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グッドキャット・シティのある事件簿
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【危険な賭け】
グッドキャット・シティに響く銃声は誰もが半ば聞き慣れた音でありながら、それでも不安をかきたてられずにはいられない。
「ケイさん。今のは……?」
「急ごう。嫌な予感がする」
ケイの言葉に同じく、アヤカの胸の鼓動も早まり始める。銃声が響いたのは、二人が今まさに向かおうとする路地のほうであったからだ。
今朝方、唐突に連絡を寄越してきた情報提供者と接触する予定だった。電話越しに聞こえたのはメスねこの声で、名は名乗らなかった。しかし、ルシア・マーロン殺害犯について何か知っていると言われては、出向かないわけにはいかない。
もちろんガセネタの可能性はある。しかしぼんやりとしていたら、ビリー・ハワードが敏腕を発揮し事件を解決してしまうだろう。一人前の探偵となるべく、アヤカには情報を選り好んでいる余裕はなかった。
「! アヤカ、誰か倒れている。撃たれたか……」
「この人、もしかして情報提供者の……!?」
駆け寄り、前足を握る。腹に銃創。出血がひどく、鼓動は弱まりつつある。三毛猫のメスだった。おそらく件の情報提供者だろう。
アヤカは全身が総毛立つ感覚を覚える。路地の暗がりの向こうに、銃撃犯はまだ潜んでいる。おそらくは、歌姫の胸へ銃弾を撃ち込んだ何者かが。
「……きい……て」
「だ、大丈夫ですか!?」
三毛猫はうめきまじりに口を開け閉めし、何か語ろうとしているようだ。アヤカは耳を彼女の口へと近づける。
「聞い、て……」
その瞬間、路地の暗がりの向こう、程近いところからもう一度銃声が聞こえた。
「ア……アヤカっ!」
驚愕と焦燥に満ちたケイの呼び声に、アヤカは自身の胸元を見下ろす。ジャケットの左胸に、ぽっかりと大きな穴が開いていた。
ぐらりと身体が傾き、迸るようなケイの声に頭を揺らされながら、アヤカは意識を手放した。
あの夜が来るまで、ココロ・コサカエはどこにでもいるありふれた三毛猫に過ぎなかった。何の取り柄もない、生きる価値もないつまらないただ一匹のねこ。それが自分だと噛み締めながら、目立たず細々と生きながらえてきた。そんな彼女の孤独が、あるいはあの夜を引き寄せたのかもしれない。
「……銃声?」
バー『ニャンダルシア』を訪れたのは、彼女の胸の内に鬱屈していた捨て鉢な思いがその日に形を成したからに他ならない。あの店が今や、ウォッシュバーンとその部下によって掌握されていることは知っていた。どうにでもなれ、と胸の底から考えていた……どうかしていたのだろう。
そうして人通りのないバーの裏手を歩き表玄関へ回ろうとしたところに、出くわしたのだ。倒れ伏し赤い血溜まりをコンクリートに広げるルシア・マーロンと、銃を手にした一匹のねこに。
翌日、ココロは相手を呼び出した。何の悦びもない、平坦に過ぎる彼女の猫生に図らずも飛び込んできた、これは紛れもない幸運だった。少なくともココロには、それが天啓のように思えたのだ。
「事を公にされたくなかったら。毎日私に、新鮮なネズミを三匹持ってきニャさい」
相手は目を丸くし、ココロはくつくつと笑った。生まれて初めて、自然と浮かべた笑いだった。
「冗談よ。それとも四つんばいになって、ワンワン鳴いてみる? あニャたにはさぞ屈辱でしょうね」
肩を震わせ口惜しそうな相手を眺め、罵倒した。時には戯れに、目立たないところへ爪を立ててやったり、身に着けているものを奪って壊してやったりした。無論、報復の心配などない。あの夜から、ココロに逆らうことはできなくなったのだから。
これほど愉快なことが、この世にあったとは。一匹のねこを、自分が完全に掌握している。支配している。全てが自分の言いなりだ。何て素晴らしい!
自分より下位の存在を踏みつけることで、ココロは開花した。笑顔が増え、近所付き合いが活発化した。心の奥ではその全てを見下すようになった。
強請りで引き出した金により、私生活も若干派手になったところで、探偵がココロの元を訪れた。
「ちょいと聞かせてくれないか。ルシア・マーロン殺害の件で、あんたが何か知ってやしないかとね」
ビリー・ハワードがどこから嗅ぎ付けてきたのかは分からないが、少なくともココロには彼を忌避しこそすれ、用などありはしない。
「ニャにもしらニャいです。お引き取りください」
探偵ははした金をちらつかせたが、そんなものでこの愉悦が買えるものか。ココロは探偵を突っぱねた。
しかし、そうして彼女がこの世の頂点に君臨してよりしばし。ココロの幸福は、そう長くは続かなかった。
「……ニャんですって?」
相手は口止め料支払いの継続を拒否した。相当に耐えていたのだろう、逆に恐ろしい剣幕でココロを脅したのだ。
こいつは私の所有物なのに。奴隷の分際で。ココロは憤慨した。膨れ上がっていた悦楽が急激にしぼみ、代わりにふつふつと湧き上がるのは、忘れかけていた不平等なこの世への諦観と怒りだった。
「そう。ああそう。分かったわ。あニャたがそういうつもりなら、こちらにも考えがあるわ。せいぜい怯えていればいい」
もちろん、楽しみようはまだまだある。
つまり、情報を売ればいい。歌姫殺害犯の真実を公にして、こいつがぼろぼろになって転落して、破滅していくのを高みで眺めればいい。もとより金など二の次だ。最後の最後まで、自分を楽しませてくれればそれでいい。
ココロは考え、情報を細かく切り売りすることにした。いずれは大々的に暴露するつもりだが、まずは小さなことから明かしてゆく。人々の好奇心を煽り、最高潮に達したときに、余さず全てを公開するのだ。少しずつ世の関心を育て、最後に全てを収穫する。そのカタルシスたるや、小金を引っ張り少々いたぶってやる程度とは比較にならないことだろう。
「手始めは……そうね。探偵がいいかしら。それもベテランはダメ、エサを与えて、すぐに真実へたどり着かれてしまっては元も子もない。そう、新米の駆け出し探偵がいいわね」
かくしてココロは、アヤカ・アヤツジへと連絡を取ることにした。
「う……」
「気が付いたかい、アヤカ」
目を覚ますと、ケイのほっとした顔が目の前にあった。気を失っていたというのに、アヤカは顔中に全身の血液が集まるような錯覚を覚え、周囲へ視線を巡らせる振りをして顔をそむけた。
「は、犯猫は……? 捕まえましたか?」
「いいや、追いかけなかった。君を放ってはおけないからね。それにしても恐れ入ったよ、まったく。本当に心配したんだよ?」
苦笑いまじりに、ケイはアヤカの胸元を前足の爪で指す。破れて穴の開いたジャケットの向こうに、厳めしい防弾ベストが覗いていた。
「ごめんなさい。ルシアさんの胸を一発で撃ち抜いた犯猫だから、射撃の腕はいいと思って……痛っ」
左胸に鈍痛が走り、アヤカは顔をしかめた。少なくとも意識を飛ばすほどの衝撃だったのだから、際どい賭けであったと言わざるを得まい。とはいえアヤカのそんな機転には、ケイも彼女の頭へ柔らかい肉球を乗せて称賛してくれた。
「あ! 情報提供者は? 無事ですか!?」
「いや。ダメだったよ……犯猫の名前も聞けずじまいだ。けれど、いくらか情報を聞き出すことはできたよ。どうやら犯猫は彼女に犯行現場を目撃されて、脅されていたようだ。かなり金品も巻き上げられていたみたいで、それに身体には彼女が悪戯につけた爪痕が、いくつか残っているはずだ」
「! それは有力情報ですね……!」
差し出されたケイの前足を躊躇いがちに取り、アヤカは起き上がる。調査はまだまだこれからだ。立ち止まってなどいられない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月03日
参加申し込みの期限
2018年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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