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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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【星幽塔】第八階層 落書幽霊事件
――その少し前。
「見事にばらけたな……」
修は、絵が描かれた場所を地図に記し、ため息を吐いた。緑玉区と紅玉区に落書きと幽霊の目撃証言があり、黒玉区は幽霊の目撃証言のみ、青玉区と黄玉区にはどちらもない、という状態だった。
「……これぐらいかな」
地図を見た限りでは、おおまかな事件現場が『緑玉区と紅玉区』という事と、『緑玉区と紅玉区、交互に出現している』『黒玉区に幽霊が出るのは紅玉区に出現した後』という事だった。
修はその情報をもう一度読み込み、ふと、考える。
（前回出現したのは、緑玉区。ということは……次は紅玉区か）
ちらり、と周囲を見渡した修は落書きをスケッチしたものを片手に黒玉区へと向かった。
ちょうどその頃、リリエルもまた黒玉区に来ていた。彼女の目的は、『アイテムを売り込もうとした職人』である。
（謎解きと言えば情報整理がお約束らしいです、集まってる情報で気になるものは……この１件）
幽霊は緑玉区の貴族のお嬢様にそっくりで、黒玉区には落書きの被害が出ていない。そこでリリエルは『その人物が売り込もうとしたアイテムを【幻視の光】をつかってみたら事件の真実が分かるのでは？』と考えたのだ。
「ますます推理小説っぽくなってきました！ この調子で謎解きをがんばリリエルです！」
両手を握りしめて気合を入れるリリエル。彼女は勇んで黒玉区へと足を踏み入れた。そこで出くわしたのが修である。
「エーテライトもここに来たのか……」
「はいっ！ 緑玉区の貴族にアイテムを売り込もうとした職人さんを探しているんです！」
と、修に自分の推理を語るリリエル。それを聞いて、彼は少し考えながら「やってみる価値はあるかもしれない」と小さく呟いた。
――現在。
事情を聞いたサキリとタルトは、モートンの様子を伺う。と、モートンは少しためらいながらも、懐から瓶を取り出した。
「これが、クララに渡そうとした絵具の試作品です」
それを両手で受け取ったリリエルは、「失礼します」と一礼してから瞳を閉ざす。呼吸を整えて、星のちから・幻影の光を発動させると……、彼女の脳裏に、モートンと金髪の少女が浮かび上がった。
「ねぇ、モートン！ こういう絵具ないかしら？」
碧の瞳を輝かせたクララが、『乾いたら水を弾く絵具』について語りだす。モートンは「おもしろそう！」と興味を持ち、２人はあれこれと実験を始めた。
モートンは色とりどりの絵の具を作る際、色々と材料を加えてみる。そうしながら許可を得て壁に描き、水をかけては実験している。
クララと共に作業に励むモートンは、とても幸せそうで、幼い２人は、それを使って人々を驚かそう、と考えていた。
だが、いつしかモートン一人で絵具を作っていた。クララは病に倒れ、屋敷から出られなくなっていたのだ。
ようやく絵の具の試作品が完成した時、クララの両足はすでに水晶となっていた。モートンは絵の具の試作品を屋敷へもっていくも、クララの父親から追い出されてしまった。何度もクララに会おうと屋敷を訪ねたモートンだったが、クララの父親によって追い出され、二度と緑玉区へ来るな、と言われてしまった。最後に訪れた時。既にクララはこの世を去っていた。
――クララ、君の願いを僕は叶えるよ。
（……）
リリエルは、その場に立ち尽くし涙を堪える。タルトが彼女にハンカチを渡すと、そっと問いかける。
「話せる？ そんなに、悲しい事だったの？」
「……それでも、お話しなくてはなりません」
リリエルはタルトにこたえると、モートンに絵の具の瓶を渡して礼を述べる。そして、４人は少し離れたカフェへと場所を移した。
星の力を使って見た彼の記憶や思いを、リリエルは涙を堪えながら少しずつ話す。それらをすべて聞いたサキリ達はしばらくの間黙り込んだ。
「これって……なんか胸がキュンッ、とするね」
タルトが少し頬を赤く染めながら呟く。だが、サキリは僅かにため息をついてこめかみを揉んだ。
「可能性として、落書きの犯人はモートンかもしれないね。だが、幽霊がつながらない。その幽霊＝亡くなったクララ嬢なのかな？」
「流れとしては、そうだろう。……だが、この目で確かめないといけないな」
修の言葉に、サキリとタルトが頷く。リリエルは影響を受けてしまったのか、何度も深呼吸を整えて、心の整理をつけようとしていた。その様子に、サキリは少し心配になる。
「エーテライト、無理をしなくていい」
「でも、最後まで追いかけます！ 名探偵は、最後まで諦めないものだと思いますから！」
サキリの言葉に、リリエルは首を振った。
「見事にばらけたな……」
修は、絵が描かれた場所を地図に記し、ため息を吐いた。緑玉区と紅玉区に落書きと幽霊の目撃証言があり、黒玉区は幽霊の目撃証言のみ、青玉区と黄玉区にはどちらもない、という状態だった。
「……これぐらいかな」
地図を見た限りでは、おおまかな事件現場が『緑玉区と紅玉区』という事と、『緑玉区と紅玉区、交互に出現している』『黒玉区に幽霊が出るのは紅玉区に出現した後』という事だった。
修はその情報をもう一度読み込み、ふと、考える。
（前回出現したのは、緑玉区。ということは……次は紅玉区か）
ちらり、と周囲を見渡した修は落書きをスケッチしたものを片手に黒玉区へと向かった。
ちょうどその頃、リリエルもまた黒玉区に来ていた。彼女の目的は、『アイテムを売り込もうとした職人』である。
（謎解きと言えば情報整理がお約束らしいです、集まってる情報で気になるものは……この１件）
幽霊は緑玉区の貴族のお嬢様にそっくりで、黒玉区には落書きの被害が出ていない。そこでリリエルは『その人物が売り込もうとしたアイテムを【幻視の光】をつかってみたら事件の真実が分かるのでは？』と考えたのだ。
「ますます推理小説っぽくなってきました！ この調子で謎解きをがんばリリエルです！」
両手を握りしめて気合を入れるリリエル。彼女は勇んで黒玉区へと足を踏み入れた。そこで出くわしたのが修である。
「エーテライトもここに来たのか……」
「はいっ！ 緑玉区の貴族にアイテムを売り込もうとした職人さんを探しているんです！」
と、修に自分の推理を語るリリエル。それを聞いて、彼は少し考えながら「やってみる価値はあるかもしれない」と小さく呟いた。
――現在。
事情を聞いたサキリとタルトは、モートンの様子を伺う。と、モートンは少しためらいながらも、懐から瓶を取り出した。
「これが、クララに渡そうとした絵具の試作品です」
それを両手で受け取ったリリエルは、「失礼します」と一礼してから瞳を閉ざす。呼吸を整えて、星のちから・幻影の光を発動させると……、彼女の脳裏に、モートンと金髪の少女が浮かび上がった。
「ねぇ、モートン！ こういう絵具ないかしら？」
碧の瞳を輝かせたクララが、『乾いたら水を弾く絵具』について語りだす。モートンは「おもしろそう！」と興味を持ち、２人はあれこれと実験を始めた。
モートンは色とりどりの絵の具を作る際、色々と材料を加えてみる。そうしながら許可を得て壁に描き、水をかけては実験している。
クララと共に作業に励むモートンは、とても幸せそうで、幼い２人は、それを使って人々を驚かそう、と考えていた。
だが、いつしかモートン一人で絵具を作っていた。クララは病に倒れ、屋敷から出られなくなっていたのだ。
ようやく絵の具の試作品が完成した時、クララの両足はすでに水晶となっていた。モートンは絵の具の試作品を屋敷へもっていくも、クララの父親から追い出されてしまった。何度もクララに会おうと屋敷を訪ねたモートンだったが、クララの父親によって追い出され、二度と緑玉区へ来るな、と言われてしまった。最後に訪れた時。既にクララはこの世を去っていた。
――クララ、君の願いを僕は叶えるよ。
（……）
リリエルは、その場に立ち尽くし涙を堪える。タルトが彼女にハンカチを渡すと、そっと問いかける。
「話せる？ そんなに、悲しい事だったの？」
「……それでも、お話しなくてはなりません」
リリエルはタルトにこたえると、モートンに絵の具の瓶を渡して礼を述べる。そして、４人は少し離れたカフェへと場所を移した。
星の力を使って見た彼の記憶や思いを、リリエルは涙を堪えながら少しずつ話す。それらをすべて聞いたサキリ達はしばらくの間黙り込んだ。
「これって……なんか胸がキュンッ、とするね」
タルトが少し頬を赤く染めながら呟く。だが、サキリは僅かにため息をついてこめかみを揉んだ。
「可能性として、落書きの犯人はモートンかもしれないね。だが、幽霊がつながらない。その幽霊＝亡くなったクララ嬢なのかな？」
「流れとしては、そうだろう。……だが、この目で確かめないといけないな」
修の言葉に、サキリとタルトが頷く。リリエルは影響を受けてしまったのか、何度も深呼吸を整えて、心の整理をつけようとしていた。その様子に、サキリは少し心配になる。
「エーテライト、無理をしなくていい」
「でも、最後まで追いかけます！ 名探偵は、最後まで諦めないものだと思いますから！」
サキリの言葉に、リリエルは首を振った。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2018年09月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2018年09月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2018年09月08日 11時00分
