【星幽塔】第八階層　ヒカリグモの糸～ドレス作るよ！｜リアクション

【星幽塔】第八階層　ヒカリグモの糸～ドレス作るよ！

☆道標を辿って

　森の中。
　道標を追いつつ、一行は自然といくつかのグループに分かれていた。
「……あった！」
　夏朝は罠が仕掛けられてないか警戒しながら慎重に進む。
　草むらに仕掛けられていた綱をナイフで切る。
「複数の足跡がある。ここで間違いなさそうだ」
　修は地面の様子も目安に進んでいる。
「自然には法則と必然がある」
　ある筈の枝がないことに気づいた修はぴんと来た。
（枝の屈伸を利用しての罠か）
　そう思ってよく見れば、近くに紐で引っ張られた枝の罠を見つけた。
「ここに枝の罠があるから気をつけろ」
　地図にしっかりチェックをする。
「わかった、任せて」
　罠は夏朝が解除してくれた。
「こっちの枝葉は腐敗進度が不自然だな」
　つまり自然のものではなく、後から仕掛けられたということだ。
「こっちは落とし穴だ！」
「流石だね……盗人の光を使ってないのに」
「このくらいは知識で見極められるのさ。……ん、あれは」
　修は前を行く後姿を見つけた。
（盗賊か？）
　夏朝に目配せする。そのまま気付かれないよう距離をあけ追跡することにした。
　道すがら幹に×と矢印をつけ仲間に周知する。

「こっちにはないよ。あっちかな？」
　アリスは背中の羽で飛びながら、ヒカリグモの居ない巣を探していた。
「こっちにもないね」
　下を歩くフォルカと連携している。フォルカの隣では亮が罠に警戒していた。
（弱みを見せたくないから、俺が虫が苦手だって事は仲間に黙っていよう）
　と思っている。
　罠を警戒しつつ、刀も近くを進む。
「飛べますが、疲れるので……」
　とりあえず、落とし穴とかロープとかに注意して歩くペルラ。
　その傍には甘桃と水上桜がいる。
「ピクニックみたい」
　上機嫌の甘桃のそばで、桜は周囲を警戒していた。
　修が書いた印に気づく。
「この印……盗賊がいるってこと？　気をつけて進もう」
　
（手伝うとは言ったものの、俺は戦闘向きじゃねえんだよな……。こんな武器使ったことねえし、星の力もなんか使いづらそうなのだし……）
　少し離れて、大鎌を手に歩くレオンはそんなことを思っている。
　鋭い眼光で不良と誤解されがちだが、レオンは怖いものが苦手な真面目な青年なのだ。
「まあそんなワケで、俺は主に糸の採取を手伝わせてもらうぞ」
　グレイスはそこから少し離れたところで、青い薔薇の装飾が施されたとても優美なデザインの妖精剣『ヴィヴィアン』から水球を生み出していた。
　胸元と髪には宝石の飾りをつけている。
（宝石に釣られて向こうからやってくるかしら）
　地面や木々に罠が仕掛けられてないか注意しつつ。
「一応此処は向こうのテリトリーのようですし」
　気になる場所に水球を飛ばせば、罠が無事解除された。
　

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