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このときオルカ・ヴィヴァルディが、この軒下に逃げ込んだのは単なる偶然だ。
水も滴るいい男、とは言うけれど、本当に滴ったら風邪ひくだけだしね。
そんな気持ちで下校どき、小休憩すべく選んだこの場所に、たまたま来島アカリが先客としていただけだ。
アカリは背を向けており、オルカに気付いた様子はなかった。
彼、俺のこと苦手そ~にしてるのは知ってるけど――。
軽く舌を出し、唇を舐める。
俺はまあ嫌いじゃないし、ただ黙って突っ立ってるのもってカンジだしね~。アカリくんにはちょ~っとおしゃべりに付き合ってもらおうかな。
そうと決まれば話は早い。
「おや」
と一声かけて注意を惹いて、
「Ciaoアカリくん」
悠然、オルカは童話の王女様のように手をひらひらさせたのだった。
「ああ、どうも……」
なにが『どうも』なのやらと自分でも思うが、とりあえずアカリは返した。
こういう気分のとき、あまり会いたい相手ではなかった。
「ふられちゃったねえ~。あ、いや、『フられた』ってそ~いう意味じゃないよ。雨に降られた、ってこと。Capisci?(わかる?)」
「……わかってるよ、そんなこと」
一瞬ぎくりとしたが、アカリはそれを面に出さぬことに成功した。
まさかオルカに、今のやりとりを見られたはずがない。
それにそもそも、獅子目に振られたというわけでは――ええい、なんの話だ!
そんなアカリの葛藤など知らぬようで、あははと笑いながら、オルカは自分のペースでどんどん話し出した。
「いや~、雨嫌いなんだよねえ、俺。ていうか濡れるのが嫌い。前世は猫だったのかもしれないね~」
ごくいい加減に相槌を打ちながら、アカリの口元には苦々しいしわが寄っている。
なんか勝手に喋りだしたし……こーゆーとこが苦手なんだよな……。
「あ~、なんか話題がなくなってきたね~」
だったら黙っててくれよ、とアカリは思う。
「なのでちょっと立ち入ったこと訊くけどさ~」
やめてくれ! とアカリは思う。
しかしアカリの返事など待たず、オルカはこう切り出したのである。
「アカリくんはさ~。最近変な夢って見てない?」
「変な夢……?」
まさか、と言いかけてアカリは口をつぐんだ。
そのまさかだった。
「なんか自分の願いが全部叶っちゃったみたいな夢」
まだ言葉には出さずにいたが、今度はアカリにもポーカーフェイスは保てなかった。
やっぱり、とオルカはニヤリと口を歪める。
「あ、その反応は見たんだね~」
それはよかった、とキスできるほどに距離を詰めて、
「俺も見たんだけどね~」
「待ってくれ。ちょっと、考えさせろ」
アカリは、拒絶するように一歩身を引いて、
「……確かに見たけど、それがどうかしたのか」
と答えつつ思う。
――全部叶った夢……そういう夢、だったんだな。
だからさっき、獅子目はあんなこと言ってたのか。
だとすれば……俺と獅子目の想いには差があった、ってことにもなる。
相手が下がろうがオルカは気にしない。うん、とアカリの肩を抱かんばかりにして言うのだ。
「アカリくんはどんな夢だったの~? やっぱハリウッドスター?」
「俺は……普通の高校生だったよ。芝居すらしてない、ただの」
オルカも驚いたようだ。言葉が途切れた。
考えたんだ、とアカリは言う。
「……今までずっと、真っ直ぐ歩いてきただけだったから。本当にこれで良かったのかな、って」
するとオルカは肩をすくめたのである。
「え、すっごくツマンナイね!?」
おっと、本音をぶつけすぎたかな? と一瞬思うも、まいっか、とオルカはすぐに気にするのをやめた。そして、
「いや~だってさあ」
と仰々しく言った。
「悠月がだいぶ気にしてるからもっとForteっていうか……シタタカ? まあなんかアカリくんにはすごいとこもあると思ってたからさ~」
オルカは空を見上げた。灰色の空だが、そこから一条の光がさしているかのように目を細めて、
「スポットライトが当たって、目の前の全部が自分を見てる、自分の声を聞いてるって、最高じゃない? 今も持ってるそれを捨てれるなんてずいぶん欲がないんだな~って思ってね」
ふーっ、と首を左右に振りさえした。
「それって、よそ見する気が起きないくらい一本の道だったんじゃないの~?」
「……悪いかよ」
アカリは眉を怒らせた。
だが、それだけ言うのが精一杯だった。
「だってそうだろう?」
オルカは言う。
「少なくともあの夢は俺にとってそういう夢だったけどな~。そんでたぶん、その夢は悠月と繋がってる……同じ未来を見てる」
このときオルカは、恍惚とした表情をしていた。
なにかを確信しているからこそ、こんな顔ができた。
このとき脚光が落ちたかように、ふっとオルカは我に返った。
そしてどこか、勝ち誇ったみたいな顔でアカリを見たのである。
――いつか未来で、って言ってたからね。
ステージに向かう道すがら、悠月はそっとパートナーに告げた。
「この続きは、いつか未来で」
あの約束を、オルカは忘れていない。
そうしてオルカは、アカリを見ることすらせず、
「あ、雨マシになったね。そろそろいこっかなCiao~」
と言うやいな、頭の重心のぶれない歩き方で、軽やかに横断歩道を渡っていったのだった。
軒下にはふたたび、アカリひとりが残された。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月16日
参加申し込みの期限
2018年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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