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心の刃を胸に抱き
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◆
深夜の九夜山の森の中を、
サキリ・デイジーカッター
は一人歩いていた。
ざわつく胸を時々抑えながら、周囲を確かめるように一歩一歩踏みしめる。
あたりには嫌な気配が立ち込めていて、それには何故か覚えがある。だから、ナイフを持つ手には自然と力がこもっていて、そして動けたのはそのおかげだった。
エメラルドグリーンの光を宿した影が、前触れもなく木々の向こうから顔を出す。
身構える間もなく影が放った礫を、『斬空赤刃』で回避し、そのまま肉迫。
赤光を纏うナイフの一閃は、しかし空を切った。エメラルドの軌跡が、枝葉の陰へと紛れて消える。
その姿はどこか朧で捉えきれず、だからサキリは、「影を捉えるもの」を求めた。
その時、サキリの目の前に翡翠の光が溢れ出る。
吸い寄せられるように掴み取ったそれは、蛇腹剣。星幽塔でのメインウェポンと同じ形状、同じ重さ。けれど、そちらとは違う翡翠色の光を帯びていた。
(この光なら!)
蛇腹剣の輝きが照らし出した影の姿に、サキリの息が詰まる。
嫌な気配の既視感も、胸騒ぎの訳も理解ができた。
翡翠色の光に照らされたそいつは、滅びたはずのカラスの姿をしていたから。
「まさか、クローネ!?」
影は答えない。けれどいかにもひねた感じに歪めたその瞳が、それを肯定しているように思えた。
左手にナイフを、右手に蛇腹剣を構えたサキリの瞳が、細く鋭く研ぎ澄まされる。
なんにせよ、再び奴が現れたのなら討伐するのみ。
それに、心の何処かが熱を帯びはじめていた。
今の寝子島に、あれ程の脅威はいない。それが少し、寂しかったのかもしれない。
だから、その時。
「行くぞ、クローネ……ッ!」
彼が笑っていたのは、歓喜の故なのだと思う。
『斬空赤刃』――赤い瞳が、夜に踊る。
樹皮が千切れ飛ぶほどに強く幹を蹴り、手近な枝へ跳ぶ。
クローネが礫を――ろっこんを暴走させるあの羽根を、矢衾の如くサキリへ放つ。
枝を蹴る瞬間に再転移、クローネから見て斜め下の枝へと跳躍。蛇腹剣を変形、鞭と化した赤刃を振るえば、灼熱する傷痕が木々へ刻まれる。
夜闇の中に、墨を流すような軌跡が一筋。
ナイフには遠すぎ、鞭には近すぎる間合いに影が舞う。
弾幕じみて放たれる羽根を、ナイフで切り払うと同時に転移。背後へと回り込み、振りかぶる勢いで鞭を剣へと戻し一閃。
クローネがカラスよりはむしろ猛禽じみた宙返りでかわせば、その軌道に重ねるようにナイフを投擲。
すんでに放たれた羽根が軌道を逸し、クローネの風切羽を掠める。
その時、彼女の矮躯が確かに揺らいだ。
再転移、側面へと回り込む。蛇腹剣を再び鞭へと変形させ、一閃に重ねてナイフを放つ。
クローネが、嗤った気がした。
とん、と。胸元で軽いが音が一つ。痛みはなく、代わりにそこに在るのは一本の羽根。
ろっこんを暴走させる、クローネの羽根だ。
『斬空赤刃』、暴走。
サキリの身体が、癇癪を起こした子供に振り回されるが如く、幹へ、枝へ、地面へ、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も叩きつけられては跳ね回る。
ようやく暴走が止まった時、サキリの全身は土と傷と血に塗れていた。肺の中身も空っぽになり、呼吸の代わりに吐き出されるのは、鉄臭く赤黒いものばかり。
クローネが、木々の闇を背にサキリを見下ろしている。とどめを差すでもなく、その瞳を愉悦に歪めながら。
――そうやって。
その姿を見上げたサキリは、彼女の背後に見た。木々の隙間から覗く、月光を。
「人を舐めているから滅ぶんだ!」
倒れたまま、痛む手で蛇腹剣を握りしめ――『斬空赤刃』、発動。
クローネよりも高く、月を背負うようにサキリは跳んだ。赤光を帯びた蛇腹剣が、月を受けて眩く輝く。
その光は影を弱らせるには遠く、けれどクローネの視界を奪うには充分。
よろめくカラスへ、サキリはありったけのナイフを投げつけ――剣を一閃。クローネが逃げれば、鞭へと変じて矮躯を捉える。
次の刹那、赤光の斬撃とナイフの雨が、クローネを斬り裂いていた。
その亡骸が溶けるように消えていくのを見て、サキリは「やはり」と呟く。
こいつは偽物だったが……本物の奴は、本当に滅んだのだろうか?
奴が炎の中に落ちて滅んだとは、思い難くて。
本物の奴がまた現れる――そんな日が、いつかくることもあるのかもしれない。
◆
どれほど戦い続けただろうか。
新たな光源を探して辞書を手繰る修は、地平線から漏れ出す光を見た。
「やった、朝だ……俺たち、あの影に勝ったんだ!」
幸次の声に応えるように、また少し光が強くなったような気がした。
朝が、訪れようとしている。
「影は!?」
どこかへ撤退するのか、消えるのか。前者なら、奴らの帰還場所を突き止めなければ――。
弾かれたように振り返った修が見たのは、それこそ吸血鬼が灰になるように、サラサラと消滅していく影の姿だった。
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あとがき
担当マスター:
風雅宿
ファンレターはマスターページから!
影との戦い、如何でしたでしょうか。
最初からそう意図していたわけではないのですが、一連の流れに注力した結果、
ほぼほぼソロでのバトル重点のリアクションと相成りました。
お楽しみいただけのでしたら、幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月28日
参加申し込みの期限
2018年09月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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