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FEAR THE FORCE:夢幻泡影
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湯というよりは水の、シャワーを浴びた。
濡れ髪をタオルで挟みながらドアを開けると、風が
七夜 あおい
の頬を撫でる。ふわっとした湯気も。
まじっているのは玉子の匂い。
それに、鰹の匂い。
「起きた?」
カウンターキッチン。あおいに背を向けて夫が、ボウルをかき混ぜているのが目に入った。
ああ、と彼はフライパンを火にくべたまま告げる。
さすがに「起きた?」というのはいささか間の抜けた質問だったようにあおいは思う。暑さなど感じないのだろうか、彼は汗ひとつかくことなく、ぱりっとアイロンが利いたワイシャツの上に、ペールブルーのエプロンを巻いていたからだ。胸元には、紫陽花(アジサイ)の刺繍がある。
「朝御飯と弁当の支度をしようと思ってね」
手伝ってくれるかい? という彼の問いに、もちろん、とあおいは着替えをはじめた。
ごく当たり前のように抱き合う。ごく当たり前のように、軽く唇を重ねる。
そうしてあおいは、彼の隣に立って包丁をふるうのだ。
お揃いのエプロンだ。やはり紫陽花の刺繍、けれど色は淡い赤紫。
夫の
八神 修
とこのエプロンを買いそろえたのは、先月の末ごろだったか。
「じゃあ、大根葉を切りそろえるの頼んでいいかな?」
「ついでに炒めようか?」
「いいね。任せるよ」
何も心配はいらない、と修は思う。料理にかけては、あおいの腕は俺以上だから。
修は玉子焼きに集中することにした。フライパンに薄くのばした玉子を菜箸でまとめる。くるっと均等に裏返すのが難しい。早すぎると破れてしまうし、遅すぎると焦げつくからだ。ちょうどいいきつね色で整った形にまとめるには、ちょっとしたテクニックが必要だ。
ベストのタイミングは、自分が「今だ」と思ったときより数秒あと――集中すべきひとときに、修の箸先は鈍っていた。薄焼きの縁をつかみそこねてしまう。
おかしくはないか。
料理が得意なあおいに、「何も心配はいらない」と考えるなんて。
他に心配すべきことがあるせいかもしれない。
けれど、本当は心配なのだがそう考えることにしているせいかもしれない。
小指の爪先で肌につけた傷のような、小さな痛みめいたものを感じる。
「あおい……」
と言いかけるも修は、
「なに?」
あおいの笑顔を見たとたん、小さな痛みを忘れていた。
「鰹節料理、覚えてる? あれまた作ろうよ」
「うん、作ったよね。でもいつの話だっけ?」
「ほら、桜花寮での『宝探し』で。つい最近……いや、そうじゃないな、去年の春だったか」
一年以上前の話なのに、せいぜい二三ヶ月程度前のような気がするのは、強烈な記憶があったからに違いない。そうだった、あのとき、あおいが俺に試食を求めた炊き込みご飯――。
その強烈さたるや。
美味いとか不味いとかそういう一義的な表現をたくみに避けたとしても、
ストロング
というほかなかった。そんな気がする。
おかしいじゃないか。料理が得意なあおいにそんなことがあるはずがない。
やめよう、と決めて修は笑みを浮かべた。いま大切なのはこの状況だ。
すでに食卓には料理が並んでいる。弁当もすでにととのった。
コーンとトマト、ほぐし笹身のトリオを、花弁みたいにくるんだレタスのサラダ。
しっかりと鰹だしで味付けた筍の煮物。
細かく刻んだ大根葉をごま油で炒め、白だしと鰹節でととのえた小皿。
油揚げと大根の味噌汁、白いご飯、そして、ほんのちょっと焦げた玉子焼き。
これ以上望むべくもないほどの朝食だ。
まだ熱の残る筍をひときれ、あおいは朱塗りの箸でつまんだ。ふうと息を吹きかけ冷ましてくれる。
「……はい、修君」
そうして修の口元にもっていくのだ。満面の笑顔で。
「あーんして」
照れくさいがこれが夫婦の、朝の日常になってもう久しい。
修は、この幸せに身を任せた。
けれども、
かすかな痛みは
修のなかに
残りつづけた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月09日
参加申し込みの期限
2018年08月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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