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屋上。
雨はやんだものの、それでも空気は湿っぽい。
授業と授業の間の空き時間だ。
五十嵐 尚輝
は、気がつけばここにいた。
理由はない。なんとなく、としか言いようがなかった。
もやもやする。とうの昔に諦めていたものがまた、古傷のように胸で疼いている。
――芽衣子さん。
心の中でだけならそう呼べる。
でも忘れなきゃ、と尚輝は思った。
気持ちを入れ替えるためにも一度、彼女の近況を調べてみよう。
その勇気が出れば、だけど。
そろそろ引き返そうかという気になったとき、
「先生」
呼ばれて尚輝は振り返った。
御巫 時子
が立っていた。
あッ、と小さな声が尚輝の口からこぼれる。
なにか、見られたくない姿を見られてしまった、という気持ちと、だけどその相手が時子でよかったという気持ち、それが半々くらいになったような声色だ。
「その……なんだかボーッとしてました。といっても僕、いつもボーッとしてるって言われますね。まあなんと言いますか、今日はとくにボーッとしていたというか……あはは」
尚輝にしては妙に多弁だ。言い訳しているようにも聞こえる。だけど声に籠もるものが、やけに暗い。
少し前、たまたま屋上に向かう彼を見かけて、時子も屋上に出ていた。
しかし尚輝がフェンスに手をかけ、憔悴したように黙っているのを見て、声をかけることをしばしためらったのだった。
尚輝がこんな様子を見せるのを、時子は前にも見たことがある。
放課後、キャットロードで見かけたあのときだ。
あのとき尚輝は、『昔、好きな人がいました』と告白した。彼女のことを思いだした理由については、『夢を見て思いだしたというか』とも語っていた。
それを口にすることが、もしかしたら尚輝を傷つけるのではという虞(おそれ)が瞬時、赤い針のように脳裏をよぎった。それでも、時子は衝動に勝てなかった。
「また……夢を見たんですか?」
誰の、とか、いつぞやの、とか、そんな注釈はいらない。この問いかけだけで十分だった。
前髪に隠れて見えない尚輝の目、それが斜め下に落ちるのが見えたような気がした。
なんの話ですか、などと空とぼけられる尚輝ではない。
数秒、逡巡したものの彼は、消え入りそうな声でこう言ったのだった。
「はい……あの人の……今道芽衣子(こんどう・めいこ)さんの夢を見ました」
――今道芽衣子さん……それが、その人の名前……。
胸に刻むようにして時子は、告げられた名を心中で繰り返す。
敵愾心とか嫉妬とか、そんなものは感じなかった。
「素敵なお名前、なんですね」
ただ素直に、時子は受けた印象を口にする。
「ええ、名前だけじゃなくて……」
口にしかけて、はっとしたように尚輝は息を飲む。
「ごめんなさい。こんな話、生徒にするべきではありませんね」
「いいえ。私は、聞きたいです」
胸が苦しい。
時子は左右の手を拳にして、しっかりと膝に押しつけた。
そうしないと、手の震えが露呈してしまいそうだったから。
その芽衣子さんという方の話を聞けば聞くほど、彼が遠ざかっていくような気がした。
もしかしたら先生は――。
もしかしたら先生は、その女性の元へ行ってしまうかもしれない。
教師を辞めて、研究者に戻ってしまうかもしれない。
それでも。
「私」
と時子は告げて、尚輝が手をかけていたフェンス、その下のブロックに腰を下ろした。
「先生が苦しそうな姿は見たくないんです。私にできることは協力したいと思います。だから教えて下さい」
先生には笑顔でいてほしいから、そう心の中で付け加える。
「御巫さん、僕は君の倍以上の歳なのに……なんだかみっともないですね……」
でも、と言って尚輝は時子の隣に座る。
「今だけ甘えさせて下さい」
ぽつりぽつりと尚輝は語った。
大学院の研究室で、彼女は突出した才能を示していたということ。
研究への情熱も人一倍強く、それこそ文字通り、寝食を忘れて没頭できる人であったということ。
「そんな今道さんに僕は憧れていました。彼女のようになりたかった……今だから言える偽りのない気持ちです」
尚輝の口には淡い笑みがあった。
「今でも僕は研究を続けていますが、それは趣味の延長みたいなものです。最先端の設備なんて縁遠いし、国内の論文ならある程度目を通しているものの、世界の最先端についていけているとはとても思えない……」
次の質問をするのは本当に辛かった。でも、時子はどうしても訊いておきたかった。
「……尚輝先生は今でも研究の世界に戻りたいと思っていますか」
「僕が、ですか?」
「はい」
しかし尚輝はすぐに首を振ったのだった。
「そんなことは考えもしませんよ。高校教師の仕事を、僕はとても気に入っていますから」
許されるのなら時子は、大きな安堵の溜息をつきたい気分だった。
「僕は学究の徒としては中途半端だったと思います。でも、後進に化学を教える者としてなら、そこそこ向いているんじゃないか、って思ってます……自画自賛ですかね」
時子は力強く応じた。
「そんなことないです! 私、好きです!」
と言ってしまってから急いで付け加えた。
「その……尚輝先生の教えて下さる化学が」
「ありがとう」
このとき尚輝には、はっきりと笑顔が戻っていた。
「気になるのであれば、研究所のお知り合いの方に連絡を取ってみて芽衣子さんの近況を聞いてみてはいかがでしょうか? 忙しい方のようですし、もし連絡先を教えて頂けたら一度かけてみて、出られない時は伝言でこちらの連絡先を伝えて待つのが良いかと思います」
「いや……さすがにそこまでは……」
「でしたら、ニャースブックで探してみては? それほどの方です、SNSもきっとやってらっしゃると思います」
この言葉でついに、尚輝も踏ん切りがついたらしい。
「わかりました。それなら、やってみます」
放課後の理科実験室、尚輝はノートパソコンを開く。
その隣には時子の姿があった。彼女が淹れたコーヒーとともに。
馥郁たる香りと、時子がついていてくれるという心強さ、それが尚輝を勇気づけたのだろう。彼はほとんど迷うことなく、SNSサービスで『今道芽衣子』を検索した。
名称『KONDO, Meiko』なら複数あったが、同じ漢字の登録は一件しかなかった。米国、シリコンバレー在住。
こちらを見ているアイコンは、髪を真っ赤に染めた女性のものだ。整った目鼻立ちもあって、日本人ばなれした印象を受ける。
「元気そうですね。……すごい! 向こうでassociate professor……准教授の職を得ている」
我がことのように尚輝は喜ぶも、そこからリンクが張られた芽衣子のブログを見てしばし言葉を失う。すべて英文だが、時子にも大意は理解できた。
「今道さんは……近々日本に帰国する……のですか」
独り言のように尚輝はつぶやいた。
ブログには、『研究室時代の友達に会うのが楽しみ!』という一文もあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月16日
参加申し込みの期限
2018年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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