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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
「先生、笹流ししてもいいですか？」
「私に断る必要は無い。思うままにしなさい」
素っ気なく聞こえる言葉にも先生らしさを見つければ、ほっこりと微笑んで。
宮祀 智瑜も笹飾りを携えて川のほとりにしゃがみ込んだ。
「嫌な思い出も流せるんですね」
小さな声で囁かれた言葉に、桐島 義弘は一度その表情見つめたが何も言うことはせず、ただ智瑜の背後に立って見守っている。
―― 決して楽しい事だけじゃなく、悲しい事や辛いこともあったから……。
今、義弘先生が見ていてくれる中なら。
そ、と笹飾りを流した。とても、とても穏やかな気持ちでそれを見ていられるのは、きっと後ろに立つ人の存在があるから。
「少し気持ちが楽になりました」
しゃがんだまま、そう見上げて来る智瑜をやはり黙って義弘は見つめている。
淡い光たちが次々と流れていく水面。
それに照らされる月下美人を纏った智瑜の横顔は、いつもより艶っぽさをはらんでいて。
「……綺麗だな」
景色へか彼女へか、そう静かに呟かれた言の葉は果たして届いただろうか ――
ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ
八神 修と七夜 あおいも、笹飾りを持って同時に水面へと離してやる。
「何かお願いしたのかな」
「結局夜空で出来なかったから、エヘッ……しちゃった。叶うかなぁ」
「きっと叶うよ。俺で出来る事なら力貸すし」
「織姫サマや彦星サマより、修くんの方が何でもできそう～って思っちゃうのはなんでかなー」
冗談めかして笑うあおいから、そういえば修くんは？ と聞かれれば『皆の願いが叶いますように』と素直に言葉にした。
修くんらしいね、とコロコロ表情動かす愛らしい人へ、流れていく笹飾りから視線外して真っ直ぐに向かい合えば、修は今夜一番の甘い微笑みを浮かべて。
「あおいは誕生日だね。ハッピーバースデイ」
「え、わ！ ありがとう！？」
「よかったら、改めてお祝いさせてほしいなって思ってるんだけど。
こうして当日に出会えた運命と、あおい自身へ感謝を込めて……言いたくなってしまった」
「改めて？ 充分今の言葉で嬉しいよ？」
「俺が祝いたいんだ。……叶えてくれますか？ 織姫サマ？」
「彦星サマのお願いじゃ叶えてあげたくなっちゃうよ」
「よかった。その時をお楽しみに」
さり気なく言ってみた言葉へ、やっぱりノッてくれたあおい。
織姫、彦星な関係にあやかれれば、天の川へこっそりお礼を述べて。
修は熱い想いと共に彼女と、流れていく笹飾りたちを見つめるのだった。
ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ
「珪先生、あそこ、見てください」
「うん？ ……やぁ、可愛らしいカップルさんがいるね」
笹流しが行われている川の傍で、綾辻 綾花はさり気なく早川 珪の袖をつまんで引いて、水辺のほとりにこっそり佇む白と灰色の猫二匹を指し示す。
幻想的な光景は、猫さんたちもうっとりするんでしょうか、なんて言葉交わしてから。
綾花は驚かせないように、そっと近づいてミラとテオに声をかけた。
「こんばんは。良かったら、一緒に見てもいいですか？」
「うにゃ～ん☆」
「………にゃ」
隠れて寝ていた所をどうやらミラに見つかったらしいテオからは、胸中渋々といったテイな返事に聞こえたけれど。
気にせず、綾花は珪へと手招きして二人と二匹で、流れていく光たちへ視線を向ける。
―― 事件も無くて、こうしてゆっくりした時間を過ごせるのって何より幸せですね。
今夜何度目かの、珪の横顔をチラリ見上げては、心に灯る恋心ごと大事にこの時間を抱き締める綾花がいるのだった。
ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ
樹雨 蓮太朗は竹燈籠を浮かべた。
己の贖罪をつれていってもらう為では無く、隣りの美しい人がどうかこの先明るい道へと進めますように……と願いを込めて。
神嶋 綾瀬は笹船の飾りをみなもへ流した。
儚い想いも、凍えそうな痛みも、その船に乗せるように。
しかし綾瀬は分かっている。
決してこの想いも痛みも、自分の内から消えることはないのだろうということを。
もしもどうにか出来る人がいるならば、それは隣りにいるどこまでも優しい人だけなのだろうと。
例えどうにかなった先が、自分の心を痛めつけるものだったとしても。
互いの切ない思いを込めて、蓮太朗と綾瀬はそれぞれが川の流れを暫し見つめるのだった。
「私に断る必要は無い。思うままにしなさい」
素っ気なく聞こえる言葉にも先生らしさを見つければ、ほっこりと微笑んで。
宮祀 智瑜も笹飾りを携えて川のほとりにしゃがみ込んだ。
「嫌な思い出も流せるんですね」
小さな声で囁かれた言葉に、桐島 義弘は一度その表情見つめたが何も言うことはせず、ただ智瑜の背後に立って見守っている。
―― 決して楽しい事だけじゃなく、悲しい事や辛いこともあったから……。
今、義弘先生が見ていてくれる中なら。
そ、と笹飾りを流した。とても、とても穏やかな気持ちでそれを見ていられるのは、きっと後ろに立つ人の存在があるから。
「少し気持ちが楽になりました」
しゃがんだまま、そう見上げて来る智瑜をやはり黙って義弘は見つめている。
淡い光たちが次々と流れていく水面。
それに照らされる月下美人を纏った智瑜の横顔は、いつもより艶っぽさをはらんでいて。
「……綺麗だな」
景色へか彼女へか、そう静かに呟かれた言の葉は果たして届いただろうか ――
八神 修と七夜 あおいも、笹飾りを持って同時に水面へと離してやる。
「何かお願いしたのかな」
「結局夜空で出来なかったから、エヘッ……しちゃった。叶うかなぁ」
「きっと叶うよ。俺で出来る事なら力貸すし」
「織姫サマや彦星サマより、修くんの方が何でもできそう～って思っちゃうのはなんでかなー」
冗談めかして笑うあおいから、そういえば修くんは？ と聞かれれば『皆の願いが叶いますように』と素直に言葉にした。
修くんらしいね、とコロコロ表情動かす愛らしい人へ、流れていく笹飾りから視線外して真っ直ぐに向かい合えば、修は今夜一番の甘い微笑みを浮かべて。
「え、わ！ ありがとう！？」
「よかったら、改めてお祝いさせてほしいなって思ってるんだけど。
こうして当日に出会えた運命と、あおい自身へ感謝を込めて……言いたくなってしまった」
「改めて？ 充分今の言葉で嬉しいよ？」
「俺が祝いたいんだ。……叶えてくれますか？ 織姫サマ？」
「彦星サマのお願いじゃ叶えてあげたくなっちゃうよ」
「よかった。その時をお楽しみに」
さり気なく言ってみた言葉へ、やっぱりノッてくれたあおい。
織姫、彦星な関係にあやかれれば、天の川へこっそりお礼を述べて。
修は熱い想いと共に彼女と、流れていく笹飾りたちを見つめるのだった。
「うん？ ……やぁ、可愛らしいカップルさんがいるね」
笹流しが行われている川の傍で、綾辻 綾花はさり気なく早川 珪の袖をつまんで引いて、水辺のほとりにこっそり佇む白と灰色の猫二匹を指し示す。
幻想的な光景は、猫さんたちもうっとりするんでしょうか、なんて言葉交わしてから。
綾花は驚かせないように、そっと近づいてミラとテオに声をかけた。
「こんばんは。良かったら、一緒に見てもいいですか？」
「うにゃ～ん☆」
「………にゃ」
隠れて寝ていた所をどうやらミラに見つかったらしいテオからは、胸中渋々といったテイな返事に聞こえたけれど。
気にせず、綾花は珪へと手招きして二人と二匹で、流れていく光たちへ視線を向ける。
―― 事件も無くて、こうしてゆっくりした時間を過ごせるのって何より幸せですね。
今夜何度目かの、珪の横顔をチラリ見上げては、心に灯る恋心ごと大事にこの時間を抱き締める綾花がいるのだった。
樹雨 蓮太朗は竹燈籠を浮かべた。
己の贖罪をつれていってもらう為では無く、隣りの美しい人がどうかこの先明るい道へと進めますように……と願いを込めて。
神嶋 綾瀬は笹船の飾りをみなもへ流した。
儚い想いも、凍えそうな痛みも、その船に乗せるように。
しかし綾瀬は分かっている。
決してこの想いも痛みも、自分の内から消えることはないのだろうということを。
もしもどうにか出来る人がいるならば、それは隣りにいるどこまでも優しい人だけなのだろうと。
例えどうにかなった先が、自分の心を痛めつけるものだったとしても。
互いの切ない思いを込めて、蓮太朗と綾瀬はそれぞれが川の流れを暫し見つめるのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2018年09月22日
- 参加申し込みの期限
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- 2018年09月29日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2018年09月29日 11時00分
