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食券がわりのプラスチック札を、ぱちんと音を立て窓口に出す。
楕円形した緑色の札は、かなり使い込まれておりボロボロだ。表面にマジックで書いた文字も、何度も消えて書き直されたようで残像がかかっている。
この日
水上 桜
が置いた札の、書かれた文字はまるで判別できなかったけれど、いちいち読まずともその内容は、みんな知っているから問題ない。
緑の札は日替わり定食、揚げ物中心の定食Aを意味する。
「はいよ。今日は何だか蒸すね」
学食カウンターのおばちゃんは、そう言って桜に笑みかけた。
だよねえ、と応じてトレーを受け取り、メイン皿の隣に白米の茶碗、つづいて味噌汁の椀と、洗い立ての湯飲みを載せる。給湯器から出てくるお茶は、今日もやっぱり薄い色をしていた。
メインは揚げ物が三種類、今日はメンチカツにコロッケに揚げ春巻きだ。茶色ばっかりである。そこに大きさまちまちの千切りキャベツが添えられ、透けるほど薄切りのキュウリと、三日ぶりに部屋から出たようなトマトも控えめに置かれている。名称不明のドレッシングが、白とオレンジの中間色を足していた。
以上、ゴージャスとはほど遠い見た目だが、これが美味くて安くて満足感が半端ないのだから世の中わからない。
揚げたてサクサクのメンチを一切れ、口に入れようとしたところで声をかけられる。
「待った?」
「ううん」
同級生が桜の正面に座った。彼女のほうはスパゲティというチョイスだ。
「それだけ? お腹空かない?」
桜が問うたのも無理はない。なぜって同級生のトレーの上には、ミートソースという名の缶詰ソーススパゲティの他には、別皿のサラダがあるだけだったから。
「ま、いわゆる重量トラブル発生中ってやつで……」
安全装置偽装が発覚した営業課長のような顔と表情だ。
「えー? そんな風に見えないけどなあ」
言いながらもう、桜はメンチカツを半分食べ終えている。
そこからふたりは噂話が四分の一、学業が四分の一、細々した日常情報の交換が残りほぼすべてという、それなりに充実した会話に花を咲かせた。
「それにしても、さあ」
ふーっとアンニュイなため息をつくも、箸でつかんでいるのが揚げ春巻きという桜である。
「この前高校に入ったかと思えば、もう1学期もあとわずかなんだよね」
「たしかに早いよねえ。バタバタしてる間にタイム・フライズ・ライク・アン・アローってやつ?」
授業で覚えたてのフレーズを、友人は使ってみたりする。
光陰矢のごとし、本当にそうだ。
今年は桜にとって激動続きだった。高校に入る前からだ。
入学前に父親がニューヨークへ栄転し、伴い母と弟も移住した。日本に残ったのは桜ひとりだ。スーツケースひとつ転がして桜花寮に入寮とあいなった。
つまり桜は否応なく、独り立ちを余儀なくされたというわけだ。
高校入学という新生活に家元を離れるという新生活が重なって、この数ヶ月はこの展開のめまぐるしさに、適応していくのが精一杯だった印象がある。
なんだろう、これまでの人生が上巻だとすれば、突如下巻、いや中巻に入ったという感じだろうか。
変わった部分もあれば、変わっていない部分もある。
だってそうだろう――まだ15歳といえるし、もう15歳ともいえるし。
「プール開き、七夕まつりに海開きに期末テスト……これらがすんだら夏休み──高校へ入って初めての夏休み、かぁ」
味噌汁がちょっと苦かった。桜は頬杖をついている。
「アバンチュールの季節ですな」
「アバ……なに? 北欧のポップグループか何か?」
「『aventure』、フランス語。すなわち恋の冒険ってこと」
ああ、はあ、と桜は、わかったようなわからないような顔をした。
「つまりね! いよいよ来たのよ恋の夏が!」
名残惜しげに最後のキュウリをかじりながら同級生は言った。目がミラーボールみたいにキラキラしている。
「私ゼッタイ、今年の夏は彼氏を作る! 海開きの時にゲットする! 海プラス水着イコール、シーサイドランデブーでアバンチュール! コングラッチュレーション! ラブジェネレーション!」
仏語英語日本語ちゃんぽんで細部はわからないけれど、要はそういうことらしい。
「この前水着買いに行ったときも同じこと言ってたじゃん……」
「なにそのノリの悪さ。いかんよキミ、若いんだから青春を謳歌せにゃあ」
オッサンみたいなこと言うし、と桜は苦笑いした。
青春を謳歌、いまいちピンとこないが、それがノーマルな高校生ってやつなのだろうか。
自分の『フツウ』はちょっと違う。ひっきりなしに神魂現象が襲ってきて寄り道している。
でもまあ、と桜は思った。
それさえ除けば私の高校生活、まあ悪くないんじゃない?
でさあ、と友人は桜に向き直った。
「あんたの夏計画はどうなるの?」
「私? ああまあ、今年の夏はニューヨークの家族に会いに行くからねー」
えー! とまた、友人の目はミラーボール化する。
「ということはアレ? NYのセレブをゲットしに行くの?」
「違うってば!」
思わず桜は手の甲で、ツッコミポーズを取ってしまう。
アバンチュールとかセレブとか、まあなんというか彼女は、どうしても恋愛話にもっていきたいらしいけど、桜にとっては本当に、違う
二年前に散った初恋の、あの傷はまだ癒えていない。
恋なんて当分、したくなかった。
その想いはコロッケの最後のかけらとともに、桜の胸の中に消えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月16日
参加申し込みの期限
2018年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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