アニマル♡ウェディング撮影会｜リアクション

アニマル♡ウェディング撮影会

●撮影衣装に着替えよう

「まてまてまて！　何で俺がベールボーイで、ウサギが新郎なんだ！！　これって、ウェディング撮影会じゃねぇの！？」
　新郎にしてはタキシードっぽくないと思っていたが、卯木衛は、壬生由貴奈が指定した衣装に着替えた。
「一番肝心のアニマルの部分を見落としてたんだねぇ」
　由貴奈にそう言われたので見直すと、たしかに「アニマル」の文字が。
「くっ……ホントにアニマルウェディングって書いてある……」
　だから簡単に引き受けたのか……！　と衛は膝をついて項垂れる。心なしか、由貴奈が抱いているウサギが笑って見ているような気がした。
「いやでも！　ほら！　俺も『卯』木！　ウサギですよ！」

　女性撮影スタッフが差し出してくれたウサ耳を借り、必死にウサギアピール。
「どうですか由貴奈さん！？　そっちのウサギより、こっちのウサギの方がお買い得ですよ！？」
「うーん……お買い得感で言えば、たしかにうーちゃんの方だけど、新郎の恰好してるのはこっちのウサちゃんだしねぇ」
　更に項垂れる衛に「なーんてね、冗談だよぉ冗談」と宥める、
「うーちゃんがタキシードで並べないのは残念だけど、うちはドレス着れるし。うちとウサギとうーちゃんとで一緒に撮影してもらお？」
　ドレス姿を乞うご期待！　と抱いているウサギを衛に預け、由貴奈はドレスに着替えに行った。

「ったく……着替えるのに、どんだけ時間かかるんだよ……」
　ウェディングドレスに着替えるだけなら時間はかからないが、ヘアセットをしたり、メイクをしたりで何かと支度が手間取る。
　あくびをしながら、新郎役変わってくれよーとウサギに話しかける衛。
　まだかよー、と待ちくたびれ、しゃがみこんだ時「おまたせー」と明るい由貴奈の声がした。

「新婦、ただいま到着ぅ！　どう？　似合うかなぁ？」
「す、素敵です！　最高です！！」
　純白のウェディングドレス、超似合う！
　大感激の衛だったが、新郎役が自分だったら、もっと最高だというのは口にせず。

「衣装はやっぱり、ウェディングドレスにします。こういう、ふわっとした衣装を着てみたいなと思いまして。こういった機会がないと着られませんし」
　薄野五月が選んだのは、バラの花がいっぱいのウェディングドレス。
　ドレスのレースは、バラの色に合わせた淡いピンク。白い長手袋。白バラのアクセサリがついている純白のベール。
「猫さんと同じ色なのです。ふっふー」

「どれにしようかしら」
　マリエッタ・ラシュリエが選んだのは、ウエストラインがすっきり、スカートは下にいくほど広がって全体のラインがAのかたちになることが名前の由来のAラインドレス。
　多くのセレブが選んだそのドレスは、スマートにスタイルを演出する王道ドレスと言ってもいい。
　その中でも、もっとも人気があるといえる肩紐がなく、首から指先まですっきりとアームラインを見せるビスチェタイプを選んだ。
「素敵。これにして良かったわ」
「すごく綺麗ですねー。素敵です」
　目を輝かせ、マリエッタのドレス姿を見る五月はお似合いです、と褒めた。
「ありがとう。あなたのドレスも、花の妖精みたいで素敵よ」
　互いのドレスを見て、いつかこんなドレスを着て結婚を……と夢見る２人だった。

（俺のサイズに合うものがあるとは……）
　どのような体型の花嫁希望男性が着られるよう、特大サイズを含めた様々なサイズのドレスがズラリ。
　サイズだけでなく、カラーバリエーションやかたちも豊富に取り揃えてある。
　筋肉質ワイルド系お姉さんと化した曖浜鴻は、これが無難だと白いウェディングドレスを選んだ。
　偶然の一致か、たまたまか、曖浜瑠樹も白いウェディングドレスを選んでいた。
「可愛い～♪　将来、綺麗なお嫁さんになるわよ、きっと」
「ありがとぉー」
　瑠樹の着付けを手伝った女性スタッフは、あまりの可愛さにうっとり。
　あいつが男だと知ったら、あの姉ちゃんビビるだろうな……と会話を聞いている鴻だった。

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