる。それと同時にタイラの手元のホースから勢いよく水が吐き出される。
　水の出口を圧迫しているので、かなりの水流だ。
　予想通り、集まってきていたタコ達が次々に破裂していく。体勢を低くしたままの竜世もタイラのうち漏らしを確実に落として行った。もちろん、修の遠距離射撃も続いている。その動きを見極め、連射しつつ、確実に当てていく。
　そして、最後に現れた巨大タコ。
「同時に当てるぞ！」
　修が二人に声をかけて、
「行くぜ！　せーのっ」
　三人はそれぞれ、勢いをつけて水を放った。
　全身に真水を浴びた巨大なタコは、破裂して消えてしまったのだった。

「ふう……」
　中庭が見える教室の窓から水鉄砲を構えていた修は脱力した。どうやらボスを倒すことができたようだ。
「！　ミラ？」
　現れた白猫に修は少しだけ驚く。
　修は気になって、タコの出現理由を聞いた。
　それに対する答えは単純過ぎるもの。

　　　　「夏だから」と。
　
　こうして、三匹もいた巨大なミズフーセンダコが退治され、島中に押し寄せた水は数時間で引いてしまった。
十人の退治人のおかげで。

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