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【星幽塔】第八階層 落書幽霊事件
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「それは、クララが望んだことなのかい?」
「クララも、寝台の上で言っていた。自分が死んで、忘れられるのが怖いって。だから、僕はクララの絵を、残したかった!」
モートンが、ぎゅっ、と筆を握ったまま言い放つ。モートンが放つ無言の慟哭に、だれもが気圧される。だが、ただ一人……月詠だけが首を振った。
「本当にクララ嬢が望んでいるのならば……なぜ、ここにいる彼女は泣いているんだい?」
「「……?!」」
月詠の言葉に、全員が耳を疑う。だが、月詠の背後から、確かに一人の少女が姿を現した。半透明で、ふわふわとしたドレスを纏った、12、3歳ほどの少女が泣きながらそこにいた。
「く、クララ……」
その少女を見たモートンが、目を見開き、やがて大粒の涙を流しながら少女に縋ろうとする。だが、その腕は空を切った。
〈モートン、私は忘れられるのが、怖かった。けれど……こんな事しなくてもよかったよ。私は、貴方に覚えてもらえていたら、それでよかったのだから〉
クララは、地面から顔を上げ、涙でぐしゃぐしゃになった顔を拭うモートンにそう言った。リリエルがモートンに手を伸ばすと、彼はそれを払って立ち上がる。
「クララさんが泣いていたのは、この事を望んでいないとあなたに伝えるためだったようですね」
リリエルの言葉に、モートンは愕然となりクララを見る。彼女は、ただ静かに頷き、モートンを見つめる。
「この事件、落書きの犯人と幽霊は別だった訳だな……」
複雑な心境を抱きながらサキリが呟けば、タルトが一歩踏み出した。
「僕は、クララちゃんの絵、好きだな。モートン君がみんなに忘れないでほしいって思ってさ、思わず描いちゃうのもわかるよ。よかったら、お絵かき仲間にならない?」
その申し出に、モートンとクララは「えっ?!」と思わず声に出してしまう。勿論、それは月詠を除く全員も同じである。
「建物に描いちゃうのがいけないんであって、出版物ならOKじゃないかなーって。あ、僕は第一階層の『ブラック・リキッド』って店で画材を扱ってるんだ♪」
よかったら、どう? と提案するタルト。それに、修、サキリ、夏朝は「確かにそうだ」と頷き合う。
「どうだい? 僕は面白いと思うけどね」
月詠がそう言っている間に、エイロスも到着する。彼はティオレから話を聞き、静かに目を細める。モートンは黙っていたが、ややあってクララと頷き合い、「僕が犯人です」と自ら口にした。
「あの、エイロスさん。これからモートン君はどうなるの?」
夏朝がおずおずと問いかけると、エイロスはうーん、と考えた。
「被害は基本落書きだからね……。紅玉区の人々は消えなくても平気みたいだが、緑玉区の人々は街の景観が損なわれる、と怒っていたよ」
それを聞いたモートンはひどく落ち込んだ表情で身を縮こまらせたが、ややあって口を開いた。
「ともかく、すべては法に照らし合わせて裁かれることになる。けど、そこまで大変な事にはならないと思うよ」
その言葉に、一同は少しだけ安堵の息を吐く。
「原因が、原因だ。情状酌量があると俺は思いたいよ」
修の言葉に、エイロスはこくり、と頷いた。
それからしばらくして、モートンへの裁きが下された。それは……、緑玉区の絵を消し、緑玉区、紅玉区の人々に謝罪する事であった。紅玉区の方は人々が落書きについて気に入っており、「クララの絵を残したかったのならば」と落書きをそのまま保存することを選んだそうな。
ほどなくして、モートンは自分で作った絵の具に合わせた絵具落としを開発し、緑玉区の落書きを消す作業を行った。
「これで、いいのか?」
「いいらしい。なんでも、クララの父親が掛け合ったそうだ」
その様子を見ていたティオレの呟きに、エイロスから話を聞いたサキリが答える。彼の傍では、幽霊の少女・クララが応援し、リリエルと夏朝が手伝っている。
「これはこれで、いい解決になったと思うよ」
と、月詠が穏やかな顔で掃除に励むモートンの横顔を見て頷く。彼女の手には、共に絵を描くモートンとクララの姿が描かれたスケッチブックがあった。
それから、緑玉区の落書きをすべて消したモートンは、時折第一階層にあるタルトのお店を訪ね、クララと共に描いた漫画を印刷するようになった。
「ねぇ、どんなジャンルが好き? 王宮モノとか、ロマンスとか好きなのかな?」
〈私は、恋愛ものも好きだけど……ほのぼのとした話も好きです〉
「僕は、恋愛ものが好きかな。その他にもドキュメンタリーとか……」
タルトの問いかけに、2人は楽し気に話していく。そんな二人が、タルトの勧めで同人誌にチャレンジしてみるのは、時間の問題だった。
「響、まさかこれを視野に入れていたのか?」
「ん? 選んだのはあの2人だよ~」
修の言葉に、タルトがくすっ、と笑いながら答えた。
こうして、第八階層の事件は解決する。
落書に彩られた紅玉区と黒玉区は新たな観光スポットとなり、モートンが作った不思議な絵の具も、第八階層土産の1つになったそうだ。
今日もまた、彼の工房では絵の具と絵が生み出されることだろう。
(終)
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あとがき
担当マスター:
菊華 伴
ファンレターはマスターページから!
菊華です。
まずはガイドに登場してくださった百岳 甘桃さん、誠にありがとうございました。
今回は、アクションを読んでこのような展開に。
第八階層を舞台とした幽霊事件はいかがだったでしょうか?
事件も解決し、すすりなく幽霊のうわさも落ち着きました。
文句なしの成功です。おめでとうございます。
はたして、事件の真相は? それは皆さんの目で確かめてください。
それでは今回はこれで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。
おまけ
皆さんへの称号:優しい冒険者たち
取得:モートンの絵の具(乾いた後は水を弾く。上から絵の具を塗ってもするり、と落ちる。色はご自由に)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
菊華 伴
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月01日
参加申し込みの期限
2018年09月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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