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グッドキャット・シティのある事件簿
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【隣人】
グッドキャット・シティのねこたちの暮らしぶりは実に、十匹十色だ。ぱりっと糊のきいたスーツで夜の街を闊歩する者もあれば、郊外の閑静な住宅街で暇を持て余す者もあり、貧しく慎ましくもその日暮らしの自由を謳歌する者もいる。
それらの全てが、カタナ・ミツルギの取引相手となる。
「さて。今日は庭の掃除と草刈りに、晩飯の買い出し代行、ペットの世話、引っ越しの手伝いに屋根の修理……っと」
何でも屋としてこの街に暮らすのは、決して楽なことではない。それでもカタナは請け負った仕事のリストを眺めて、ほっと一つ息を吐く。今日のラインナップなら、カタナの持ついささか荒っぽい特技を披露せずに済みそうだ。
「荒事は無いに越したことはないからな……」
「あら、これからお仕事ですか?」
「ああ。ユキノ姉ちゃん」
朝の出がけに隣人のユキノ・シマオカに声をかけられるような日は、何だか良いことがありそうな、前向きで明るい気分にさせてくれる。ユキノは見目麗しいバリニーズで、それでいて飾らない純朴さを湛える、カタナにとっては近所の優しいお姉さんといった間柄だ。
カタナの仕事ぶりは生真面目で真っすぐだが、多種多様なねこたちを相手にしていれば、トラブルへ発展することもままあった。そんな時、ユキノはカタナをかばってくれたり、カタナに非があれば叱ってくれたり、一緒に謝罪までしてくれたり……何かと頭の上がらない相手なのだ。
「今日は何時ごろの帰りになりそうですか?」
「そうだなぁ。夕方頃になるかな」
「そうですか、今日もお仕事、気をつけて頑張ってくださいね」
「ああ、ありがと姉ちゃん。行ってきます!」
にこやかに手をふるユキノに見送られ、カタナは相棒である木刀を背に負うと、良い気分で最初の仕事先へ向かった。
頑固な庭の雑草にはひどく難儀をした。痛む腰に鞭を入れ、雑多な通りに面したコンビニエンスで食材をしこたま買い込む。両手に満載した買い物袋を届けた次は、瀟洒なお宅でペットの人懐こいハムスターと戯れた。引っ越しの手伝いは大きな荷物が多く辟易としたが、終わった後には依頼人がちょっとした昼食をご馳走してくれた。めったにあることではないが、時にはこんな役得にあずかることもある。
屋根の修理というのは半ば口実で、実際のところは暇に飽かした老夫婦の話し相手のようなものだった。もっともこの夫婦は馴染みの客であり、カタナもそのつもりで通っているのが実際のところだ。
「カタナちゃん、いつもありがとうねぇ」
「こんな年寄りに付き合わされて、退屈じゃないかい?」
「そんなこと! 俺も楽しんでますから。それにいつも、美味い菓子を出してくれますし」
要するにこれこそが自分の仕事なのだと、カタナは自負している。決して平穏ではないこの街で、こうした何気ない日常を両前足の肉球でそっと包み込み、すくい上げてやるのだ。何でも屋として生きるとはつまり、そういうことなのだろう。
そんな彼の人柄がためなのか、ひと仕事終えて街を歩けば、方々から声がかかった。
「よう、ミツルギ! 調子はどうだい?」
「例の品、いいのが入ってるんだよ。ちょっと見ていかないか?」
「お暇かしら? いっしょにお茶でもどうかしら」
その一つ一つに、カタナは笑顔を返してゆく。こうしたところから仕事が舞い込むこともあり、決して疎かにはできないし、何よりカタナはこの街の人々が好きだった。
とはいえ、グッドキャット・シティにはそんな彼の善意が介在する余地のない、暗い闇もまた満ち満ちている。ある中通りでは、一見してガラの悪いゴロツキが、中年のオスねことその連れを取り囲んでいた。
「先生、こいつらは? 何者でしょう?」
「聞いてみたらどうだい。話してみりゃ、案外良い連中かもしれないぜ」
この街では良く見る光景だ。
事情は分からないし、知りたいとも思わない。単なる通りすがりであり、あえて介入する必要も、その意思もカタナには無かった……が。
「なんだ。もめ事か?」
それでも彼は、中通りへ足を踏み入れる。鋭くぎらついた無数の目が、カタナを射抜く。自分と同年代らしき少年と目が合い、カタナは尋ねた。
「手助けは?」
「必要ない。と言いたいところだが、ちょっと辛いな」
「分かった」
そしらぬ顔で通りすぎても良かったが、そんな時には大抵、ユキノの笑顔がちらついた。見て見ぬふりをすると、なぜだか悲しむ彼女の顔がまぶたの裏に浮かぶのだ。
(ま、仕方ない。これも仕事の一環か)
もちろん、わざわざ主役を買って出るつもりもない。出しゃばらない程度に、荒っぽいやつらを何匹か黙らせれば事足りるだろう。
包みを解き、木刀を正眼に構える。程なく、カタナはそれを数度も振るってみせた。
自宅へ帰り着く頃、空は鮮やかなオレンジに染まっていた。
「お帰りなさい。夕飯を作ったのだけど、少し余ってしまいそうなの。良かったらいっしょに、どう?」
ユキノは花咲くような笑顔で、彼を待っていてくれた。
カタナは思う。街の平穏を守ることが、きっとこの笑顔を守ることに繋がっているのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月03日
参加申し込みの期限
2018年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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