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少し、昔の話をしよう
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これは、『今』から遡って100年ほど前の、星幽塔での出来事。
◇
「アイオ、今日からお仕事デビュー! ですわ!」
マダム・マルトンのお店
の店内に、華やぐような声が響く。
声の主は、見目は6歳ほどの幼い少女――
アイオ・キャンドライト
だ。
アイオは、嬉しさを表現するみたいに、くるくると回っていた。
言わば、喜びの舞だ。
青い瞳は煌めきを帯び、かんばせは、きらきらの笑顔に彩られている。
そして、アイオがくるくるする度に、特注のメイド服の裾がふわんとなった。
そんなアイオの姿を目に、店の主たる
ディアーナ・マルトン
はそっと目を細める。
(ミユキから預かったこの子も、店の手伝いが出来るようになったんだね……)
ディアーナは、アイオのくるくるを見ながら、古くからの友人の顔を思い出していた。
娘と同じ猫の獣人である、アイオの母親。
流行り病に罹った彼女は、生まれて間もないアイオをディアーナに預けた。
そうして、夫と共に人里を離れ、どこかの静養地へと向かったのだが――。
「おかみさん! おかみさん!」
アイオの弾む声が、ディアーナの心を、ハッと、今ここへと呼び戻す。
「何だい、アイオ」
「アイオ、何から始めたらいいんですの?」
準備はバッチリだと、ぴかぴかの瞳が、そわそわとした声音が言っている。
くす、と小さく笑ってディアーナは、
「それじゃあ先ずは、テーブルを拭いてもらおうか」
と、アイオへと、真っ白い布巾を手渡した。
「了解ですの! アイオ、頑張りますわ!」
布巾を手にしたままぐっと拳を握ったあとで、アイオは、早速布巾を濡らしに向かう。
ぎゅううっと布巾を絞る手つきも、慣れたものだ。
店に出られるようにと、ディアーナが今日まで、しっかり教え込んでくれたから。
(アイオにとって、おかみさんは、お母様みたいな人ですわ)
ディアーナはアイオには別に母親がいるというけれど、それでも、アイオはそう思う。
テーブルをきゅっきゅと拭いて、床も箒で綺麗に掃いて。
一通り掃除を終えたところで、「アイオ」とディアーナが静かな声で呼んだ。
「おかみさん、何ですの?」
「いや……多少やんちゃで無茶なこともするけど、アイオは頑張り屋な子だなと思ってね」
「! えっへん! 掃除も、ちゃんと教えてもらった通りにできたでしょう?」
胸を張るアイオを、ディアーナは、心の底から愛おしく思う。
その想いが促すままに、ディアーナは、アイオの頭を、ぽんぽんと軽く撫でた。
「ああ。特注のメイド服もぴったりだしね」
言えば、アイオの顔に、益々明るい笑顔の花が咲く。
その笑顔は、ディアーナにとって、とびきりの宝物だ。
「……あんたが来てくれてから、店もあたしも、少し明るくなった気がするんだ」
ふと、そんなことを口にすれば、アイオは、きょとりと瞳を瞬かせた。
そんなアイオの肩へと、ディアーナは、そっと両の手を乗せる。
「アイオ。あんたの本当の母さんは、いつかその、必ず迎えに来る」
本当は――静養地に向かってから今まで、ミユキからは連絡もなく、夫と揃って行方不明だ。
けれど、それは言わない。言えない。
その代わりにディアーナは、ミユキがいかにアイオのことを想っていたかを、
「あんたの母さんは、娘のことを深く深く愛してた人だって、友人のあたしは保証するぞ」
と、優しい、けれど真面目な声で、何度だって伝えるのだ。一方で、
――例え何年経とうと、自分の病気のことはアイオに言わないように。
といった内容のミユキからの口止めを、ディアーナは守り続けている。
それが、娘が親を探すと旅立って危険に遭わないようにという、ミユキの親心だと知っているから。
肩に置かれたディアーナの手に力がこもるのを感じながら、
(おかみさんは、アイオのお母さんがどんな人か、時々教えてくれますが……)
と、アイオはその人の姿を、ぼんやりと思い描いてみる。
どうにも、上手くいかなかった。
アイオには、自分の母親のことが、よくわからない。
(でも、おかみさんのことは大好きですわ!)
アイオは、「おかみさん」と、目の前の大切な人のことを呼んだ。
黄色の眼差しが、我に返ったようにアイオを捉える。
「何だい、可愛いアイオ」
「そろそろ、開店の準備に戻った方がいいと思いますの」
「ああ、本当だ。アイオの言う通りだな」
アイオの肩から手を離し、彼女へと笑みかけながら、ディアーナは己の胸に問う。
(この子は、本当にいい子だ。育て方は、間違ってなかったよな?)
ディアーナは、3人の息子をひとりで育て上げた母親だ。
長らく顔を見ていないのは、それぞれが立派に独立したからだが、
(女の子の育て方には、どうにも、自信が持てなくてね……)
なんて、常々、そんなことを考えずにはいられないディアーナだ。
ふっと、夫が健在だったならば何と言っただろうか、と思う。
店の食材調達を請け負っていた、今は亡きその人なら。
(……なんて、考えてる場合じゃないね)
気付けば、開店の時間が迫っている。
さて、と、ディアーナは、強いてからりと力強い声を出した。
「そろそろ開店だ。アイオ、しっかりやりなよ!」
「勿論ですわ! お店のお手伝い、一生懸命するのです!」
「良い返事だ! ……と、その前に」
ディアーナは、アイオの頬を、ふに、と柔らかく掴む。
「もう言うまでもないかもしれないけど、アイオ、喋るときは『ですわ』をつけること!」
「ひゃ、ひゃい! 了解ですわ!」
「よし! 間違っても、あたしの真似をして喋ったりなんかするんじゃないよ?」
――可愛いあんたに、あたしの男勝りの口調が移るなんて冗談じゃない。
そう付け足して、ディアーナはにかりと笑った。
「さあ、ミーティングも終わり! 店を開けるよ!」
「はい! アイオにお任せですわ!」
店を開ければ早速やってきたお客へと、
「いらっしゃいませですわ!」
と、アイオが元気良く、気持ちのいいような調子で声を投げる。
そんなアイオの姿を目に、ディアーナは、密やかに口元を緩めた。
あたたかく、けれど、どこかほんのりと切なげに。
(そう。あたしのことは『お母さん』じゃなくて『おかみさん』でいいんだよ)
独り立ち出来るようになるまでは側にいてあげるさ……と、ディアーナは胸中にぽつりと呟いた。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
PC様方の『今』に繋がる物語を紡がせていただけたこと、とても嬉しく、光栄に思います。
ご参加くださった皆様にとって、心に残るリアクションとなっておりますことを願って。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月10日
参加申し込みの期限
2018年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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