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丑三つ時のモノたち
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第6話
普段は既に寝入っているはずが、たまに眠れない夜を過ごすこともある。
深林 真瞭
は、星ヶ丘のマンションを出て、シーサイドタウンの終夜営業のファミレスで時間をつぶしていた。
ドリンクバーのコーヒーを飲みながらスマートフォンを眺めていると、プッシュ通知により筐体が震えた。何かと思って確認してみると、小鳥カフェ&ホテル『TABE=TYA=DAME』の店長、
小鳥遊 風羽
のつぶやきだった。
『ぬいぐるみがぼたもちに~』
「ぼたもちに……?」
ぬいぐるみがぼたもちになったのだろうか。あんこともち米をお茶で楽しもうということ――
「じゃないわね……」
このつぶやきからは焦りのような困惑のようなものが感じられる。風羽はぼたもちという名のボタンインコを飼っている。彼に関係することなのかもしれない。
「『TABE=TYA=DAME』はここからすぐ近くだし、行ってみようかな」
首を傾げながら席を立ち、真瞭はファミレスを出た。
その頃、
御巫 時子
も風羽のつぶやきを見て急いで小鳥カフェに向かっていた。ろっこん『鳥の囀り』の進化能力でカラスに変身して最短距離を飛び、到着すると共に人に戻る。店の中は暗かったが、奥から鳥達の鳴き声が聞こえる。ガラス戸に鍵が掛かっているのを確認した時、真瞭がやってきた。どこか当惑を含んだ表情をしている。
「あなたも風羽さんのつぶやきを見たの?」
「はい。ここは鍵が掛かっているので裏に回りましょう」
裏口でチャイムを押すと、程なくして風羽が出てきた。
「風羽さん、ぼたもちさんは?」
時子が訊くと、風羽は2人を案内しながら「それが、ちょっと困ったことになってまして~」と答えて状況説明をしてくれた。
「……いわゆる神魂の仕業ってやつ?」
全てを聞くと、真瞭が眉を顰めながら言う。彼女には自分がもれいびであるという自覚がない。だが、神魂という単語には聞き覚えがあった。
「それはどうか分からないですけど~、ぬいぐるみちゃんが超能力みたいなものを使って喋って動いているのは確かです~」
「風羽さんは……ぬいぐるみさんの話をどう思っているんですか?」
時子が見ても、風羽が何を感じているのかよく分からなかった。どこかふわっとした雰囲気が本心を隠してしまっている。
「……ぼたもちが頭の上に乗り続けてくれていても、その中身が違うというのは悲しいことです~。それに、ぬいぐるみにぼたもちがいても、私にとってはいなくなってしまったのと同じですから~。勿論、今まで通りにぬいぐるみになったぼたもちも大切にします。でも、話せないし、それは……」
風羽は俯いて、これまで会った中で一番落ち込んでいる顔をしているように見えた。
鳥達の寝室に入ると、宙に浮いたボタンインコのぬいぐるみがぼたもちの籠に入って超近距離で話をしている。その周りでは、沢山の鳥がぴゃーぴゃーと鳴いていた。時子はろっこんで鳥達の声を聞いてみる。
「おばけだピー!」
「ぼたもちちゃんが襲われるピー!」
「みなさんは、ぬいぐるみさんがおばけだと警戒しているんですか? ……では、もしぬいぐるみさんがおばけじゃなかったら……入れ替わるという提案についてどう思いますか?」
鳥達は、時子に話しかけられてぴた、と騒ぐのを止めた。顔を見合わせた鳥達は、また同時にピーピー言い始めた。
「イヤだピー!」
「自由に飛びたいピー!」
「アタシは入れ替わってもいいピー?」
「寿命ってなんだピー? このままだとずっと一緒にいられないピー?」
「それは~……?」
風羽は困ったような顔をして言葉を濁した。
「……寿命がなんなのかは、そのうち分かります~。知らなくても、私はずっと一緒にいますよ~」
「ぼたもちは知ってるの?」
「知ってます~。知ってるから~……」
風羽は、心配そうにぼたもちの籠に視線を移す。真瞭もぬいぐるみに押されているぼたもちを見た。押し売りに断る言葉が思いつかなくて困っているというより、本当にどうしようかと迷っているようだ。
(寿命がなくなれば、ずっとそばにいられる……か)
暗いままの部屋で、真瞭は考える。
(でもそれは、ぼたもちからすればそうであっても、風羽は?)
風羽には寿命がある。それがいつ終わるかは分からない。どんなに若くて健康でも、不慮の事故や思いがけない病で急死することもあれば、今にも死にそうなほど具合の悪い人がかなりの長寿を生きたという話もある。
(それにぬいぐるみにだって寿命はある……)
大切に扱えば、ぬいぐるみは長持ちする。けれど、何れ経年劣化は避けられない。
「確かに、風羽はぬいぐるみになったぼたもちを大切に扱ってくれるわ。けれど、彼女がいなくなったら?」
黙考していたつもりが、声に出ていた。「え」とぼたもちが真瞭を見るが、本人はそれに気付いていない。一旦、考えるのを止めてぼたもちを見た。
「ぬいぐるみになれば長く一緒にいられるかもしれないけど……かえってお互いの距離が遠くなることもあるのよ」
「……………………」
ぼたもちは黙っているが、目を丸くして真瞭を見ている。
(? ? ?)
と思っているのがよく分かった。ぼたもちを見ていた真瞭は、不意に今は遠くなってしまった親友のことを思い出した。
「ぴゃ? ぴゃぴゃぴゃ?」
「『それは寿命以外でってこと?』と言ってます~」
ぼたもちの言葉を風羽が通訳した。黙ったまま、真瞭は頷く。
「でも、ぬいぐるみもいつかは朽ちるわ」
「ぬいぐるみになっても風羽さんとずっと一緒に居るのは難しいです。……人にも寿命はあるから」
真瞭と時子に言われ、ぼたもちはしばらく考え込んでいた。傍から見るとまばたきが多くて眠いのかと思ってしまうが、考えている顔だ。
「僕がこの子になっても、やっぱりいつかはお別れしないといけない日が来るんだね? それに、風羽ちゃんは僕がぬいぐるみになると悲しいって言った……」
ぼたもちの台詞からは、もう殆ど答えが出ていることが伺えた。焦ったのか、ぬいぐるみは矢継ぎ早にぼたもちに言う。
『ぬいぐるみは楽しいよ、風羽ちゃんは毎日遊んでくれるよ。お腹も空かないし、仕事もしなくていいんだよ』
「ぼたもちさんはぬいぐるみになりたいんですか?」
ぬいぐるみの言葉を食うように、時子が確認する。
「僕は……」
「私は、今のままのぼたもちさんで居て欲しいです。動いたり喋ったりできなくて、じっと見守る事だけしかできないなんて寂しいです」
ぼたもちが下を向く。ぬいぐるみも下を向いた。時子は続ける。
「私はぼたもちさんとお話するの楽しいですし。……ぬいぐるみになれば、風羽さんが楽しい時に近くで言葉をかけたり、悲しい時に寄り添ったり、カフェの皆とお話したりできなくなってしまいます」
「……うん……そうだね」
ぼたもちは時子の目をはっきりと見て「ぴゃ」と鳴いた。
「ぼたもちさんがそれでもぬいぐるみになりたいと思うのなら私は止めません。後悔しない選択をされたのですから」
それだけ言うと、時子はぬいぐるみに向き直った。
(ぬいぐるみさんは風羽さんのことが好きみたいですね)
もしかしたら恋かも、と思う。風羽に恋をした上でぬいぐるみとしての不便さを感じていたのなら、このチャンスを逃したくないというのも理解できないことではない。彼の願いも、少しでも叶えてあげたい。ぼたもちと入れ替わる以外で、だが。
「ぬいぐるみさん、どうしてぼたもちさんと替わりたいんですか?」
『ぼくは風羽ちゃんが子供の頃から一緒にいるんだよ。ぼたもちちゃんが生まれるずーっと前から。……ぼくの方が風羽ちゃんの一番のパートナー……のはずなのに』
なのに、ぼたもちだけではない。本物の鳥の方が彼女に意識を向けられる時間が長いことが悔しかった。
『空を飛びたいとか、そういうのもあるけど、一番は……ぼくをもっと見ていてほしい』
「……そうだったんですか~」
籠から出てきたぬいぐるみは、人間達の目線から少し下の方に浮かんでいた。彼を両手で掴み、風羽はそのおでこにキスをした。
「ごめんね」
「…………」
表情は変わりようがないが、ぬいぐるみのプラスチックの目がうるうるしているような気がした。
時子はぬいぐるみと目を合わせて、優しく言った。
「ぬいぐるみでも、一緒にいることはできますよ。会話は難しくても撫でたり頭に乗せたりは出来ますし」
『頭……』
「そうですよ~」と風羽は頷く。
『じゃあ、ぼたもちちゃんの代わりにぼくが風羽ちゃんの頭に乗ることもできるんだね?』
「はい。それに、小鳥カフェのマスコットとしてカウンターに居るとか、エプロンのポケットから顔を出して風羽さんの傍に居るとかすることもできますよ」
『約束……してくれる?』
ぬいぐるみは体を斜めにして時子と風羽を見上げてきた。約束します、と二人は言う。ぬいぐるみは俯き、彼が纏っていた光が少し鈍くなった。敵意が禍々しい気が薄れていく。時子は彼の頭をなでなでした。
「私も訪れたら声をかけますよ。名前は『夜船』はいかがでしょう? 夏は『ぼたもち』を『夜船』と呼ぶそうですし」
『うん……』
その時、急激に夜船の光が消えていった。生物としての気配も消え、正真正銘ただのぬいぐるみに戻る。風羽は、時子から夜船を渡されると全身を撫で、顔だけ見えるようにポケットに入れた。
――時刻は、2時半を過ぎていた。
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あとがき
担当マスター:
沢樹一海
ファンレターはマスターページから!
大変お待たせ致しまして申し訳ございません。
リアクションをお届けさせていただきます。
ちょっとエッチだったり心の交流だったり、モノと人との関係が人と人との関係と変わらなくなっていて、
とてもハートフルな物語になったのではと思います。
それぞれ、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
それでは、改めましてご参加ありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
沢樹一海
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月23日
参加申し込みの期限
2018年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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