この素晴らしいステッラ・デッラ・コリーナで週末を！｜リアクション

この素晴らしいステッラ・デッラ・コリーナで週末を！

◆祝勝会・２

　桜庭円と白真白、そして南雲秋月は一緒に料理を選んでいた。
　今回の宿泊部屋も３人部屋のスイートルームを選んだのは、第二区間で奮戦したチームメイトだからだろう。
「ビュッフェでは、珍しいもの食べてみたいなぁ。エスカルゴとかぁ、チーズとか、エビとか食べたいね！」
　ゴスロリ衣装を身に纏った桜庭が料理に目移りしていると、白が「これ美味しそうだよ」とピーマンの肉詰めをお裾分け。
「げぇ！　緑のあんちくしょう！　真白ちゃん、ボクはピーマンはいいんで、どうぞ」
「円ちゃん、好き嫌いは駄目だよ～？」
「ほんといいんで……！　無理っす。マジきついっす」
「あれ？　桜庭先輩、ピーマン嫌いなんです？」
　南雲の問いに、桜庭はげんなりした表情で首肯する。
「ピーマンなんてこの世から滅べばいいんだ……（迫真）」
「では、私がそのピーマンの肉詰め、食べますね！」
「秋月ちゃん、マジ救世主……！　あ、秋月ちゃんって辛いの好きそう。エビチリ食べる？　そういえば、エビチリとか日本で作られたんだっけ？」
「そうらしいですね、桜庭先輩。エビチリ、いただきます。特に好き嫌いはないので、辛い物も好きな方かなぁ。まぁ、お父さんや兄ほど味覚異常じゃないですけど」
「馬鹿舌っていうんだよね、そういうの！　私は、秋月ちゃんは野菜とか好きそうなイメージがあるなぁ」
　白はそんな事を主張しつつ、グリーンサラダを南雲の皿に乗せる。
「あの、白先輩？　私の皿ばかりじゃなく、御自身のも取ってください……！」
　こうして、どんどん後輩の皿に料理が乗っけられてゆくカオス。
「ピザとか寿司とかお肉とかどんどんとっていこー！」
「私の皿にはもう乗りませんから！　そういう白先輩はどんな料理が好みですか？」
　南雲に尋ねられた白は、一瞬考えを巡らせて答えた。
「甘いものが好きだよ～。甘いものだけじゃなくて辛いのもしょっぱいのも好きだよ。味がしっかりしてるけど、余り後に残らない系が好きかな。あと漬物」
「「その流れで漬物……！」」
　桜庭と南雲の心がシンクロ率１００％に達した瞬間だった。