実験農場：田植えのはずが泥試合｜リアクション

実験農場：田植えのはずが泥試合

　こうして三夜湖方面の苗たちも確保され、田んぼに植えられる。終わるころには泥まみれになってしまっていたが、達成感に満ち溢れていた。

　苗は無事にすべてつかまり、全員がくたくたな状態で拠点に集まった。
「皆さん、ありがとうございました。おかげで実験が続けられそうです。お礼と言っては何ですが、食事を用意しますから十分休んでいってくださいね」
　志村霧乃が、彼らを拠点の中へと案内しながらそう言った。意外と広い家の中には広い畳と食事の準備中といったテーブルがあった。比較的軽傷だった研究員さんたちが用意していてくれたらしい。「簡単なものしかありませんが……」と言われたが、ほかほかご飯に卵、漬物に素朴なお味噌汁、ヤマメの塩焼きとなかなか豪勢である。
「ＴＫＧとかいいなぁ、と思っていたんだ。用意してくれるとは……」
「ここの農場で育てたニワトリの卵です。新鮮ですよ」
　修が思わず感嘆の息を漏らすと、研究員の一人がそういって卵を進める。かと思えば、別の研究員が「ハチノコもありますよ～」とハチノコの佃煮を器に入れて持ってきてくれたりする。
「わ、私はその前にシャワーを浴びたいんですが……」
「僕も、泥まみれになっちゃったし……」
　三夜湖を泳ぐ苗たちを確保していた桜は冷えた体を借りたタオルにくるみながらちょっと震えている。そして、とりあえず泥を落とした夏朝もまたしょんぼりと言う。と、縁側からひょっこりと巧が姿を現した。その顔にはすすが付いており、額には汗がびっしり浮かんでいた。
「シャワーは修理中だそうやで。代わりに五右衛門風呂を用意したさかい、入ってな？　皆もええで？」
「それはいいとして着替えがないんですけど……」
　桜はその現実に頭痛を覚えるものの、霧乃がどうにか用意する、と言って桜たちを五右衛門風呂に連れていく。
「しっかし、うまそうだな……」
「本当にいい匂いだね」
　刀と英二もそういうが、巧が２人の肩をたたいて「後でお風呂に行きなさい」と言った。

　彼らの奮闘によって植えられた田んぼは、実に穏やかな空気が流れていた。雨に打たれ、これからすくすく伸びていくだろう。
　霧乃たちは心から９人に感謝し、実りの秋を期待した。

（終）

蛇那伊「ところで、なぜミラちゃんは苗に追いかけられていたのかしら？」
英二「白猫の毛並みを土で汚そう……とかじゃないよね？」
苗（なぜばれた、というような反応）
蛇・英「「？！」」

（今度こそ、終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
ちょっと遅くなりましたが、リアクション完成しました。

今回は幸いにも全ステージに人員がいきわたり、成功しました。
ありがとうございます。
皆さんは去年実験農場で収穫されたおいしいお米とごちそうを頂いて帰宅しましたことを付け加えておきます。

今回の報酬
称号：逃走苗の確保者
取得：寝子島産のお米『ねこのおなか』２キロ

今後も少人数のシナリオで『実験農場』をやっていこうと思います。
宜しくお願いします。

それではまた縁がありましたらよろしくおねがいします。

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