『うさぎ屋』でお好み焼き食べよう！｜リアクション

『うさぎ屋』でお好み焼き食べよう！

●小腹を満たそう

「ふぅ、今日の授業は疲れたぜー」

　水守流は学校を出ると大きく息を吐いた。

「俺インドア系だから体育の授業は苦手なんだよなぁ……。あー、動いた分腹が減った……何か食ってから帰るか」

　頭のなかで食べ物の候補がぐるぐる回っている。するとどこからか美味しそうな匂いが流れてきた。

「お、この香ばしいソースの香り……お好み焼き屋か！　お好み焼きといや牛瀬先生のとこでやったお好み焼きパーティーは楽しかったなぁ……」

　楽しかった思い出を振り返りながら、匂いの発信源を探すとお好み焼きの店・『うさぎ屋』にたどり着いた。

「よし、ここで食ってくとすっか！」

　店ののれんをくぐるとテーブル席へ座り、さっそくメニューを眺める。

「えーっとメニューは……お、焼きそばもあるのか、そっちもいいねぇ」

　どれも美味しそうで目移りしてしまい、少し考え込む。

「よし！　ここは王道の豚玉で飲み物は寝子島サイダー、これで決まりだぜ！」

　注文を店員に伝えたら、カウンター近くの冷蔵庫から寝子島サイダーを取り出す。ふたを開けてグラスに注ぐとしゅわしゅわと爽やかな音が聞こえる。
　それを一口飲むと体育で疲れた体に心地よく染み渡る。そして待つこと数分、豚玉の生地が流のまえに置かれた。

「さーて、それじゃ焼くか！　えっと、牛瀬先生のとこで教わったひっくり返すコツを思い出してっと……」

　鉄板に生地を広げ、形を整えたらその上に豚肉を乗せる。そして片面が焼けてきたところで両手にヘラを構えて、生地の下に滑り込ませる。
　いざひっくり返そうとすると緊張が走る。

「とう！」

　掛け声と同時にヘラを持ち上げると、お好み焼きがくるんと空中で半回転。乗せた具材が散らばることなく綺麗に鉄板に着地した。

「お、上手くいった！　へへ、久しぶりだから不安だったけど、やっぱり上手くいくとうれしいもんだな！」

　嬉しそうにお好み焼きを眺める流。片側もいい具合に焼けてきて最後の仕上げを残すのみ。

「よーし、よく焼けたしソースをたっぷりかけて……完成！」

　店に来る前に感じた香ばしいソースの香りがいま目の前に広がっている。ほかほかのお好み焼きはとても美味しそうだ。

「お好み焼きってこうやって作る過程を楽しめるのいいよな！　そんじゃいただきまーす！」

　適当な大きさに切って食べてみると、パリッとした表面の感触とふっくらとした生地の弾力が感じられる。そこに豚肉の旨みとソースの味が相まってとても美味しく仕上がっている。

「うんうん、美味い！　自分で作ったって感じがまた味をよくしてくれるぜ」

　そしてお好み焼きを楽しみながら寝子島サイダーを一口飲む。ソースの濃さに対して炭酸がほどよくマッチしている。

「このソース味に寝子島サイダーの炭酸しゅわっと感がたまらねぇ」

　これは無限に食べられるとばかりにお好み焼きとサイダーを口に運ぶ。夢中で食べるうちに、材料の器が空になった。

「ぷはー！　食った食った！　値段も手ごろだし今度はダチ誘ってきてみるかな！」

　流は満足した様子で店を後にした。