【星幽塔】第八階層　ヒカリグモの糸～ドレス作るよ！｜リアクション

【星幽塔】第八階層　ヒカリグモの糸～ドレス作るよ！

☆盗賊出現！

　夏朝は、岩壁を見て首をひねる。
「何かありそうだけど……開かない。向こうから一方通行なのかも？」
「確かにこちらに来たはずだ……近くにほかの巣があるのか？」
　修は洞窟の入り口に戻りあたりを見回す。
　入り口で何かしていた亮が慌てて言う。
「あ、気をつけてくれ」
　足元を見て、何かに目を留めた修はその場所を避けた。
「なるほど、戻ってくるかもしれないな」
　顔を上げた修は、少し先に不自然な木陰を見つけた。　
「あれは……人工的なものだな。恵御納、来てくれ」
　修と夏朝は、もう一つの入り口を見つけた。
　罠に気をつけつつ近づくが。
「！」
　盗賊らしい男がいた。
　こちらに気づいてナイフを取り出す。
　夏朝は肉球型戦輪を構え、振回して攻撃を避ける。
　修がすかさず弓を構え、矢を放った。
　盗賊のナイフが吹き飛ばされる！
　洞窟へ駆け出した盗賊へ夏朝がねこシールを飛ばし、ろっこん『重く軽く』で目一杯重くした。
「な、なんだ？」
　動けなくなった敵にそのまま戦輪のワイヤーを巻き付け、拘束する。
「仲間はどこだ？」
　ロープで縛りながら修が尋ねると。
「む、向こうの洞窟に……通路がつながってる」　
　観念した盗賊は白状した。　

　夢中で糸を集めていた甘桃は、周囲に人がいなくなっていることに気づかなかった。
「よし、ここでやるか」
　野太い声に気づいた時には、さっきとは別のヒカリグモを抱えた見慣れない男たちの姿があった。
（って、とーぞくさんが来ちゃった！）
　幸いしゃがんでる甘桃には気づいていないようだが。
（何するんだろう？）
　二人の盗賊たちは、ヒカリグモを押さえ込んでいた。
　ヒカリグモはプルプル身を震わせ、怯えているようだ。
　一人がギラリと光るナイフを取り出した。
（まさか）
　悪い予感が当たり、男はナイフをクモに向かって振り下ろす！
「やめてーっ！　クモさんいじめるの、だめっ！」
　怖いと思っていたはずななのに、甘桃は思わず声を上げていた。
「そこまでだ、ヒカリグモは傷つけさせない！」
　声と同時に、光の速さで刀が日本刀で盗賊のナイフを弾き飛ばした。
「ぐわっ？！」
　次の瞬間には盗賊に蹴りを叩き込んで蜘蛛から遠ざけている。
　相手の死角へ回り込むように動きながら、急所へ鞘に入ったままの日本刀の斬撃を叩き込んだ。
「ぐえっ」
　狙い通り盗賊は気絶した。
（直ぐにロープで縛り上げる事は出来ないからな）
　倒れた後に足を掴むなどされないよう、確実に気絶させる必要があった。
　刀の派手な立ち回りで、盗賊たちは気勢を削がれている。
「大丈夫、守るから！」
　アリスは優しくヒカリグモに言うと、盗賊たちに向き直った。
「大人しくて可愛いクモを刺そうとするなんて許せない！　今後、近づかないようにお灸をすえてあげなくちゃね」
　可愛らしい笑顔だが目が笑っていない。
「バリアです」　
　ペルラは腕のブレスレット『アストラルバリア』に星の力を込め、自分とヒカリグモの周囲に球体のバリアを張る。
「な、なんだてめえら！」
　奥からさらに新手の盗賊が現れた。
　一人の盗賊はは、グレイスのつけている宝石に目を留めた。
（あれを奪えればクモは諦めても悪くねえ）
　次の瞬間、グレイスは水球を盗賊の顔に飛ばした。
「ウボアッ……」
　息ができずもがく盗賊。
魔水の光は妖精剣の力で増幅されている。

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