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【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
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掌の上で、ブドウの房が提灯たちの光を受けて控えめに光るのを、指先で転がすようにして無表情に眺める。
……なんで買っちゃったんだろ。
屋台通りの隅っこに佇む
鬼崎 あやめ
。
祭りに来る前までは、一応笑顔であった己を振り返る。
7月7日。一般的に七夕と呼ばれるこの日は自身の誕生日でもある。
自分も後でこのお祭りに行く予定だと言っていた牡丹お姉ちゃんが、わざわざ時間をつくってくれて義妹と一緒にお祝いしてくれて、
確かに嬉しかった気持ちがあったはず。
けれど。
「……あれからもう一年ですか。時の流れは早いものですね」
言葉にされた瞬間、先程までの気持ちが一瞬で黒く淀んでいく。
最悪な日として。
初恋が破れて大切な人を喪った日として。
去年の七夕ゆかた祭りから、この一年……心の底からの『笑顔』を浮かべる事は出来なかった。
自分にとって、最高と最悪を経験したゆえに。最悪がずっと重りとなって全ての感情を沈ませているようで。
それでも笑顔を『作って』いたのは、それが最愛の人が最期にくれたギフトだったから。
『本当の笑顔』は、『お兄ちゃん』と共に堕ちていったのだと。
……そう、思っていたはずだった。
しかしここ最近の自分は、お兄ちゃんのための唯一だったものを、周囲へ浮かべているのではないかと思う時があった。
自分に呆れる。自分に嫌気がさす。『お兄ちゃんへの想いはそんなものだったのか』と内なるもう一人の自分が責める、叱責してくるのだ。
浴衣の上に揺れるアクアマリンのネックレスに手が触れる。
見る度、思い出す度、このアクアマリンが罪悪感を映し出した。
そんなあまりにアンニュイな想いを抱えたまま、人も物も流れる風景のようにとらえていた瞳。
それがふと、鮮やかな青紫の花を見つけた。
ムスカリのブローチ。
ほとんど無意識にそれを手に取れば、気付けばお金を払って自分の手元に迎え入れていた。
途方に暮れたような表情をして立っていれば、そんなあやめに放たれたと思われる野太い声が耳に届いた。
「あなた何してるの? こんな隅っこで」
「……フジコ先生? どうしてここに……」
「どうしても何も、ってやぁだ、なにその顔色! 元気だけが取り柄のワンコがどうしちゃったのかしら」
「ハ、ハハハー。私いつまで先生の犬なんでしょうか」
「犬にそんな事教えてどうするのよ。で、何してたの?」
「…………すみません、あの、愚痴に少し付き合ってもらえませんか?」
フジコ先生(
富士山 権蔵
)がカールばっちりの睫毛をしぱしぱさせる。
「あたし、今見回り中なのよね」
「あ……そうですか、変な事言ってすみませんでし、」
「どこ行こうとしてんのよ。ほら、来なさい」
「へ? だって先生、見回り中って」
「だからでしょっ。迷子の保護はあたしの役目ってことよ。誰かにおいてかれたような真っ白い顔して」
説明する間もなくグイグイと引いてくれる手。
突然与えられた温もりに、どこか安堵した表情を浮かべるあやめがいた。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
現在の彼女は、無防備とは似て非なる雰囲気であった。
硝子のような美貌と鋭利な切っ先を持つ雰囲気へ、チャレンジャーなナンパ男が普段より少数ながら居たものの、
朝鳥 さゆる
は一瞥すら向ける事せず空気を素通りするように歩き続けた。
屋台が立ち並ぶ通りに入り込めば、気の無い様子でただ勧められるがまま適当につまみ、適当に飲む。
どれもその直後忘れ去られ、心には何の痕跡も残さなかった。
祭り特有の鮮やかな色たちをその瞳に映さぬまま、自動で進んだ先でふと、さゆるの目が一つの彩りを捉え立ち止まった。
ランプの光を反射する硝子細工が店先にランダムに並べられている。
瞳を思わず眇めるも、足はそっとその硝子細工へと近寄っていた。
いくつかある細工たちの中で、さゆるが識別したのは精巧な造りの十字架だった。
「…………!」
それを認めた瞬間、悲鳴に近い声が言葉として象られることなく空気へ混ざった。
鈍い半透明な硝子のロザリオ。
そのデザインを見て、無意識にさゆるの手が胸元へと触れる。
巾着でも袂でも無く、まるで心臓の上に祈りを込めているかのように浴衣の合わさった胸元に、隠れ家の鍵は確かにあった。
今も行方不明である彼、片篠藍人の形見である、握りの部分に小さな銀のロザリオを付けた鍵。
何も感じないはずの心が、微か震える指先で硝子のロザリオへ触れれば途端激しく痛んだ。
気付けばさゆるは、そのロザリオを購入していた。
痛む心を抑えるためだったのか、はたまたその心に押されたのか、そうせずにはいられなかったから。
ロザリオ二つを抱いたさゆるは、祭りの灯りに背を向けた。
何度目かの見知らぬ誰かからの誘いに、それまで意識されなかったモノが浮上し、闇夜の部屋へと誘われる。
いつもの自傷行為めいた情事。
溺れる肉体。溺り切れない心。
まるで己を罰してくれるのを期待するよう、妖艶さを増長させ相手を挑発する。
快楽は苦痛への扉。愛する人の影が横切っては、それを追いかけどこまでも沈んでいく。
何故、対のような硝子のロザリオを手にしてしまったのか、さゆるは自分でも分からない。
ただあれが誰かの手に渡るのが我慢できなかったのかもしれない。
―― 堕ちるなら私と共に……。
ベッドの上でも、血溜まりの中でも、自分は構わないから。一緒であればどこでも構わないから。
夜が濃くなり東の空が淡白くなる頃まで、さゆるはひたすらに扉を求め足掻くのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
102人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月22日
参加申し込みの期限
2018年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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