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グッドキャット・シティのある事件簿
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【汚染】
「吸うかい」
探偵が差し出したニボシ煙草を、ローザ・ガーディアンは素直に受け取った。ここには気にするべき猫目もない。ライターの火へくわえた煙草を点け、深く吸い込み、吐く。煙の半分はため息だった。
「警察は頼りにならんと言われてますがね。仕事はするんですよ。何もかもが淀んでいるわけじゃない」
「分かってるやつだっているさ。ここにも一匹な」
ビリーとは長い付き合いで、こうして顔を突き合わせれば自然、互いに愚痴の一つも漏れる。
グッドキャット・シティ市警察28分署長。それがローザの肩書きだった。
「お飾りも同然な上の連中に触れなければ、下は自由にできる。あなたに情報を流すこともね。組織が健全なら、そもそもそんな必要はないんでしょうけど」
「やれやれ、ジレンマだな」
廃屋のトタン屋根を打つ雨音が彼らの声と、時折漏れる苦い吐息をかき消してくれる。空き家は何匹かの浮浪猫が住み付いているくらいで、こうして密談をかわすには具合がいい。ローザと探偵の結託を阻むものは何もなかった。
「全く。いつからこうなってしまったのやら」
「おれのケツが青かった頃から、そういう連中は蔓延っていたさ。この街が育んだ、とも言えるかもな……」
ビリーとて身に染みているのだろう。二匹は揃って煙を吐く。警察上層部と違法マタタビ粉の切っても切れない関係についての議論を、事ここに至って蒸し返そうとはどちらも思わなかった。
今論ずるべきは、もっと小さな地域についての議題だ。つまりは28分署が管轄する警察管区内で起きた、スキャンダラスで印象的な事件について述べるべきことがあった。
「一応聞いとくが、おたくらはどう見てるんだ?」
「どうもこうも。単なる不幸な通り魔事件として処理するつもりですよ、上の連中は。おかげで今朝もうちの生真面目な若者が、捜査から外されたことにひどく憤慨してましてね」
「ほう。警察の未来は明るいな」
皮肉はさておき、分署長以上のいずれかの段階から、圧力がかかったのは確かだろう。ローザには手の及ばないところで物事は決定され、彼女はそれを部下へ伝える。彼女の部下の一匹は血気に逸る今どき珍しい正義感だが、その振るいどころを失い半ば自暴自棄になっている様を思い出し、ローザの胸には忸怩たる思いが浮かんだ。
「とはいえ、それでも情報が無いわけではありませんよ。事件の翌日には部下を手配して、ほうぼう事情聴取に当たらせました。ま、こんな街ですからね、そんなのを真面目にこなす警官は稀ですが。猫手は常に足りていないものの、何匹かは私に付き合ってくれますんでね」
「聞かせてくれ」
ローザはうなずく。探偵の手腕は信頼しているし、期待してもいる。
「ルシアさん、性格はかなりキツかったそうですが、歌は素晴らしかった。うちの分署にもファンがいましてね」
「そいつは可哀想に」
「事件当夜も勤務を終え、分署近くのダイナーで夕食を取った後、ニャンダルシアへ向かったそうですが……バーの方向から走り去る、小柄な猫影を見たそうです」
それはメスねこに見えたという。顔は見えなかったが、闇夜にもきらめく上等な外套を羽織っていた。よほどの高給取りなのだろうと部下は思ったという。あの界隈でそんなものを羽織れる者は、自ずと限られる。
メスねこはひどく慌てた様子で、駆け足に立ち去ったそうだ。
「歌姫の同僚……か?」
「私もそう見ています。ニャンダルシアでステージに立てる歌手はルシアを含め十三匹。そのうちのいずれかと見るべきでしょう」
ビリーは曲がった窓枠でニボシ煙草の火を消し捨てた。警官としては一言苦言を呈するべきだろうが、この街ではそれがひどい徒労であることも重々悟っている。
煙とともに、ローザは今日何度目かのため息を漏らした。
ビリーの去り際に、ローザはその背中へ声をかけた。
「他にも手伝えることがあれば、お気軽に……代わりと言っちゃなんですが、今時希少な正義に燃える若者を見つけたら、私を紹介しといてくださいよ。猫手不足なんで」
ひらりと手を振る探偵に背を向け、ローザもまた歩き出す。
警察官として、この街にできることは驚くほどに少ない。だが、しかし。傘を広げ、雨粒がポリエチレンを叩く透明な音に耳をそば立て、ローザは誰ともなく牙を剥きだした。
「いずれ上層部も、防疫しなければ……ね」
この街の良心は、まだ死に絶えてはいないのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月03日
参加申し込みの期限
2018年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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