【プール開き】ドキッ☆水着だらけのうふふのふ♪｜リアクション

【プール開き】ドキッ☆水着だらけのうふふのふ♪

　その日。寝子高プールに誰よりも早く訪れたのは、旅鴉月詠であった。
「理事長から許可はとったし、準備は念入りにしないといけないからな」
　そう言って、誰もいないプールサイドから、空を見上げる。
「うむ、今日も暑そうだ」
　これならば、プール開きには最適だろう。
　だが、なにせ炎天下。準備に時間をかければ熱中症になる可能性もなきしはあらず――ということで。
「やっぱり、この力を使ってよかった」
　月詠は大事に抱えていたスケッチブックを開いた。大小さまざま、重さもいろいろな荷物は、たとえメイドに手伝ってもらったとしても、全部運ぶのは困難だ。でもここに封じてしまえば、月詠一人でも、簡単に運搬することができる。
「そう考えると、なかなか便利な力だな」
　開いたところには、赤や黄色や青色の、カラフルなパラソルが絵になっていた。
　それをびりりと破れば、中からパラソルが飛び出す仕組み。
「おお、水辺といえば白！　と思ったりもしたが、やはり派手なのは見ていて気持ちがあがるな」
　次のページには、パラソルしたに設置する、プラスチック製の机と椅子。
　それも同じように取り出して、机の上には、まな板や包丁、ミキサーやドリンクサーバーなどを置いていく。
「うん？　ちょっと机が狭かったか？　まあ寄せれば全部のるし、問題はないか」
　足元には、クーラーボックスを数種並べた。
　もちろん、蓋つきのコップやストロー、ゴミ袋などの細々としたものも忘れずに。
「これで、ドリンク屋の設置は完成だ」
　あとはジュースを作って、サーバーにつめていけばいい。
「さて、タイムリミットまでフル活動だ」

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