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グッドキャット・シティのある事件簿
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【グッドキャット・シティ】
繁華街。極彩色のネオンの下、行き交うねこたちは虚ろな瞳で真っすぐに前を見つめ、一心に歩いてゆく。
路傍に目を向ける者はわずかだ。特に歩道へ腰を据え客を待つ靴磨きのシャルトリューの少年のことなど、誰もが存在しないものとあえて無視を決め込んでいるかのようだった。
だが、しばらく無為な時が流れた後に、やがて靴磨きにも客が訪れた。
「頼めるかな」
「どうぞ」
特別な符牒はない。客は何食わぬ顔でぴかぴかの革靴を磨き台の上に乗せ、人目をはばかり小声で二言三言、それに手渡すお代へ必要な情報を忍ばせる程度だ。
「次の標的だ。名前はユキト・マキ」
「……何故?」
これまでに幾度となく交わされてきたやりとりではあった。だが、靴磨きが名を聞き返したのはそれが初めてのことだった。
「知る必要はない。そいつは我々の知るべきでない情報を知った、それだけだ。どうした? SHO。何かあるのか」
「何も……」
その通りだ。事情も理由も関係ない。するべきことは変わらない、常にそうして生きてきた。
どこかの探偵が語った通りだ。この街の夜を後ろ盾も無い若者が一匹で生きるには、往々にして選択肢は限られるものだ。
靴磨き、カケル・ホウジョウは殺し屋・SHOとなり、ネオンが彩る街並みへと溶けてゆく。
ユキトと出会った日のことを、カケルは今でも具に思い出すことができた。
仕事の帰りだった。荒んだ気分で通り抜けた裏路地で、カケルは見たことも無い何かの部品を見つけ、痛みも忘れて興味深くそれを拾い上げた。
「……ダレ? 君もギアマスターかい」
「ギア……なんだって」
「ナンだい。違うのか」
昨今流行りの、何とか言う子どもの玩具だ。部品はその一部であったらしい。ユキトはそれを繰るための訓練に明け暮れていた。カケルとて年頃は同じでありながら、表と裏、隔てられた全く違う世界へ足を踏み入れたかのように、カケルはユキトの一連の動作を眺めつづけた。
それ以来のことだ。二匹が何とはなしに、連れ合うようになったのは。
「ユキト。今日は俺が勝たせてもらう」
「ふぅん、ヤル気だね。ま、僕の勝ちは変わらないけど」
「言ってろ。行くぞ」
闇に隠れ、誰かに銃弾を撃ち込むことで生きてきた。そんなカケルが触れた世界は子どもらしく純粋で、それでいてのめり込むほどに熱く、遊びを知らなかった彼をすっかり魅了するのに十分だった。
そしてそれを堪能する時、隣にはいつもユキトの姿があったのだ。
「まぁ……思ってたよ。そんなコトだろうなってさ」
今。埠頭の倉庫街で、カケルは彼の胸へ銃口を定めている。周囲を黒服を着込んだ屈強そうなねこたちが取り囲み、サングラスで厳めしい顔を隠していた。
先日もここで、警官が一匹撃たれたらしい。夜に佇むコンテナたちは、まるでこの世でないどこかへねこたちを誘う棺桶のように思えた。
「どうした? SHO。早く撃て。なあに、いつものようにやればいい」
やけに落ち着いたユキトの顔が、カケルの胸を締め付ける。
仕掛けは完璧なはずだった。今夜二匹は埠頭に横づけた貨物船の上、コンテナの一つへ潜り込み、国外へ逃れるはずだった。船員の数匹を金で抱き込み口裏を合わせれば、もはや憂いは何も無い。そのはずだった。
厳しくも住み慣れた街を捨てることにユキトは渋ったが、一瞬見せたカケルの泣きそうな懇願に、結局は小さくうなずいた。自分はよほどに追い詰められた顔をしていたのだろう、とカケルはかぶりを振る。
「何やってる。撃てばお前の裏切りは見逃してやると言ってるんだ」
「黙れ。黙れよ……」
銃口は外さぬまま、黒服の中でも一際に巨躯を誇るベンガルを睨め付ける。
「ウォッシュバーンは死んだんだ。もういいだろう、こんなことは……スタイルズ!」
「変わらねえのさ。何もな。役者が降板すれば、すぐさま次の演者が舞台に上がる。いつまでも幕は降りない。この街はそういう風にできてるのさ」
選択肢などない。この街は持たざる若者に辛辣で、何かを選び取る余地など容易に与えてはくれないのだ。
かすかに震える銃口を無感情に見据えて、ユキトはぽつりと言った。
「いいよ。ヤリなよ。君を恨んだりしないさ」
瞳を伏せる。
カケルは引き金を絞り切った。乾いた破裂音が響いて、数拍の無音の後、アスファルトへ小柄な身体が倒れ込む鈍い音が、深くカケルの耳を打った。
「ああ、それでいい。死体の始末は任せる。俺たちはもう追わねえ。どこへでも、好きなところに行っちまえ」
黒服たちがもはや目もくれず立ち去っても、カケルは指が白むまで拳銃の柄を握り続けた。
響く汽笛が波音と、頭上を巡るカモメの鳴き声をかき消してゆく。
洋上にあっても、カケルの頬に張り付いた苦渋の色は剥がれなかった。引き金を引いた瞬間、腕に伝わった衝撃が未だ、指先を痺れさせている錯覚を覚える。
「ああ……まったくさ。まだ胸がイタイよ」
「! 何だ。やっと起きたのか」
頭に立ち込めていた霧が、背中にかけられた声でようやくにして、晴れてゆくのを感じた。
ユキトは軽く咳き込みながら胸元を探り、裏ポケットから何かを取り出し手のひらへ乗せた。
銃弾が食い込んだ衝撃でひどく壊れていたが、それは始まりの夜にカケルが拾い上げた、あの玩具の部品だった。
「妙案だったろう? 感謝して欲しいもんだな。俺がお前の命を救ったわけだ」
「良く言うよ。僕は今の今まで気を失ってたんだよ」
ともあれ、彼の胸ポケットへそれを押し込んだのはカケルだ。彼は賭けに勝ったのだ。
徐々に遠ざかる街並みを、二匹は並んで眺める。
グッドキャット・シティ。不穏、諦観、絶望に満ち満ちた街。何でもありの街。しかしねこたちはそこに隠されたひとひらの希望に思いを馳せ、夜空を照らすネオンサインに願いを託すのだ。
今夜もまた、街は何事も無かったように巡る。やがて月が上り、ねこたちを照らすだろう。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『グッドキャット・シティ』のリアクションをお届けいたします。
ハードボイルド。憧れますよね……!
と言いつつ、墨谷はそれほどその手の作品に触れたことがあるわけではないのですけれど、シニカルな軽口を叩きながら華麗に、あるいは泥臭く事件を解決する私立探偵にはやはり憧れてしまうのです。
今回はそんな私のイメージを、『ねこ』に置き換えてみたら? といったお話でありました。
ねこ化した皆さんを頭の中に思い描きながらの執筆、とても楽しかったです!
猫種、毛並みの色に瞳の色、職業などなど、どのねこさんも個性がバリバリでして、想像しただけでもうふんにゃかふにゃんと楽しくなってしまいました。
グッドキャット・シティのお話はまたやってみたいと思っていますので、その時には再び皆さんの可愛らしいねこ姿を見せていただけたら嬉しいです~。
それでは、今回もご参加いただきましてありがとうございました!
また次の機会にもお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした~!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月03日
参加申し込みの期限
2018年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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