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グッドキャット・シティのある事件簿
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【月】
正確を期するなら、リサもまた占い師ではないのだ。彼女はタロットを繰るが、現れるカードの裏には種も仕掛けも存在する。それは単なる手慰みの遊びに過ぎない。彼女が本当に操るのは、情報だからだ。
白銀の毛色にライラックポイントが美しいシャムのメスは、常に狐の面をかぶり、声色までも操り別人を演ずる。情報屋とは繊細で危険な生業であり、そしてリサは大いに客を選別する。一見の客は彼女に目通ることすら叶わず、彼女自身が構築したルートをたどる程度の資質を備えた者のみが、提供される知の恩恵に与ることができるのだ。
「つまりあなたは、その幸運な一匹というわけね」
「そいつは光栄だ。まだるっこしさにいささか辟易とはしたがね」
探偵は評判通りのオスであるようだ。彼は部屋の真ん中を占有する卓の上に土産であろう高級猫缶とカリカリの詰め合わせを乗せると、その上へカードを投げた。月の符号。彼は選ばれし客というわけだ。
「どなたからのご紹介かしら?」
「占い師のエミニャール嬢」
「なるほど。良い娘ね、彼女は」
声色は機嫌よく、仮面の向こうにくつくつと笑みを湛えながら、リサの両前足の間を大アルカナが躍った。
「さあ。何を聞きたいのかしら?」
リサが同業者と異なるのは、扱う情報の裏付けを自らの足で取ることだ。リサの仮面の下を覗いた者は、未だかつていない。おかげで彼女はどこへでも入り込み、見聞きすることができた。
「ルシア・マーロン。有名人ね、このところは特に」
「生きてる間にそうなれば良かったが。世の中ままならんものさ」
「ええ。本当に」
ビリーの言葉にうなずいたのは、本心から。情報屋とは決して光の当たる生業ではない。良きにしろ悪しきにしろ、ねこたちの内実を探り時にその痛みを商品とするのだから、誰かしらに揶揄されることも免れまい。そんな商いを始めるに至った経緯、リサの猫生にもまた多くの傷が刻まれているのは当然のことだ。あるいはそれを隠さんがための仮面でもあったのかもしれない。
ともかくもルシアのたどった顛末を探ることは、リサにとっても興味深くあったのだ。
「歌姫と呼ばれた彼女にも……いいえ、彼女だからこそ、その生きる道に波乱は多々押し寄せたことでしょうね」
「だが、ねこが一匹殺されにゃならんとはよほどのことだ」
探偵はニボシ煙草に火をつけた。仮面の下を覗き込むかのようにリサを見つめ、卓の上を爪でとんとんと指す。
「つまりそいつを知りたいのさ、おれは。彼女は撃たれるべくして撃たれたのか? それとも不運なとばっちりであったのか。お前さんのカードは、そいつを示してくれるのかい」
リサはただ、仮面の下に笑う。
裏を取るのは比較的簡単だった……当然にしてリサの手腕があってこそ、ではあったが。
リサは卓の上へ三枚のカードを並べ、左の一枚を表に返した。逆位置の『力』。
「マタタビ粉。違法な、ね。ニャンダルシアがその取引場所として機能していることは?」
「もちろん。それで?」
「彼女は、その顔役だったのよ」
バーの内情を探るうちに知れたのは、ルシアが闇のビジネスに思いのほか根深く関わっているということだった。
ビリーは耳をぴくりと震わせ、瞳を細めて煙を大きく吸い込む。
「彼女の才能には、幾匹もの上客がついていたことでしょう。彼女は客たちへ、後ろ暗くも魅力的な提案をする。路上でみすぼらしい売人にすり寄られたり、厳めしい黒服に半ば脅されながらの取引より、よほど間口は広がったでしょうね」
「……ウォッシュバーン。やり手というわけだ」
「ええ、でもそれだけじゃない」
リサは真ん中のカードを開く。正位置の『悪魔』。
「ルシアは引き受けた商品のいくらかを、バーの外で横流ししていたのよ。雇い主を通さずさばける分は、彼女の丸儲けというわけ……さて、ここで問題よ」
立て続けに右のカードを開いた。正位置の『隠者』だった。
「そうやって私服を肥やしていた彼女。それは一体、何のためかしら? 派手に着飾るため? さらに商売を広げるため? それとも」
「もったいぶるなよ。なぜ……」
「渡せる情報はここまでよ。後はせいぜい、頑張ってちょうだい。探偵さん」
ビリーの瞳がぱちりと瞬いた。この期に及んで出し渋られるとは思っていなかったのだろう。
「何だい。ばかにサービスが悪いじゃないか」
「残念ね。例え私が全てを知っているとしても、それを教えることはできないわ」
「何故?」
お代が足りないとか、探偵への信頼が欠けているとか、そういうことではないのだ。
リサは卓の端に追いやられた缶詰の上、月のカードを取り上げ見せつける。つまりはそれが仮面をかぶり、情報を商いにグッドキャット・シティを生きる、リサというメスねこなのだ。
「私は傍観者。誰の敵にも味方にもならない存在……それこそが、『月』なのだから」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月03日
参加申し込みの期限
2018年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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