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阿寒湖のマリモ色した廊下を、
鬼河内 萌
は滑るようにゆく。
ここはホスピタル、その名も高き寝子島総合病院だ。さすがに人が多いから本当に滑ったりはしないけれど、なめらかなステップでスイスイとゆく。その軽快さだけは誰も否定し得まい。
途中、ナースステーションに立ち寄り看護師に話を聞いた。
「中庭ね☆」
やっぱり薄曇りだが午前中の雨は終わり、ようやく空は回復傾向にある。散歩にはいい具合かもしれない。
「ではでは~、お庭にGO!」
上機嫌でエレベーターに入り、ついーっと下がって萌は彼らを探した。
彼らというのは兄弟だ。
香川王堂
と
道太郎
。
萌としては
ドクター香川
と
アルチュール・ダンボー
先生というほうがしっくりくる。
緑豊かな中庭だ。趣味でガーデニングをしている職員もいるらしく、花壇には夏の花々が顔を見せている。
ともすれば殺風景になりがちな空間が、まるで小さな公園のようだった。
「おっ、いたいた」
散歩している患者は一組きりだ。車椅子に座るドクター香川と、これを押すダンボーである。
「こんにちはー☆ お見舞いに来たよっ」
萌に気付くと、
「鬼河内さん、こんにちは」
ダンボーのほうは愛想良くほほえみかけたが、その兄はわずかに視線を上げただけだった。
香川(兄)のこのうっすーい反応は萌としても予想がついていたところ、とくに気にせず接近すると、
「復讐にきたよっ☆」
と楽しげに言う。
「よくもボクを歓喜と失望のローラーコースターに乗せてくれたな~!」
拳を振り上げるポーズをとるが、声が笑ってしまっているので迫力はない。
ダンボー先生はハハハと笑っているけれど、兄のほうは、
「すまなかった……」
車椅子のヘッドレストに首をもたげて、視線を外し弱々しく告げたのである。
ぎょっとしたのはむしろ萌のほうだ。
「おっとと、まさかのマジ反応」
鳩が豆ライフルを食ったような顔をして、するりと王堂の視線の先に回り込むと、
「復讐だなんてウソウソっ、むしろ感謝しに来たんだから」
笑みかけて、ぺこっと頭を下げたのである。
「ナンダカンダあったけど、アムリタ世界は楽しかったよ☆ ボクも『もれいび』になれて嬉しかったもん! ドクター香川、ありがとう!」
儚い夢と消えたとはいえ、アムリタ世界で念願の『もれいび』になれたことは萌にとって至上の幸福だった。事実が露呈して失望したのは事実だったにせよ、歓喜のほうはそれを大きく上回っていたのである。
「そうか……」
ドクター香川の短い言葉は、消え入りそうにして終わった。
元気ないなあ。
萌は思う。
この兄弟、いずれもだ。
弟のダンボー先生はそれでも、アムリタで出逢ったときよりは具合がずっと良くなっている。目の下の隈も消えていた。キリスト画みたいな長髪はこざっぱりと短くなり、謎センスの絞り染めTシャツや変なサングラスもないせいか、ハンサムといっていい部類に思える。いやむしろ、もうちょっと血色が戻りしゃきっと歩くようになれば、かなりイケてるといっていいのでは……?
問題はその兄だった。
ドクター香川はすっかりやつれて、顔なんて土気色している。目に生気がないしガリガリに痩せていた。
しかし萌にも備えあり、だ。
「お見舞いに持ってきたんだ。元気の素」
といって保存容器を取り出した。魔法瓶構造、ボトル型で密閉度が高く、汁物もいける頼もしいやつだ。萌の外出の友である。
そう、もちろんこの中身は……。
「萌ちゃん特製薬膳カレー弁当っ!」
てきぱきとシートをひろげその上に、カレーライスの用意を調える。
「セロリ、人参、玉葱、高麗人参、クコの実、ニンニク等を全てフードプロセッサーで細かくして、じっくり煮込んだカレーだよ! 辛さ控えめ刺激も抑えめ、でも深い味わいに仕立ててみたんだ。これを食べれば元気百倍まちがいなしっ☆」
カレーは色が濃く、黄金(こがね)のような明るさがあった。食材は丁寧に砕いているので食べやすそうだ。威勢良く湯気が立ち、食欲をさそう香りがする。
「さー食べて食べて」
「ありがとう」
とても美味しいよ、とダンボーは笑顔になり、小皿にもったカレーをかいがいしく兄にも食べさせている。
熱いもの、辛いもの、滋養があるものは、人にエネルギーを与えるものだ。
やがてあのドクターすら、
「なにからなにまで、すまなかった」
と、はっきり話せるほどになったのだった。あまり量は食べなかったが、それでも最後は「あと少し」とおかわりすら求めた。
それで、とやはり持参の温かい茶をプラスチックカップですすりながら萌は言う。
「ダンボー先生は『もれいび』だけど、ドクター香川はボクと同じ『ひと』なんだよね?」
「みたいだね。といっても、僕はその違いがいまひとつわからないんだけど」
先天的なものか後天的か、という差だろうか、とダンボーは言う。
「ボクの考えはちょっと違うかなあ……『もれいび』は自然に身につくものだけど、ドクター香川の力は、あの、なんていったっけ、『王珠』とかいうものに依拠する能力という感じかな?」
それまで黙って聞いていた王堂が、ここでぽつりと口を開いた。
「……私の考えも、ほぼ同じだ」
「だとするとだとすると☆」
ドクターが話に加わったので萌は目を輝かせた。
「『ろっこん』の力の根源とか、説明がつくかな? ボクが思うに、犠牲を求める王珠とちがって『ろっこん』の源にあるのは無邪気なくらいの善性なんだ。……なのに『もれいび』になりたいと切望してもなれない人となれる人がいる。それはなぜなのか?」
これこそ萌にとって最大の疑問なのだ。
「ドクター香川は偉大な科学者だから、この謎を解いて欲しいんだ!」
もしかして謎が解ければ、またいつか『もれいび』になれるかもしれない――そう思う萌である。
ドクターはわかった、とは言わなかった。
「そうしたいものだな……」
そう曖昧につぶやくのみである。
それでも、萌にとっては希望の持てる回答だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月16日
参加申し込みの期限
2018年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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