アニマル♡ウェディング撮影会｜リアクション

アニマル♡ウェディング撮影会

●友達以上、恋人未満の撮影会

　八神修の愛猫ミルクと撮影会に参加する七夜あおいは、ドレスと小物をどれにしようか悩んでいる。
「季節と背景的に、涼やかな印象の物が良いかもな」
　ミルクを抱きながら、一緒に選んでいる修が「これはどうだ？」といろいろ薦めた。
　選ぶのは大変だったが「これにするね」とあおいが決めたのは、地中海を思わせる色のマーメイドドレス。

　着替えが終わったあおいのドレス姿を見た修は、疲れが一気に吹っ飛んだ。
「人魚みたいだ……」
　マーメイドドレス、頭に銀のティアラを付けたあおいは、人魚姫のように綺麗だった。
「似合うかな……？」
「ああ……良く似合ってるよ」
　相手が俺だったら……と思ったが、お相手はミルクなので我慢。
　ミルクをあおいに抱っこさせ、その場で写真家みたいに修は写真を撮る。
「いいよ、いいよ。ちょっと動いてみようか」
　撮影の間、ミルクがあおいにスリスリして甘えるので「羨ましい奴め」とちょっぴりジェラシー。
（俺はもう、俺はもう！　ミルクを可愛がるあおいが眩し過ぎる！）
　興奮を抑えながらの撮影は、修にとって苦行に近い。

　撮影が終わると、あおいが「修君、一緒に撮らない？」と誘った。
「俺も？」
　いいのかと迷っていると、スタッフが飛び入り参加も大丈夫、と撮影を薦める。
「でも、俺達は恋人じゃないですから……」
　ちょっと遠慮するが、せっかくのお誘いなので断れない。
（花婿のコスプレをして、花嫁のコスプレをしたあおいと一緒の撮影と思えばいいか）
　スタッフの薦めで、修は心のハードルを飛び越えられた。
「そうだな、俺もミルクと撮ろう。花婿２人になるけど」

　修が白のタキシードに着替えると、女性スタッフの何人かが素敵なモデルと見惚れていた。
　撮影場所は、修とあおいが話し合って決めた海浜公園。
　緑が気持ち良い、海を背景にしようという、ということでここに決まった。
　撮影で、修はポーズ決めたり、あおいを持ち上げてお姫様抱っこしたり。
　茶目っ気を出してミルクを頭に乗せたりと、様々な趣向をこらす。
　その最中、黄色い鈴がついた赤いリボンを首につけた猫が「にゃー☆」と飛びついてきた。
「猫の飛び入り参加か。ちょっとしたサプライズだな」
　猫好きな修にとって、これは嬉しいハプニングだった。
　乱入猫の正体は響タルトだとわかっていたが、一緒に撮影したかったのだろうと思い、何も言わず。
「花婿さん、その子と撮影をしてみませんか？」
　俺だけの撮影もいいかもしれないと思い、カメラマンにタルトを抱っこした写真を撮ってもらうことに。

　最後の撮影は、畏まってあおいと一緒にミルクを抱っこ。
「写真の仕上がり、楽しみだね」
「そうだな」
　喉をゴロゴロ鳴らすミルクを撫で「おまえも、ありがとう」と修は感謝した。
　ついでに、楽しませてくれたタルトにも。

（結局、こうなるのか……）
　撮影場所の教会につくなり、卯木衛は項垂れた。
　本当は俺が新郎なんだからな！　と恨めしく思いつつ、新郎役のウサギを抱いている壬生由貴奈のベールを持ちバージンロードを歩くことに。
　ウサギがドヤ顔に見えるので、衛は不機嫌に。
（あーうん。でも、世界一綺麗な花嫁さん……由貴奈さんが見れたからな。ウサギ、感謝してやろう）
　それだけだからな！　とウサギをガン見する。男の嫉妬も怖い……。
「ウサギとうーちゃんと一緒にバージンロードも歩けて、いい画が撮れたかなー？」
　状況を知らない由貴奈は「ほらほら、うーちゃん。誓いのキスの場面は一番映えるところなんだよぉ」と振り返る。
（……って、またウサギと揉めちゃってる）
　揉めている原因は誓いのキス。
　絶対に由貴奈さんとのキスは渡さねえ！　それだけは絶対に！　と、衛はキスの直前までウサギと張り合う。
「じゃあ、誓いのキスしよう」
　ウサギを顔に近づけ、自分の唇とウサギの鼻先を合わせて誓いのキスをする由貴奈。
　それを見て、衛の嫉妬はさらに増し「こいつ……」と悔しがる。
「うーちゃん、はしゃいじゃって可愛いねぇ。ま、そこが大好きなんだけどね」
　子供みたい、と微笑ましく怒り心頭の衛に由貴奈はゆっくり近づき、頬にそっとキスを。
「これはうちからのキス。じゃあ、次はうーちゃんの番だよ？」
　目を瞑り、衛からのキスを待つ。
「いや……あの……不意打ちはヤバいですって！」
　頬のキスで赤面したが、しなかったら男が廃る！　と照れつつ触れる程度の軽いキスを由貴奈の頬に。

　撮影の様子を見て乱入の機会を窺うタルトだったが、お邪魔しちゃ悪いねと諦めた。

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アニマル♡ウェディング撮影会

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