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just another day
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人生においてその時期は、たったの三年間でしかない。
それまで生きてきた時間と比しても短いし、その先と比べるとなるとそれこそ、あっという間と言ってもいいくらいだ。
にもかかわらず鮮烈で濃厚で、その後の人生を決めてしまうほど重要で、かけがえのない三年間である。
高校生としての、三年間は。
伊織 源一
は板の間にある。
祖父の家、邸内の道場『仙狸館』の中だ。
早朝。夏とは思えぬ涼しさの、そのただなかで正座している。そうして石のように沈黙している。
微動だにしない。眠っているかのように、いや、ひょっとすると死んでいるのではないかと疑うほどに。
この閑けさにあって源一は聞いていた。
足音を。
高校生活の終わりの足音だ。少しずつ耳に届くようになってきた。
源一は三年生、その一学期も、じき幕となる。
高校生活が砂時計だとすれば、中の砂はもう、中央が落ちくぼんでいる状態といえよう。
すでに彼は、武術の師でもある祖父に肚の内を明かしていた。
将来は医者になり、ひとの命を救う仕事がしたいと。彼なりに覚悟を決めての宣言だった。
拒絶されるかと思いきや、祖父は天に届くほどの快笑とともに源一の決意を容れたのだった。
『心配いらねぇよ』
そう断じた祖父の口調の、ゴツゴツとした無骨さ、けれど照れ隠しのような柔らかさ。源一は今でもはっきりと覚えている。
そして現在。
時期は来た、と源一は思っている。
目標達成のために、俺はどうすべきか。
どんな道筋を選ぶべきか。
それを決めるときであろう。
白い鳩が羽ばたくようなイメージが、源一の心中に去来する。
医の道を志す、ゆえに選ぶのは大学進学となろう。それは必定だ。
だが――。
進路はひとつに限られない。
源一は身じろぎひとつだにしなかったのだが、それでも板の間は彼の心を読んだかのように、長く一つ、低く、きしむような音を立てた。
寝子島には木天蓼大学があり、そこにも医学部はある。
といっても学費の面を考慮するならば、私大よりも国立を目指すべきではないか。
だがそのためには必然的にこの島を出て、本土の大学を目指すことになるだろう。
源一の脳裏に祖父の背が浮かんだ。
このところ、めっきり小さくなった印象のある背だ。
年々縮んでいるようにも思う。かつては、手で触れられそうなほどの気力が祖父の身から横溢していたものだ。しかし今はその気配は衰え、かすかな残滓を漂わせるのみだった。
『このところ遊び仲間も減る一方でよォ』
そんな冗談すら、祖父は口にするようになった。しかもけっこうな頻度で。そのたび歯を見せ、皮肉な調子で笑うのがむしろ見ていて痛々しかった。
源一が島を離れることはすなわち、彼にとって唯一の肉親を独り、この地に残していくことを意味する。
果たしてそれは、望ましいことだろうか。
けれど。
島を離れるかどうか悩んでいる、などと話を切り出したらたちまち、『馬鹿云ってんじゃねぇ』と老人は笑いとばすことだろう。『なんでぇてめぇ、この俺が寂しがるとでも思ってんのか』、と。
そして気持ちいいくらい痛くて大きな音の立つ、張り手のひとつでも源一の背中に喰らわせるに違いない。
……。
ふたたび板の間がきしんだ。今度はもっとはっきりと。
源一は稽古場の天井を仰ぐ。
やおら立つ。仁王のように。
右手に木剣を握る。
ほとんど無意識のうちに彼は、両手で剣を青眼に構えていた。
裂帛。
身体に染みついた型だ。
剣を振る。
振る。
迷いを断ち切るように虚空を切り裂く。
『剣の理合は』
祖父の声が聞こえた。昨今よりずっと張りのある声で。
『諸流根底に同じくして流れるものだ』
源一の剣尖に迷いはなかった。流れる水のごとく。あるいは滝を割る龍のごとく。
祖父は言ったはずだ。
たとえ道筋が違っても、極みを求め続けるならば辿り着く場所は同じなのだと。
俺も、心配するなと言い返してやらなければ。
雷光がごとき一刀。
そこに岩があれば岩を、鉄板があれば鉄板を、両断できたのではないかというほどの強烈な。
源一は剣を下ろし静かに息を吸う。
肩の荷を下ろした心境だ。
彼の双眸にはふてぶてしいほどの光が宿っている。
肚は決まった。
卒業後、俺は島を出て本土の大学へ進む、と。
胸を張って戻れるように、大きくなってここに帰れるように――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月16日
参加申し込みの期限
2018年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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