【星幽塔】第八階層　落書幽霊事件｜リアクション

【星幽塔】第八階層　落書幽霊事件

序：真相に迫るために

　――第八階層・城下町　紅玉区

　エイロス・レヴィは、集まった冒険者たちに「集まってくれて、ありがとう」と頭を下げる。冒険者たちは、彼らから聞いた話にそれぞれいろいろな表情を浮かべた。
「んー……私ではないよ？」
「あぁ、それは知っているよ」
　のんびりと旅鴉月詠が言えば、傍らにいたサキリ・デイジーカッターがうなずく。月詠を知っている恵御納夏朝や響タルト、八神修もまたうんうん、と頷いた。
「俺は落書きを見て、ちょうどここにいたエイロスに問いかけた訳だが……、なるべく穏便に事を運びたいな」
　修が考えながらそう言えば、タルトはポニーテールを揺らしながらちかくにあった猫っぽい落書きをみていた。
「僕も絵は好きだから親近感あるなー。落書きはアートだよ！　いい絵なら消さなくてもいいんじゃない？　僕はかわいいとおもうけどなぁ」
「うーん、紅玉区の住人たちは消えないならこれでもいい、という人が多い。だが、緑玉区の住人達は困っているようだ。街区の風景が乱れる、と」
　エイロスの言葉に、タルトは「むずかしいねぇ」と表情を曇らせる。
「不気味な落書きとすすり泣く幽霊、この二つの事件はきっと関係があるに違いないです！」
　と、両手をぎゅっ、と握りしめたリリエル・エーテライト。彼女は「あ、今名探偵みたいでした！」と顔をほころばせるのを穏やかな笑みでみていたティオレ・ユリウェイスだが、内心ではため息をついていた。
　あんまりこういうことに関わりたくないのだが、解決しなければ商売あがったりなのである（踊り子としても、盗賊としても）。
「幽霊と落書……どんな繋がりがあるのだろう？」
「ともかく、今までエイロスさんたち騎士団があつめた情報をもとに、調べていこうよ」
　ティオレの言葉に相槌をうちつつ、夏朝の提案でさっそく調査を開始した。

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