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気がつけば、寝子島。
また来てしまいました――そんな薄笑みが、グラスのロックアイスに映り込んでいる。
アケーチ・タッマーキ
はこの日も、ふらりと星ヶ丘のバーを訪れていた。カウンターと、いくつかテーブル席があるだけの小さな店、まだ宵の口だからか、他に客の姿はない。迎えてくれるのは品のいいBGM、それにロマンスグレーの髪をした紳士なマスターだ。
来店時、めずらしくアケーチは言葉が少なかった。
カウンター席に陣取って、バーボンのオンザロックを、舐めるようにちびちびと味わうだけ。あとはずっと、氷が溶けるのを黙って見つめていた。
小皿が、音もなくカウンターに置かれた。
「スイスから取り寄せているクリームチーズです」
雪のように白いチーズだ。塩味のクラッカーが数枚、添えられていた。
「これは店からのサービス」
目尻にしわを寄せて、初老のマスターは微笑した。
「マスター……!」
「お酒だけというのもいいものだけど、何も食べないのは体に毒だよ」
はからずも目が、うるんでくるのをアケーチは覚えていた。
それをぐっとこらえて、
「ありがとうございます。いただきます……!」
思わず手をあわせてしまう。
するとまた優しい声で、マスターは短く告げたのだった。
「それと、気持ちを胸に溜め込んだままにしておくのも、体に毒」
うううっ――またまた目がうるんでくる。アケーチはごまかすように急いで、チーズをクラッカーですくいとって口に運んだ。
酸味と甘味が適度に効いたチーズだった。舌触りもとてもやわらかい。
落ち着いた。
一口バーボンを呷って、アケーチはぽつりぽつりと話し始めたのである。
「夢を、見ましてね……」
やけに現実味のある夢だった。
その世界でアケーチ、いや、明智珠樹は、高校の美術教師を務めており、可愛い妻と暮らしている。
妻との他愛のない、けれど、とても幸せなやりとり。
教師としての喜び。
ハロウィンで妻にしてもらったコスプレとか、そういったところまで鮮明に活き活きと話した。
さすがマスターは聞き上手で、学校であったことを語る息子の父親のように、終始楽しげに相づちをうってくれる。
「……と、いった次第です……ふ、ふふ……!」
話し終える頃には、もう普段のアケーチに復している。
「いい夢だったようだね、明智にゃん」
「そうですね……」
ところが、元気がいいのはそこまでだった。
痛みに似た感覚を覚え、アケーチの瞳はまた沈んだ。
あの夢を見た日から、なぜか胸の奥がキュッと締め付けられるような――。
まばたきするたびに目に雲がかかるよう。やがてうなだれて、またグラスに手を伸ばしている。
いつの間にか新しいグラスに替わっていた。
「同じもので良かったかな?」
マスターはそれだけ告げて、グラスを氷と、琥珀色の酒とで満たしてくれた。
いい夢だった、それはマスターの言う通りだ。
だけど残酷でもある。結局のところ夢でしかないのだから。
家族の顔すら思い出せない自分に、愛らしい奥さんがいた。
彼女……千亜との日々は鮮明に思い起こせる。愛らしい頬の感触、髪の匂いに至るまで。
チョークの粉が舞う音、校内のバタバタとした土埃、それだって実体験として思い出せるのだ。
けれど今の自分は『流浪のバーテンダー兼アーティスト』。
それも自称にすぎない。
自分はほしびとなのだから、この世界での職はない。
そもそも、ほしびとでの自分だって何者なのかわからない。
浮遊と呼ぶにも頼りない、風に吹かれる塵ほどの、根をもたぬ日々だった。
こんな気持ちになったのは初めてだ。あの夢を見るまでは、悩んだことすらなかったと思う。
流転の日々も、それはそれで構わない。過去よりも未来を切り拓く。
そう思っていたからだ。それで良かったはずなのだ。
――私は……家族や、安定を求めているのでしょうか。
憂鬱のブルーが溜息のグレーに変わる。色彩(いろ)を喪いゆくグラデーションのようにして。
あれが夢だったなんて。
はかなく実体のない、夢幻泡影(むげんほうよう)たるこれが現実だなんて。
あの夢が、本当の自分でしたら良かったですのに――。
柄にもなくそう思ってしまうのは、朝から続く曇天の仕業だろうか。
夜風が忍び入る。入り口のドアが開いたのだ。
「……!」
声なき叫びが漏れそうになった。
単身の女性客だ。
軽やかな栗色の髪、長い睫毛は夜の翼のようで、唇の光沢はまるで真珠。
ヒール姿のせいか、バニーなコスプレが似合うはずと確信した。
千亜さん――!?
明智珠樹は腰を浮かせかけた。待っていました、と呼びかけたくなる。
今にも彼女が、鞄から珠樹の自画像を取り出すのではという想像すらできた。
けれどそれは幻でしかなかった。
「お久しぶりです、
紗央莉(さおり)
さん」
マスターはにこやかに告げた。
「珍しく同伴がなくてね。まあ、臨時出勤のせいだけど」
慣れた調子で彼女はするりとスツールに席を占め、カウンターに肘を乗せた。
「だから今日は暖機運転」
と言っただけでしばし、桜貝色した自身のネイルを眺めている。
注文する必要はないらしい。どうぞと言ってマスターは、スプモーニと生ハムの小皿を彼女の前に置いた。
美人ではある。パーツだけとらえれば髪型など、似ている部分もある。しかし、珠樹の妻千亜とは別人だ。千亜と比べると、ずっと猫目だし背だって高い。受ける印象も派手だ。
グラスに唇をつけると、
「はじめて見る方ね?」
紗央莉はアケーチのほうを見た。ニコッと笑う。一見きつそうな顔立ちなのに、笑うととても魅力的だった。
「……ふ、ふふ……! 流しのバーテンダー明智と申します。よろしければ『明智にゃん』とお呼び下さい……」
似た口調で紗央莉は、「……ふ、ふふ……!」と笑った。からかっているというよりは、気に入ったからやってみた、という雰囲気だった。
「面白い人ね、明智にゃんさん。私は紗央莉、良かったら一度遊びに来て」
といって彼女が差し出した名刺には、『プロムナード』という店名が記されていた。
おや、とアケーチは思うが、なぜだか泰葉の名を口にするのはためらわれた。
夢の世界にはない、不思議な出逢いがここにはある。
だとすれば――このままここにとどまって、夢を叶えたいとも彼は思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月16日
参加申し込みの期限
2018年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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