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グッドキャット・シティのある事件簿
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【折れざる意思】
マドゥカ・ニャリィアスには信念があった。夢は生まれの貴賤などで左右されるものではないと、そう信じていた。
だが現実はどうだ?
「捜査から外れろと? 上からの圧力ですか? そうなんですね!?」
ローザ・ガーディアンに食ってかかっても仕方がないものと、マドゥカとて理解してはいる。ローザはグッドキャット・シティの一分署長であり、その上におわすお歴々がいかなる猫物かは想像が巡らないこともない。
それでもマドゥカは己の理想を貫く。それが警察官たるものと信じているからだ。
「いいさ。それなら勝手にやってやろうじゃないか」
バッジと拳銃を握り締め、マドゥカは署を飛び出した。
マドゥカは若く、希望に燃え、そして青かった。この街は得てして、そんなねこにはひどく辛辣であったのだ。
探偵はマドゥカに先んじて、倉庫街の一角に佇んでいた。
「ビリー・ハワード! 探偵風情が、何をこそこそ嗅ぎまわっている?」
「きっと目的は、お前さんと同じさ」
事件が起これば、その捜査権は国家権力によって行使されるべきだ。市民に頼られる法の守護者……とはいえこの場でそんな理想を語るには、現実との乖離は大きすぎる。
この探偵とたどってきた糸は違えど、どうやら目指す先は同じであるようだ。二匹は情報交換と、この場において共同調査を行うことを取り決めた。
「英雄になろうなんざ思うなよ? 探偵なら探偵らしく分を弁えて、バーテンに伝言でも残しとけ」
「何、性分でね。おれは誰かにそう言われるたび、危ない目に会いたくてたまらなくなるのさ」
マドゥカが埠頭際の倉庫街へ足を向けたのは、彼女が幼少を過ごした思い出深き孤児院の友人から聞き出した情報によるものだ。安いニボシ煙草の差し入れと引き換えにくれたのは、この場で行われる何らかの取引に関する情報だった。信頼に値するとマドゥカは考えているが、同時に事情通な友人は心配そうに、気をつけろ、とも言い添えた。
一方ビリーはと言うと、軽妙に語られたその根拠に、マドゥカは耳を疑った。
「占いだって……?」
「当たるも八卦、当たらぬも八卦ってね」
東洋のコトワザらしきものをつぶやき、倉庫街を行く。
ひとたび街の中央を彩る喧噪とネオンサインから遠ざかれば、周囲には明かりの一つも無い。無骨で飾り気のない錆びたコンテナが積み上げられているばかりで、怪しげな猫影など一つも見られない。
「……ルシア氏について調べたよ。ずいぶんと敵が多かったそうだな」
「敵と言っても女同士の何とやらで、銃弾が飛び交うような話じゃあない。彼女の才能故に避け得ぬ僻み妬みというやつさ」
「裏路地で胸に一発。確かに恨みからの犯行という線は薄い……だが」
警察の知り得ぬ情報をビリーと交換し、推理を構築する。
その過程で浮かび上がるのは、歌姫ルシア・マーロンの持つ裏の顔だった。マドゥカはため息を漏らす。
「違法なマタタビ粉取引の仲介役……ここがその、秘密の取引現場というわけだ」
「単なる顔役ならまだ良かったがね。彼女はウォッシュバーンと関わらずにブツをさばくルートを持っていた」
「ああ。ヤツは身内に面子を潰された格好に……」
視界の片隅で橙の火が弾け、乾いた破裂音が響き渡ったのはその時だった。
「おいおい。こりゃ穏やかじゃないな!」
「やつが犯猫か……!?」
銃撃は倉庫の陰から行われたようだ。巧みに身を隠した何者かが、断続的に銃弾を撃ち込んでくる。
マドゥカも拳銃を抜き放ち応戦しながらも、ビリーを導き退避を試みる。狙いは実に正確だ。素人ではないだろう。
コンテナに身を隠し、銃身だけを覗かせて引き金を絞りつつ、マドゥカは半ば叫ぶように言った。
「ビリーくん、君は逃げろ!」
「そうは行くか。警官とはいえうら若きご婦人を置いて逃げたとあっちゃ……」
「やつはプロだ! 長くは持たないぞ! それにボクたちが二匹とも倒れてしまっては、誰がこのことを伝え」
強い衝撃を胸に受け、マドゥカはもんどりうって倒れ込む。駆け寄ろうとするビリーを制して、喉から溢れる吐血にむせびながら、声を絞り出す。
「誰がこのことを、伝えるんだ。誰が真実を明らかにするんだ……行け。行くんだ。そして必ず……」
続けざまに地や壁を穿つ銃弾に、ビリーとの距離は遠くなる。それでいい、とマドゥカは思う。大切なのは真実が明らかとなり、それによって市民が警察の庇護のもと安穏として暮らせることだ。いかなる手段をもってしてもその一端を担うのが警察官たる使命であり、マドゥカの誇りなのだ。
「……行け!」
銃弾の雨に隔たれた距離はもはや、縮まることはないだろう。ビリーは目を細めて小さくうなずき、身を屈めながら走り去った。
伝えねばならないのだ。真実を。
失血がマドゥカの意識を剥離してゆく。身動ぎすら億劫になってきた頃、かすかに降り落ちる星明かりを一つの猫影が遮った。
「お前が……犯猫か……!」
突きつけられた鈍く光る銃口を見上げ、マドゥカは歯噛みした。マドゥカは若く、希望に燃えていて、そして青かったのだ。
しかし後悔は無い。警察官が身を挺し民間人を守るのは当然のことだ。マドゥカは己の矜持を全うしたに過ぎない。
それにあの探偵がこの夜を生き延びたなら、それだけ真実に近づくだろう。
「ボクの……勝ちだ」
引き金が引かれるまで、マドゥカは精いっぱいの笑みを浮かべ続けた。悲しむ理由などない。マドゥカはこの街の闇に打ち勝ったのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月03日
参加申し込みの期限
2018年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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