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【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
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お互いにそれぞれの右手と左手で提灯携えて。
あまり周囲気にする事無くザッザッと歩く足音が、もう片方の静々と足音させていなかったと思えば時折じゃりっと立ち止まる音をさせるのへ、合わせるように動いている。
静々歩いている方、
千堂 結
は月色の瞳を三夜湖へ向けたり提灯へ向けたり、どこか落ち着きが無い。
ちょうちん散歩に繰り出した最初に、『わ、やっぱり暗いね……』とぽつり呟いていたのを思い返せば、きっと怯えているのだろうなと、彼女の歩調に合わせている
鵙海 甫
は微笑ましく眺めていた。
いつもは性格柄、あまりそうした気遣いに疎い甫ではあるけれど、本日の彼女は淡い水色と桃色が散りばめられた清楚な浴衣姿なれば、転ばぬようにさせねばという男心が張り切るというもので。
もう汗ばむような季節になってきたはずなのが、古風で趣ある彼女の姿もあるからか、今夜は不思議とひんやり心地よさを感じる気がした。
とはいえ、そんな可愛らしい彼女がこんな間近にいて且つ暗がり。
もう一つの性格柄たる男心も発動させてしまうのが甫である。
「ねえ結、少し肌寒くない?」
「え? い、言われてみれば……ちょっぴり。……は、甫くん、その、は……離れないでね……!」
言われた言葉に、違う肌寒さがきたのかもしれない。
一瞬肩が上がったと思えば、一緒に提灯持つ距離感の中でもう一歩、結がこちらへ身を寄せたのを見た甫。
―― ふふ、くっついてくれて良いんだぜ。
怖がらせたいわけでは無いけれど、ついつい可愛がりたい頼られたいという気持ちに正直になったり。
「暗いのが怖いってわけじゃないんだけど、その。一人だと心細いっていうか……その、あの、ね!」
彼へと身を寄せた言い訳を、思わずあわあわと必死に口にする結。
ああちくしょうかわいいっ。
言い訳など必要ないのに。
周囲にほとんど人の気配が無いゆえ、甫は何度も抱き寄せてしまいそうになる衝動と戦う羽目になった。
ほぼ自業自得なのだが、幸せだから良いのである。
夜にこういうところってあまり来ないから、ちょっと新鮮な気分……。
最初の内は好奇心も働いて、提灯や竹燈籠の光にぼんやりと映し出される木々や、湖の姿へ視線をやっていた結だったが。
―― で、でも……やっぱり暗いから怖い……!!
ただでさえ曇り空。星や月明りを頼ることが出来ないとなれば、暗闇は一層自分を取り囲んでいる気がして。
孤独に襲われそうになるのを、思わずすぐ隣りに在る温もりに縋った。
彼の腕を、ひしっと掴んでしまったのを数秒遅れて自覚する。
「あ、わわ、ご、ごめん……! めっ、迷惑だったら、言ってね!」
「全然」
結の言葉にほぼ被るように甫の声が重なった。
内心ガッツポーズしている彼が居ることなどトンと知る由も無く、自分を誤魔化すように結は続ける。
「灯りがあるから大丈夫って思ってたけど、なんで所々ないんだろう……っ!
で、でも……甫くんとなら、怖いのも怖くなくなっちゃうから……えへへ……」
もういっそ抱き締めようか?
甫、真顔になる。
喉まで出かかった言葉を頑張って飲み込もうとしているその耳に、『って、わ、私、相当変なこと言ってるよね、ごめんね……!』なんて慌てる彼女の声が続いた。
優しい結。
怖いのは自分であろうに、最後はいつも人の事を気遣う結。
お前がそう言うなら、いつだって傍に居て全ての怖いものから守るから。
もう二度と、自分を失ってしまうあんな恐怖を抱え込ませたりしたくないから。
強がって笑う彼女の姿が、今の彼女と重なって見えて。
何も出来ないかもしれない自分に、無力や怒りを感じる事はどうしてもあるけれど。
守りたい。この気持ちは本当だから。
甫はおろおろとまだ何か紡いでいる結へ、にっこりと微笑んで見せた。
力んでいた彼女の肩から、その瞬間力が抜けていくのが分かる。
―― すごく怖い、って感じたのは雰囲気補正……だったのかな……
そうだよね、甫くんが今隣りに居てくれるんだから。
結の瞳が細められ、いつもの笑顔が返された。
漸くいつもの二人の空気になったかと思いきや。
真っ暗闇になってきた頃また淡く見えて来たはずの竹燈籠が、一向に見えなくなったのに気付く。
折角笑顔浮かべた結の表情に、再び陰りが落ちそうになるのを甫は努めて明るい声を掛けてやる。
「大丈夫だって、落ち着いて次の灯りを探そうぜ」
「う、うん!」
しかしやはり見えてこない光。
あれ、おかしいな。こんな道だったっけ?
今まで歩いて来た道の感じと、微妙に周囲の景色が違って見えてくれば甫の心にも不安は訪れる。
だってこの島はよく不思議なことが起きるから。
自分だけならまだいい。だがもしも、彼女にまた何か危害が加わるような現象が起きたら……。
そう考えるだけで、自分の心に生まれる恐怖を感じては、振り払うように次の一歩を踏み出す。
提灯よりも更にしっかりと、甫の腕に抱き付くように掴まる結。彼女の存在こそがその勇気をくれる。
いよいよ迷子かもしれない。そう二人が実感し始めた頃。
モコモコモコ。
一気に非日常感が強くなったような、なんだかすごく暢気な動きで降りて来る雲の存在を視界にとらえた。
茶と黄の双眸が驚いた色を浮かべるも、どうしてか二人にはその雲が悪いものには感じられなかった。
それを証明するかのように、雲は二人の目の前までやって来るとその形を大きな猫へと変えていく。
背中を差し出してじっと待つ仕草で。
「乗れって言ってるのかな」
「甫くん……どうしよっか……」
「結はどう思う?」
「え? わ、私は……甫くんと一緒なら、ちょっと、乗ってみたいかもって、思っちゃって……」
「うん。俺も同じ」
恐る恐る紡いだ結は、甫の言葉にホッと安堵の微笑みを向ける。
にっこりと笑顔を交わし合えば、提灯をお互いに握り直しながら猫の背へと乗り込んだ。
「わっ」
「わ、わ……!!」
待っていたように夜空へ飛び出す猫雲に連れられて。
バランス崩しそうになった結を甫がしっかりと支えながら、為されるがままにしていれば
やがて二人は星が煌めく夜空の中を飛行していた。
「はは、すっげぇ!」
「は、はは、はっ、甫くんっっ」
前者、感激した笑い声。
後者、どぎまぎと名前呼ぼうと繰り返した発音。
前者が満天の星たちに興奮して、後者に抱き付いてきた状況であったりする。
前者な甫の腕の中で、結も改めてキラキラと語り掛けて来る天の川を見つめた。
視界の全てでまたたきを繰り返す小さな星たち。
今だけ、今だけは、時折心の奥から顔を覗かせる不安とか、自信の無さとかを忘れてしまえる気がした。
「……きれい……甫くんと、こんな素敵な星空見れてよかった……」
「俺もだぜ。こういう不思議なことばっかなら、歓迎なんだけどなー」
「ふふ、そうだね」
一度見つめ合ってから、また夜空を見上げる。
―― こんな時間がずっと続きますように。
楽しそうに嬉しそうに結を抱く甫、
与えられる温もりに幸せなあまり、月色滲ませる結、
二人の心が、同じ願い事を同時に天の川へと囁くのだった。
≪⇒ P.20もちょっぴり…☆ ⇒≫
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
102人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月22日
参加申し込みの期限
2018年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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