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うっかりしてたな、と空をにらむ。
小雨は本降りへと変わりつつあった。
ぐずっていた子どもが、声を出して泣くことでより悲しみが強まっていく様に似ている。
下校時、空模様が崩れはじめていることには気付いていた。
けれども運悪く置き傘は、以前使ったあとまた持ってくるのを忘れたままだ。
だからといって学校に居残るよりは、一か八か早足で帰るほうを彼は選んだ。
――まあ、結果は八(バチ)のほうだったんだけど。
飛び込んだコンビニの軒先、傘を買って帰るにはちょっと惜しい距離。二の腕に貼り付いたワイシャツを指でつまみつつ、
鴻上 彰尋
は思案している。
ダッシュで帰るという無謀はしたくない。教科書やノートはもちろん、祖父の台本を雨で濡らす愚は避けたかった。
かといっていつまでもここにいて、取り返しのつかぬほど豪雨へと変わったらどうするのか。
もちろん傘を買うのは簡単だ。しかし自宅に無闇に傘ばかり増えるのも嫌だったし、いよいよ夏がはじまるこの月に、そんな浪費は会計に優しくないというものだ。
そうだ。
もう夏なんだ。
急に気付かされたように思った。
早いなあ、とため息が漏れる。目まぐるしく日々を過ごしているうちに、そろそろ高校生活は折り返し地点にさしかかりつつある。
そこから彰尋の意識はどうしても、将来とか進路とか、いわゆる未来に向かうのだった。
彰尋の将来の夢、それが舞台役者であることに変わりはない。
進路希望はいまのところ木天蓼大学だ。大学で本格的に演劇の勉強をしたい。家から出てひとり暮らしをしたいとも考えている。
それはそうと、と思わずにはいられない。
七夜 あおい
はどんな将来を思い描いているのだろうか。
できるならその隣で、微笑んでいたいと彰尋は願う。
カラン、とコンビニの押扉がひらいた。
「彰尋くん――?」
振り向くとそこには、カップコーヒーを手にした七夜あおいの姿があった。
彰尋は文字通り飛び上がりそうになった。ぼんやり彼女のことを考えていて突然彼女に会うなんて、単なる偶然にしても心臓に悪すぎというものだ。
彼女のカップから湯気があがっている。蒸し暑くてもホットの気分らしい。
「彰尋くんも雨宿り?」
「ああ、うん」
そうだよ! そしてあおいさんのことを考えていたんだ!
……とはさすがに言えない。
「ぼんやり将来のこととか、考えてた」
「彰尋くんは役者志望なんだよね」
「木天蓼大で演劇部に入るか、学外の劇団を探すことを考えてる。もちろんバイトもやりたいなあ……色々な経験を積んでおいたほうが、演技に深みが出ると思うし」
「すべてが夢につながってるんだね。やっぱり、彰尋くんは役者の道に進むため生まれてきたのかもしれないね」
「はは、ありがとう」
話しながら彰尋は思う。
再放送のテレビドラマを観ているような感覚だ。前にも一度、こんな会話をかわした記憶がある。
香川王堂という人物が、アムリタという別世界を作った。
そこは理想の世界だった。取り込まれた人間たちは、いともたやすく己の望みを実現したのだ。ほとんどの人にとってその望みとは、まだ手の届かぬものばかりだった。
その世界に自分も取り込まれたこと、それを彰尋は記憶している。
アムリタの夢が、あえなく潰えたということも。
ただ――そこで自分が手に入れた望みとはなんだっただろう? それだけは思い出せない。
役者として大成功していたわけではない。まだ高校生で、役者になる夢をどうやって実現するか頭を悩ませていたことははっきり覚えている。
だとしたら、なにが現実と違っていたのだろうか。
もやもやとした想いはある。けれどそれはまだ乾ききっていないカサブタのように、突き詰めることをためらわせるものでもあった。
そこで話を切り替える。
「あおいさんの夢を聞かせてよ。人生設計」
「人生設計とはまた大きく出たね。実家のお母さんみたい」
「そんなこと言われてるの?」
「言われてます」
妙にかしこまった口調。私長女だから、と意味深にあおいは笑って、
「なんとなくの夢ならあるよ。看護師さんとか、保育士さんとか……」
「なるほど、似合うね」
「あと、旅館の仲居さん」
「それはちょっと意外かも」
「できればひなびた温泉旅館で、『ようおいんでんさった』とか言ってあいさつするの。ひそかに憧れちゃう」
それなら、と彰尋は応じた。
「万が一役者の夢に破れたら俺、その旅館の番頭さんを目指すよ」
冗談めかして言ったものの、
「いいね! 仲居さんと番頭さんの住み込み夫婦なんてのも」
とあおいがころころと笑ったので、本気で第二希望にしようか、と一瞬思ったほどだった。
ふと会話が途切れた。
雨音が、ふたりのあいだに入り込む。
「……少し小降りになったかも」
「そうだね」
あおいは灰色の空を見上げた。
自分も見上げるふりをしながら、彰尋はあおいを盗み見ている。
とくに彼女の、手に。
距離が近い。
うんと近い。
ふとしたはずみで、触れてしまいそうなほどに。
猫まつりの夜、偶然彼女の手を握って、握り続けていられたのは――。
彰尋は目を閉じた。
――あのときだけの特別だったと思うから。
このときあおいの手が、彰尋の手に触れた。確かにその感触があった。
反射的に握り返そうとした彰尋の手、それをするりとあおいの手は逃れている。そしてそのまま、空を指さしていた。
「晴れてきたよ。やった!」
「本当?」
嬉しい気持ちもあったけれど、もう五分、いや一分でも雨が続いていれば――そんな惜しい気持ちもあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月16日
参加申し込みの期限
2018年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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