【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆｜リアクション

【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆

「あれーっ、かんなちゃん？」
「こずえおねーちゃん！」

　ゴール後。
　桃井かんなと屋敷野梢が微笑ましく抱擁し合うのを、一歩離れた距離で眺める如月庚と剣崎一心。
　――　も、桃井さんの、あんな笑顔……初めて見た気がするっす……！
　嬉しいような自分だけではまだ見れていなくて複雑なような、そんな眼差しで見つめる一心が、ふと顔あげれば庚と目が合って。
　う……っす！　慌ててお辞儀すれば、庚も首だけ動かして会釈し返す。

「もー、駄目ですよぉ如月君。小学生相手にメンチ切っちゃ」
「……切ってねェ」
「あ！　かんなちゃんたちもご一緒に綿飴食べに行きませんか？」
「……いいのっ？」
「もちろんですー。如月君のオゴリですよ」
「決定事項か」
「そそっ、そんな、もうしわけないっす！」

　遠慮する一心を『いいからいいからー』と押しながら、かんなと手を繋いで楽しそうに歩き出す梢。
　その後ろから庚はもはや諦めた面持ちで、それでもしっかりついて行くのであった。